愛しかったはずの存在を否定するのは、自己否定にも似て。好ましく思った全てが、裏を返せば、全て嫌悪の対象に摩り替わる。痘痕はやはり、痘痕でしかないのに気付いてしまう。信じてきたものが音もなく崩れ去っていくことの恐怖に、どうか負けないように、必死にこの足で立ち上がるけれど。