見てはいけないものを見てしまうのは、好奇心からだけなのだろうか。そっと覗いた隙間から垣間見えた、あたしの知らない日常を、あたしの知らない過去を。自分で開けてしまったパンドラの箱のふたを閉じることも出来ずに、結果として狂うのは、他でもない自身のせいなのに。相反する衝動に勝てずにいる自分に半ば呆れつつ、あたしは問題を摩り替える。