2006年12月31日(日) 2006年総括。 |
1月。妊娠発覚。夜勤明け、彼女の部屋で昼寝をしていて、ふと目覚めると「ちょっとリビングのテーブル見てきて」と彼女に言われて、なんだなんだプレゼントでもあるのかしらと寝呆け眼でテーブルを見ると、陽性を示した妊娠判定器。なんて圧倒的なプレゼント。すぐにベッドに戻り、横になっている彼女に四つん這いで覆いかぶさりプロポーズ。 2月。独身生活を過ごした1Kのマンションから彼女のマンションへ引越し。同棲生活スタート。彼女の方が帰りが遅いので料理の勉強を始める。ネギを切っても目が染みるって初めて知った。 3月。暫定的に子供の名前を「ややちゃん」と名付ける。腹もまだ出ていない。産婦人科の超音波エコーでも生き物だという判別すら難しい。でも「ややちゃん」と名付けた瞬間、今まで感じたことのない愛と責任が生まれる。彼女の実家に挨拶に行く。絶対怒られると思ったけど、お爺さんにしこたま日本酒を飲まされる。 4月。入籍。仕事帰り、区役所の夜間受け付けに婚姻届を提出。家に帰ってティファニーの結婚指輪をはめて小さなパーティ。夫婦になった夫婦になった夫婦になったねー。と、雰囲気を盛り上げるが、なかなか実感が沸かない二人。 5月。つわり。この一言。なんなんだあれ。一生この状態が続くのではないかと錯覚。そんな状態で仕事を続けていた妻は偉い。徐々に身の周りにマタニティ関連の物が増えていく。 6月。新婚旅行。台湾に行って旅行会社の計らいで、大混雑の小龍包の専門店で巨大なケーキをプレゼントされて周囲の客から拍手を貰うがなぜ小龍包の店で。妻のお腹が徐々に大きくなっていくなか、いろんなとこ連れて回ってほんとすいませんでした。 7月。結婚式。妻より先に泣いた。式でも泣いて披露宴でも泣いたのは、リハーサルで教わったことが本番になって頭が真っ白になった不甲斐なさのせいが6割。生まれ来る子供の為に、今年第二の引越し。 8月。妻、切迫早産となり仕事を退職。絶対安静の専業主婦に。妻のこの1年の日記があるのなら読んでみたいと思うほど、妻はこの1年大変な思いをいっぱいしてきたと思う。 9月。第2のつわり。ちょっと物を食っただけで吐気と共に貧血のような顔貌。毎晩妊娠線予防マッサージ。ややちゃんと声を掛けると腹の中でボコボコ動く。切迫早産の危機も回避し、毎晩散歩に。散歩帰りに毎日買い食いして結局体に良かったのか悪かったのか。 10月。御ハナ誕生。立ち合い出産。これ見たら一生妻に頭が上がらない。立ち合うっていうか亭主の職業をどこからか知った助産師さん達にやたら指示されて思いっ切り協力した。夫婦から家族の生活が始まる。妻1時間おきの授乳生活の中、僕ドラクエⅦを今さらながらクリアする。 11月。沐浴にオムツ交換。1時間おきの授乳。御ハナ中心に我が家は回る。初めてのことばかりだけど、常に妻と向き合っているので苦にならない。育児以外の時間は、写真ばかり撮っている。 12月。あっという間に御ハナ2ヶ月。徐々に発語が出てきて笑うようになる。可愛過ぎて脳が半分溶けて理性を失いつつある僕は、ことあるごとに意味不明の絶叫を発し御ハナにキスの嵐。御ハナ、おもむろに嫌悪の表情を浮かべる。それがまた可愛くて可愛くて気が付けば大晦日。 |
2006年12月30日(土) 妻、御ハナ、僕。 |
