2003年02月12日(水)
岡山で幼い姉妹が行方不明だった事件(事故)・・・行方不明から10日目に小さな記事が出ただけで、その後報道がなかったので、どうなっているのか心配していたが、残念な事に最悪の結果になってしまった。
行方不明・・・といえば、我が家にも苦い経験がある。 my wish(娘)が小学校へ入った頃の事である。 まだ行動範囲が狭くて、幼稚園からの一緒だった近くのお友達ぐらいとしか遊ばず、5時過ぎれば決まって帰ってくるのが日課だった。(今は知らないけど、その頃は母親同士の間で「5時になれば遊びに来ている子を帰す」というのが不文律のようにあった)
陽が延びて、5時だとまだ明るいけれど6時を過ぎると急に外は真っ暗になるという季節のその日・・・いつもは帰ってくる5時15分過ぎてもmy wishは帰ってこなかった。 そのお家は子供の足でも徒歩10分位・・・「まだ遊んでいるのかな?」と軽い気持ちで、電話をしてみたら「いつもと同じように5時には帰りましたけど・・・」という返事。 家の外で待っていても帰ってくる気配も無い。 友達のお母さんも心配して家まで来てくれたが、いつも通る道にはいなかったという。 同じ学校へ通っている近所の家でも自分のお子さんに「○○ちゃん、見なかった?」と聞いてくれたが、どの子も「今日は見てない」。 「どこから電話がかかってくるかわからないから、お母さんはお家で待っていて」と言われ、ご近所の方たちが夕方の忙しい時間にもかかわらず、皆が手分けして探してくれた。 電話の前で待ちながら、生きた心地はしなかった。事故?誘拐?悪い悪い方へと想像が膨らむ。 6時半過ぎ、大泣きをしながら、my wishは帰ってきた。
遊びに行ったお友達の家を出たあと、もう一人違うお友達に会って、誘われてその子の家で遊んでいたという。 「まだ明るいし、ちょっとだけならいいか」と思ったmy wishだったが、まだ幼い子供の事、遊びだすと時間を忘れてしまったし、その子の母親も留守だった。 母親が帰宅して「あら、○○ちゃん、そろそろ6時半になるわよ。お母さん、心配しているんじゃないの。」と言われて、(そう思うのなら、送ってくれるなり、せめてこちらに電話をくれるなり、してもいいじゃないか・・・っていうのが本音)慌てて外へ出てみたら、思いもかけず真っ暗、急に心細くなって泣きながら帰ってきた。
my wishの場合、幸いな事に事故に巻き込まれていたわけではないが、あの時の生きた心地がしなかった思いは、経験したものでないとわからないだろう。 小中学生が携帯を持つのは「早すぎる」と思うけれど、あの時携帯があったら、きっと私は翌日から一人で外へ出す時には持たせただろう。
その後、my wishは、時間に敏感な子になった。 遊びに行くにしても「5時に帰宅するのか、5時まで遊んでいるか」を明確にするような子に育ったし、今でも大学の授業が延びたり、お友達とお喋りして、何時もより帰宅が遅くなる時はメールが来る。
住み慣れた住宅街でも、暗い道を歩くのに、心細くて泣きながら帰ってきたのだから、山道で道に迷ってしまった姉妹はどんなに心細かっただろう。 妹さんは、きっとお姉さんを頼って泣いた事だろう。 早くお家に・・・お母さんのところに帰りたかったんだろうと思うと胸が痛む。
合掌。
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