2002年09月20日(金)
小泉首相の訪朝が終わり、日が経つにつれて、日本人拉致の被害者の方々の神経を逆なでするような問題が続出してきている。 もし拉致されたのが、自分の家族だったら・・・と思うと言葉も無い。
それでも日朝国交正常化交渉の再開は、北東アジアの安全性から考えても必要な事だと思うし、世論調査の結果をみると、日本国民もその辺は割りと冷静に評価しているようだ。
首相の訪朝にあたり、北朝鮮国民へのインタビューを見ていて思ったのは、日本人が北朝鮮を信じていないのと同じように、北朝鮮人も日本に対して、根強い不信感を持っているという事だ。 このままでは、たとえ今度政府間レベルで国交が正常化しても両国民にとっては不幸だ。 金正日総書記長は、日本と本気で国交を正常化したいならば、拉致と工作船(北朝鮮が自国の船だと認めた以上不審船という言い方はしないそうだ)は、自国が行った事だと、自国民に対して説明すべきだ。 相手国を責めるばかりでなく、お互いに自分たちの非も認めなければ何も始まらない。
今容易く小泉首相を批判している政治家達は、過去に北朝鮮問題において、何をしてきたと言うのだろう。 沢山の大きな問題を残しているとはいえ、北朝鮮に拉致と工作船を認めさせ、重い扉を開けさせたのは、紛れも無い事実だ。
国内では批判の多い拉致問題の処し方だが、韓国では思わぬ波紋が広がっているようだ。 日本政府が北朝鮮にたいして「拉致」を認めさせたのに対し、韓国政府が400人以上もいる韓国人拉致を北朝鮮に認めさせていないと、被害者の家族が猛抗議し、 世論もそちらの方向へ進んでいるとの事だ。
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