今年は結婚して子供ができた。人生というものは面白いもので、去年の今頃はまだ子供なんてできてないし、結婚すらしてない。驚くことに手すら繋いでいないのだ。まだ去年の今頃は、ただ職場の同僚で時々飲みに行くような友達であった。 だが時は経ち今じゃ子持ちの夫婦。この1年で妊娠して婚約して新婚旅行行って結婚して出産した。この1年で。頑張れば1年でこんだけできるんだ。2回も引越ししたし。 今年一年を総括すれば、ただただ楽しかった。今まで経験したことないことばかりで時に迷ったり悩んだりしたけれど、いつも傍に妻がいてくれたから、呑気な僕を支えてくれる冷静な妻がいてくれたからやってこれた。本当にありがとう。 御ハナももうすぐ3ヶ月で、首も徐々にすわってきた。話し掛けるとニコニコするし大人顔負けの糞だって垂れる。この子の存在感は圧倒的なものがあり、来年もきっと御ハナ中心で僕と妻は穏やかに周る。 去年の今頃は、御ハナはいなかった。この世に存在しなかったものが、今こうして僕等の前で微笑んでいる。自分の指をしゃぶって口の周りが涎でびしょびしょになっている。1年で、これだけ変わった。これだけ慌ただしくて激動に満ちた1年もなかったと思う。妻に、何度だってありがとうと言いたい。本当にありがとう。そして来年もよろしく。 |
2006年12月29日(金) 今年最後の口説き落とし。 |
以前、マイミクのりょうさんからまわってきたバトンを年末になって漸く腕まくり上げて書きます。「以下のキーワードを絡める(もしくは連想させる)口説き台詞を自分で考え、悶えながら回答して下さい」というルール。若い頃は口説き文句の一つや二つ、意識せずとも言えたんですけどね。あ、でも去年は口説き文句集みたいなものも書いたなぁ。気になる方はケータイ書籍『桃色浮世草子』を今すぐダウンロード! ■キーワード一 『雪』 一緒に雪を見上げるのは今年まで。来年はきっと同じ屋根の下にいるから。 ■キーワードニ 『月』 君といるとウサギに見えぬ。いつもハートの型してる。 ■キーワード三 『花』 全ての花びらが奇数だったら、僕は花占いを信じるよ。 ■キーワード四 『鳥』 鳥になるということは自由になることだ。翼じゃ手と手は繋げない。 ■キーワード五 『風』 片思いの頃から君は風上にいて、幸せな空気で満たしてくれた。 ■キーワード六 『無』 「無理・無駄・無口」この言葉ほど僕等に無縁なものはないね。 ■キーワード七 『光』 まぶしければまぶしいほど、残像は強く残るんだよ。 ■キーワード八 『水』 透き通った水が、美味しい水とは限らないんだよ。 ■キーワード九 『火』 知らぬ間に君は僕を焦がしていた。低温火傷のように。 ■キーワード十 『時』 時計を無くした。君といる時間が増えた。 さて。顔から火が出てきそうなので読み返しませんがいかがでしたか。このキーワードを与えられて言葉をあてはめていくって遊び、結構好きです。どうか皆さんが来年も素敵な恋ができますように。 |
2006年12月28日(木) 勤労ダイナマイト。 |
去年の大晦日は夜勤で、種々の格闘技イベントが見れなくて一人でふくれていたけれど、今年の大晦日は休日で「大晦日ダイナマイト!」を視聴することができる! と、興奮していたら、ダイナマイトは午後6時から。午後7時からは細木数子のスペシャル番組があるらしい。 まーたーかーずーこーかーよー。と、細木数子を崇拝している妻に言うと、「大晦日に蹴ったり殴ったりみて何が楽しいの? しかもそれを大晦日にする意味がどこにあるの?」と言われて、そう言われてみればそうだ。何も大晦日にやらなくたっていいよなぁ細木数子スペシャルを! だいたい細木数子なんて、アンチの人間から見ると、毎晩スペシャル番組やってるようなイメージがあるんだよ。徳光さんもネプチューンもゲストもみんな媚びちゃってさ。くだらん。大晦日は紅白でも細木数子でもない。チェ・ホンマンvsボビー・オロゴンだよ! 曙はジャイアント・シルバと対戦かぁ。「今までの曙だと思ってたら、火傷するよ」って曙、記者会見で言ってたけど、いっつもそんなこと言ってんじゃん。山本KID徳郁も参戦するし楽しみだなぁ。大晦日楽しみだなぁ。でも僕は妻のことを心から愛しているし、妻が望むことは何だって叶えてあげたいから細木数子スペシャル見ちゃうんだろうなぁ。しかも元旦は夜勤ときたもんだ。1月2日は夜勤明けで3日は休日。で、4日から仕事。正月気分なんて味わえないよ。でも夜勤が多けりゃ給料増える。給料が増えれば生活が潤って、生活が潤えば悩みが少なくなって、悩みが少なくなれば細木数子は必要なくなる。よし来年も俺は勤労ダイナマイトだ。 |
