パンドラの箱
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いつものように、携帯を開く。 そこに届いた、いくつかのメールに。 心躍らせたのが、いつのことだったのか思い出せないくらい遠く感じる。
特別な着信の合図も。 特別な呼び出し音も。
全てリセットした。
もう、心を苦い想いで満たされることもないだろう。 もう、不安で身体を痛めつけることもないだろう。
「自分を想って苦しむくらい、愛されてると想うと嬉しい」
いつだったか贈られたあなたのその言葉は、愛情からくるものだとしても、許せなかった。 愛情と憎悪は紙一重だ。 そんな形で愛情を証明されて嬉しいなどとは、言って欲しくなかったのだ。 そんな形を作ってしまう関係に疑問を持って欲しかったのだ。
投げかけた一つ一つへの回答も、中途半端なまま、あたしに下駄を預け幕を引くことを選んだあなたは、最後の最後まで、あたしに甘えていることに気が付いているのかな。
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