アルテミスの日記
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2003年06月18日(水) ナルニアに添えて・・

懐かしい思い出・・小学校の低学年で読み始めた ナルニア物語・・
ライオンと魔女 銀のいす 魔術師の甥 カスピアン王子の角笛 馬と少年
最後の戦い 朝開き丸東の海へ・・ 心ときめかせて 本の虫にしてくれた、魔法の本・・。瀬田さんの訳がとても美しく 原語のムードそのものを伝えている事が本当によくわかったのはここに来て 原語のナルニアに触れたから。

昨日はルイスファンデーションもメンバーでルイスがナルニア物語を生み出した家に行った。50年間変わらない庭・・

そして その前の小さな美しい森・・これも ルイスをしのぶため ナルニアを思うために 保存がされていて・・
けれど50年前のナルニアの生まれたときにはきっと幼かったであろう森・・

家の中を見るのに時間があったのでピーターの好意で森も散策・・。
いきなり目の前に沼が開けた。 胸が躍った一瞬だった。

ここでもしかしたらあの泉を思いついたの? 尽きない疑問と 綺麗な鳥の声に、背中を押されるように歩いた。

50年前と変わっていないとされるフロントガーデンはつるバラがトレリスに絡んで綺麗だった。 リシマキアプンクタータの黄色 へメロカリスの渋い赤
セージの紫・・ 例えようもなく感動した。

この庭を森を歩いて 日々を送ったルイスは戦時中に子供たちの教育に自宅を開放し 子供たちに話をしていたという。そして 自分の友達の母親をその友亡き後に自宅に招いて一緒に暮らし面倒を見ていたという。

彼は裕福な家庭に生まれた御曹司だったけれど、心もまた豊かで。だからこそあんな素敵な胸の躍る話をかけたのだと納得した。
ルイスファンデーションの人間もナルニアに取り付かれた人たちで上は70過ぎのおじいちゃん下は 20台のお嬢さん でも驚いた事に殆ど昨日の参加者は男性だった。

ここでこのシーンは生まれたのですかとの質問にも目が輝いていた。
案内をしてくれた人がバリバリのアメリカ英語を使うのに少しばかり、がっかりしてしまったけれど・・ それでも嬉しかった事には変わりなくて・・。

オクスフォード大の セントヒルダスカレッジでのディナーもおいしかった。
ノーザンライトを書いた(黄金の羅針盤?)もオクスフォードの人間
あのトールキンの話も飛び交った。
鏡の国や 不思議の国のアリスを書いたルイスキャロルもこの地の人間で・・

私が何処にいるのか もっと自覚がいるのかなとも思った時間だった。 

ナルニアの最後の結末は失敗だと教授は指摘するけれど 私は あれほどの満足を覚えたエンドはないと思う。 私たち子供が失望のない優しい結末で・・
そしてその中には 現実に対する思いや それから 死は恐れる物でなく、ただくる物だという事 けれど それは 逃げた挙句にくる物ではない事・・沢山のことを与えてくれたと思う。

フィリッププルマンなどは 悪魔の終わり方 なんていっているようだけれど・・笑。
晴れてあの中に登場した人間ナルニアにかかわった人間が 彼らの世界に送り返される事なくナルニアで 例えようもない美しい生活に入っていったあの終わりは 私には 本当にため息の出るほど うらやましいと子供ながら思いそして 良かったねと 手をたたいて読んだのを思い出した。

ナルニアは 決して 天国ではないけれど でも たまねぎの皮のようにむけば新しくなり その新しい国は さらに古い国よりも大きく という考え方は人間の成長にも話をかけているのかなって 今はおもっている。

私は 児童文学がとても好きで今更に自分がその世界に没頭できるのだとちょっと自覚して嬉しかったりした。
そして マニアックなナルニアファンに囲まれて その話しに入っていける自分がちょっぴり嬉しかった。


アルテミス |MAIL

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