2006年12月27日(水) 今年は書くよ。 |
年末に差しかかり、テレビ番組は徐々に秩序を失っていく。秩序を失うというのは、やたらスペシャル番組ばかりになって、スペシャルなんて名ばかりで、ただ放映時間が長いばかりで中身は希薄。大騒ぎしてたら大衆も喜ぶだろう。年末だし、もうすぐ正月だし。さぁみんなで騒ぎましょうという雰囲気に僕はうんざり。つかまた細木数子かよ。このおばちゃん毎日テレビ出てんじゃん。おっかないったらありゃしないぜ。僕は年賀状を書くよ。と、今さらながら年賀状を書き始めている。 それでも僕的には大きな進歩で、独身の頃は年賀状なんて書いたことがなかった。だいたいメールの返信すら面倒臭いと思う人間が年賀状など書くわけがない。でも面倒臭い面倒くさい言ってたら結婚生活は成り立たない。好きだの愛だの永遠だの、そんな言葉だけで成立できたらそれは恋愛と一緒だ。結婚は好きや愛や永遠の他に、必要な要素がいっぱいある。それが責任だったり人付き合いだったり年賀状だったりするのである。 というわけで、妹に電話して親戚の住所を教えてもらい、友人達に「今から年賀状書きますので、日にちだって押してますので、早急に住所教えて下さい」と、自分都合のメールを一斉送信し、年賀状にはもちろん御ハナの写真。 だいたいこの年賀状に我が子の写真というありがちなパターン。こんな写真を載せて喜んでいるのは当の親御さん達だけで、送られた人たちは別にそんなに嬉しくはない。でも御ハナの写真年賀状は違う。みんな喜ぶ。だって御ハナは脳が溶けてしまうくらい可愛いのだから。と、やはり他の親御さん達が思っているようなことを考えながら年賀状を5枚書き上げたところではーくたびれた。 だいたい「鹿児島」って字が面倒臭い。「鹿児島県鹿児島市」なんてのは面倒臭いの骨頂で、「鹿児島県鹿児島市鹿児島町」だったらもうそんな町なんてない。はーくたびれた。休憩休憩。正月に届かなくたってこういうものは送ろうという気持ちが大切なんだ。しかも女友達に送ろうとして住所聞いても、たしか結婚してたなぁ。結婚してたら苗字変わってんだよなぁ。あー、苗字聞くの忘れた。と、電話して「ねぇ苗字なんつーの?」と、学習能力がないものだから、くだらない電話を何人もの女友達に掛けることに成り本当にごめんなさい。よいお年を。 |
2006年12月26日(火) リサイクルには心が宿って。 |
自転車がパンクして自転車屋に行き、ただのパンク修理で済むと思いきや、ホイール自体が曲がっているので取り替えなければいけない。取り替えには7000円くらいかかると言われて、7000円かかるんだったら新しい自転車買います。で、7000円の自転車ありますかと問うと、そんな安いものは置いてないと言われてまぁ当然か。ちょっと妻に相談しようと、パンクしたままの自転車を押して自宅へ。 修理で7000円かかるみたいだから新しい自転車が欲しいのですけどね、僕はほら、小遣い制ですから自転車を買うお金は持っていないのですよ。でね、新しい自転車を買いたいのですけど、安いのでいいんです。自転車に贅沢しようとは思っていませんから。どうせ通勤にしか使わないし、今の職場だって来年の春には辞めるつもりだし、安いのでいいんですよ安いので。