自立日記
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2003年10月23日(木) |
一度しか付き合ったことのない人間だから。 |
恋愛小説や、マンガを読むたびに、N子とのことを思い出す。 それだけ俺がまだ、N子のことを想っているのかって、自分でも思うが、 それはただ自分が、まだN子としか付き合ったことがないから、 自分のこととして作品を読むためには、 N子と一緒に過ごしたことを当てはめて読むしかない。 単にそれだけだし、それ以上のものでもないはず。 だけど、もし今、俺がN子の前に姿を見せたら、どんな反応を示すだろう…… なんて考えてしまう。 もしかしたら、もう一度付き合えるんじゃ……って。
N子と俺は、お互い初めて人と付き合ったし、した経験も初めてだった。 だから、生涯で最初で最後の人だと思っていた。 今でもまだ少し、実はそうなんじゃないかと思っている。 このまま誰とも付き合わず、生涯を終えてしまうかもしれない。 N子とまた結ばれることは考えられないから、ひとりぼっちで死ぬかもしれない。
ただ、俺がN子の前に現れたとしても、元には戻れないと思う。 そのから先が、想像できない。 前のように付き合えるとは思えない。 あの純粋だった頃には戻れない。 お互いを、運命の人だったと思っていたあの頃には。 歯の浮くような気持ちで、感覚で、清い交際は。
もしN子と結ばれるのが運命だったとして、 それを口にしたところで、 もうそれは、シツコイ男なだけ。 もう終わっている。 昔に終わっていることだ。
幻想が出てくるのは、俺がN子としか付き合っていないからだけで、 恋愛作品を読むと、N子と自分のことに置き換えて読むしかないからであって、 単にそれだけのこと。 気持ちはぶり返す。 苦しみは続く。
でも俺は、あのときの気持ちが、変わらない。 はっきりと心に蘇ってくる。 何度でも蘇ってくる。 N子を愛おしくて、大好きな気持ちが、死なない。
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