で、なんとか工面できませんかねぇ。 と、自転車欲しいから買ってくれと言えば済む話なのに、要点をぼかして回りくどい言い方をするものだから、妻は僕の会話の途中から「また始まったよ」という顔を浮かべている。僕はこういう話し方しかできない人間なんだなぁ。 「ちょうど区でリサイクル自転車の販売やるみたいだから申し込んでみれば」と、妻と結婚してよかったと思うのは、僕の知らない情報をいっぱい持っているということで、区でリサイクル自転車の販売やってるなんて知らんかった。リサイクル自転車というのは、駅前にいつまでも放置してある自転車を撤去して、シルバー人材センターの人が手入れをして安価で売るという、だいたい放置自転車というものは、あからさまに壊れた自転車ではなく、これまだ乗れそうなのになんで放置してるんだろという自転車が多く、それをリサイクルして小遣い制で日々を生きている亭主に売るということはとてもいいことだ。行ってみよう。 というわけで、往復はがきで申し込んで整理番号のようなものが届いて、それ持って販売所へ。販売所は街外れの荒地にプレハブが1つ建っていて、整然とした放置自転車と、キラキラ輝くリサイクル自転車が並んであった。そのリサイクル自転車それぞれに、シルバー人材センターのお爺さん達が自転車を整備したり、布巾で磨いたりしていた。整理券を渡し、5000円払うと、「好きな自転車を選んでください」と言われ、数十台の自転車から試乗して1つ選ぶと、「これはいい。これはいい自転車だ。とてもいい自転車です。大切に使って下さい」と、整備していた油で汚れたお爺さんに言われた。 普通の自転車屋で買う自転車よりも、大切に使おうと思った。 |
2006年12月25日(月) はじめてのクリスマス(後編)。 |
「はいプレゼント。いつもありがとう」と、プレゼントを渡された妻が驚いているのは、プレゼントを買う金をどっから工面したのか。まぁ貯金でもしたのでしょう。それにしてもお小遣いから貯金するお金なんてあったのかしら。でも2・3日前から「俺は金がねぇからプレゼントは渡せんよ」と、何かとうじうじと連呼するからプレゼントなんて期待してなかったわ。ありがとう。大好き。 と、妻が思ったかどうかは知らんがとても喜んでおった。中身は包丁である。ドイツのメーカーのステンレス包丁。欲しいプレステのソフトが新品で買える値段くらいの。今まで使ってた100円ショップで購入した穴あき包丁は切れ味が落ちてもう駄目になっていたので、これからも美味しい料理を作って下さいという意味を込めて。 って待てよ。これは結局僕が美味しい料理を食べたいがためにプレゼントしたってことで、プレゼントであってプレゼントじゃないよなぁ。いい包丁買ったからこれで美味い料理を作りなさいと、ちょっと強要してるっていうか依頼してるっていうか委任してるっていうか懇請してるっていうか。 この包丁には僕のエゴが加わっている。よって気持ちを伝える純粋なプレゼントじゃない。というわけでこれ、はい。と、妻に渡したのはアロマテラピーサロンの会員証と90分のチケット。会員証はこの前の休日に、1人で作りに行った。妻名義で会員証を作るのはちょっと抵抗があったけど、これも愛のため。 1日中、御ハナにつきっきりの妻に、少しでもいいから1人の時間と休息を与えたい。与えたいけれど、コースによって料金が異なり、自分のへそくりが多ければ多いほど、妻の休息も多くなるということになる。うーんもう少し節制すればよかったなぁ。と、アロマリフレクソロジーとゲルマニウム温浴と岩盤浴がセットになった90分のコースに決定。それにしてもアロマリフレクソロジーとは何だろうなぁ。全く想像がつかないなぁ。まぁ金払ってするものだから気持ち悪いものではないだろう。はい、これで短い時間だけどゆっくり休んでらっしゃい。 と、妻に渡し、僕の財布の中身とへそくり総動員で迎えた今年のクリスマス。僕には妻がいて御ハナがいるから、もう今年は何にもいらない。来年はニンテンドーDSが欲しいです。 |
2006年12月24日(日) はじめてのクリスマス(前編)。 |
クリスマスイブ! 結婚して初めてのクリスマスイブ! 同時に妻と初めて過ごすクリスマスイブだったりするのです。去年の今頃はまだ結婚はおろか手すら繋いでいなかったっつーか前の彼女がおりました。 というわけで二人きりのクリスマスイブは過ごしたことがなく、御ハナがいるので初めてなのに3人のクリスマスイブ。ピザを注文して、ケーキ買ってシャンパン買って。そしてプレゼントってなるんだけど従来ならば。 だがしかし悲しいかな僕は小遣い制。しかも月始めに数万円まとめてもらうという形ではなく、必要な時に、って最近気付いたんだけど、金が必要なことなんて大してなくて、週に3千円もらえば煙草買ってコーヒー買って余るくらい。そんな小遣い制の元で生きていても日頃不便は感じないが、こういう時に困る。こういう時というのは、妻にプレゼントを贈る時に困る。 でも全然問題ない。ノープロブレムプレゼント。世の中には「へそくり」という概念があり、週単位でもらう数千円というお金も節制をすればそれなりに貯まっていく。へへ煙草が切れちまった。昨日買ったばっかりなのによう。どうにか工面してくれんかね。と、妻に金をせびり、二千円もらって千円貯める、時には二千円まるごと貯めるという具合にへそくりを重ねていく。 メリークリスマース! と、乾杯をして、ピザを頬張りながらピザなど食ったことがない御ハナに美味いねー美味いねーと言いながら暴飲暴食。腹が満たされてきたところで、「はいプレゼント」と妻。「御ハナと一生懸命選んだんだからー」と、これが妻からもらう初めてのクリスマスプレゼント。封を開けると帽子とマフラー。ありがとー! とキスをして今度は僕の番。 |
2006年12月23日(土) 川の字になって。 |
最初の頃は、シングルサイズのベッドで僕と妻が寝て、御ハナはベビー布団に寝るようにしていたが、御ハナはベビー布団の上では全く眠らずただ泣き叫ぶだけ。妻が添い寝しながらオッパイあげるとそのまま眠りに就く。ベビー布団で添い寝するわけにはいかないので、ベッドの上で添い寝することに。 じゃあ俺はどこで寝るんだということになり、隣の部屋のソファーベッドで寝ること早2ヶ月。御ハナの夜泣きも徐々に収まって参りましたし、そろそろ一緒に寝ましょう。でも御ハナはまだ添い寝しなくちゃならないから、布団で寝ることにしましょう。ということで、セミダブルサイズの布団を買って、畳の部屋で川の字になって寝るようになってとても幸せ。 僕は寝相がものすごく悪いので、御ハナを真ん中に寝かせるわけにはいかず、僕、妻、御ハナという順序。横になりながら妻を通り越して、「御ハナ~。御ハナ~」と、御ハナのほっぺをペタペタしてると、「ちょっと起きるからやめて」と妻に叱られる。仕方ないので、暗闇の中で妻のほっぺをペタペタ触っていると、妻も僕のほっぺをペタペタしながら「家族って感じねー」としみじみ言う。 そしていつの間にか3人眠りに就いて、寝相の悪い僕は夜中起きると毛布を全てはぎとり衣類は乱れ腹をあらわにし極寒。うおーちょー寒いぜー。寝てる時の俺は何をやってんだ全く。と、衣類の正し、毛布を直しながらふと横を見ると、同じ寝顔で寝ている妻と御ハナ。この二人はなんて寝相がいいんだ。俺はどうして寝てる間にこんな活発に動いているんだとブツブツ言いながら1時間後、やはり毛布をはぎとり極寒の中目覚める。助けてママ。 |
2006年12月22日(金) ビオレパパ。 |
今日は御ハナのお風呂デビューでした。じゃあ今まで風呂に入れてなかったのかというと勿論そんなことはなく、シンクにすっぽり収まるベビーバスを使って台所で風呂に入れていたのだ。しかし御ハナの成長とともに体重が増え、中腰で洗っていては腰に負担がかかる。看護師でオムツ交換など腰を酷使する業務を生業としてる以上、慢性的に腰を痛めており、家でも腰を痛めるとなると、いつになるかわからないが、二人目の子供を作る時に支障が生じるもんね。と、妻に言うと「あら」と言って顔を赤らめておった。 というわけで今日から御ハナは僕と一緒にお風呂に入ることになりました。僕が先にお風呂入って髪洗って体洗って風呂に浸かって「いいですよー」と声を掛ける。 「はーい」と、リビングから妻の声。顔半分まで湯に浸り、ちょードキドキ。なんていうのかなぁ。この気持ち。彼女と初めて一緒にお風呂に入る時に先に湯船で待っているような。あのドキドキを上回るドキドキ感。我が子と一緒に風呂に入る。この緊張と興奮を伝えきれないのがもどかしい。 「お待たせしましたー」と、妻が裸の御ハナを僕に渡す。御ハナぁぁ! お風呂だよお風呂ー! と、突然裸にされて訳のわからない所に連れてこられて困惑と緊張感いっぱいの表情を浮かべ、小さな手は強く握り締めている御ハナを受け取り、ゆっくりと湯船に浸らせる。お湯の心地よさと共に御ハナの緊張感も徐々に解き放たれていき、肩まで浸った御ハナに「気持ちいいでしょー」と言うと、「えへぇ」と笑った。あまりの可愛さに体全体の力が抜けて溶けてお湯と一体化しそうになった。 「ねーカメラ持ってきてー!」と妻を呼び、風呂中にこだます突然の僕の大声に御ハナが泣き出すハプニングに見舞われたが、御ハナのお風呂デビューをパチリ。お風呂に浸かった後は、ビオレデビューも果たしたよ。 今日から毎日一緒にお風呂に入る。5年後も10年後も20年後も! |
2006年12月21日(木) 実家に帰ります。 |
御ハナが寝静まった夜、二人でテレビを見ていたら、「……鹿児島、帰りたかったら帰っていいよ」と、妻が呟いてビックリした。 田舎に帰りたい。この言葉、ずっと言いたくて言い出せなかった言葉なのだ。実際問題、この先鹿児島に住むことはないだろうし、僕自身、今すぐにでも田舎に帰りたいとは思ってはいない。ただ今後、可能性として鹿児島に帰る選択肢が出てくることがあるかもしれないということだ。 例えば育児に関しても、僕はそんな私立の小学校とか中学校とか躍起になって進ませようなどとは思ってはいない。世の中で知識が必要なのは多分半分程度で、あとの半分は、要領と忍耐力と優しさなのだ。損得勘定を考慮せずに行動して時に損をしても、結果的に誰かが助かれば、それが人間というものだ。 利己的に行動するのは誰だってできる。でも優しさを持って生きるということは昨日今日でできるようなことではない。御ハナは、そんな優しさを持った人間になってもらいたい。だから、もし教育で、環境で、僕が住む田舎が好ましいと思ったら、僕達は鹿児島に帰るかもしれない。山があって海があって、鳥が飛び牛が鳴き、穏やかな人たちがいる場所に。 妻も同じことを考えていたのだろうか。鹿児島に帰っていい、妻にとって全く知らない場所に住んでいいという妻の決意に僕は心を打たれた。いつも物静かにあらゆる物事を真剣に考えている。妻はそういう人なのだ。 鹿児島に帰らないけど、いつでも帰れる。そんな選択肢が増えただけで、随分気持ちが軽くなったような気がした。 |
2006年12月20日(水) 物書き悪癖。 |
御ハナぐっすり午前0時。妻とソファーに座ってテレビを見ていると、妻がモジモジしはじめて一体どうしたのか問うと「お風呂に入らなきゃ」と言う。そっか体が痒くてモジモジしていたのかと言うと、「そんなんじゃないわよ。面倒臭くて迷ってるのよ」と言う。迷ってるも何も風呂は入らなきゃしょうがないだろうと言うと、「そんなことわかってるわよ」と口を尖らせる。 「そういえば昨日僕もどうしてこんなに風呂に入るということは面倒臭いことなんだろうって考えてたんだよ。例えばね、服を脱いでスッポンポンになるでしょ。でもいくら風呂が面倒臭くても脱いだ服を再び着てまで入りたくないとは思わない。ということは服を脱いだら風呂に入ったも同然ということなんだよ。ということはだよ。ということはだよ。スムーズに風呂に入るには、どうしたら服を脱ごうと思うか考えればいいんだよ。でね、脱衣所の扉を閉めたら、もう服脱いじゃえって思うでしょ。ということは脱衣所の扉を閉めさえすれば風呂に入るということなんだ。ということはだよ。ということはだよ。脱衣所の扉を閉めるにはどうすればいいんだって考えればいいんだ。でね、扉を閉めるには利き腕を使うでしょ、その腕をね」 「入ってくる」 と、すくっと妻はソファーを立ち、入浴の準備を始める。なんだ急に。僕が昨日ひらめいた入浴意志に関する考察に共鳴したのか。へへ。結婚してよかったでしょ。旦那ちょー役に立ってる。だから洋服を脱ぐという行為から逆に逆に辿っていけば、最初の最初の何を思う、または行動することによってあとは自動的に入浴できるっていう算法だよ。でね、さっきの続きだけど、扉を閉める利き腕をね、 「ああもう話がくどーーーーい。くどいっ! そんな話聞いてるくらいだったらまだお風呂入ったほうがましよ」 と、着替えやらタオルやら準備している。くはぁ。くどいと言われた。わかりやすいように説明しただけなんだけどね。だいたい物書きってのはこのくらいくどくないといけないんだよ。何でもない一場面をね、ダラダラとグダグダと説明することによって臨場感が表わせるし行数だってかせげる。話が長いと言われたらそれまでだけど、ユニークを交えることによって飽きることなく最後まで聞けるもしくは読めるというものなんだけど、まぁ今回の入浴意志に関する考察の件に関してはあまりにも熱くなりすぎちゃってその大切なユニークを忘れちゃったのかもしれないね。反省反省。テヘッ。でも日頃からこんなことばっかり考えてるってことは意外と楽しいものだよ。茶碗一つ見ただけで原稿用紙一枚分書けちゃうんだから。で、脱衣所の扉を利き腕で閉めるってことは、 と、とっくの昔に妻はお風呂に入っていて、小さなシャワーの音を聞きながらいつまでも独り言。 |
2006年12月19日(火) 将来僕は。 |
マクセルのビデオカメラだかDVDのCMで小学生くらいの子供が、「私は漫画家になっていますか」「僕は消防士になってますか」と、将来の自分に向かってメッセージを送るというCMがあるが、現在のたいていの大人達が子供の頃、このCMのようなメッセージを残していて今現在の境遇を比較すると落胆するに違いないと思った。 というのも、先日役所に行ったのだが、せわしなく動く無表情の公務員達を見て、この人達が子供の頃、「僕は戸籍課で住民票を発行してますか」なんて将来の自分にメッセージを送ったとは思えない。そもそもどうしてこの人達は公務員になろうと思ったのだろうと、僕は公務員に対して全く憧れを抱いたことがないのでよくわからんが、安定とか保障という言葉で現在の境遇を肯定しているのであれば、それはそれで結構なことかもしれない。でも「夢」という、今聞くとジャニーズが歌うラップを聞いた時と似たようなくすぐったさを感じる言葉を持ちだすと、それは叶ったのであろうか。叶っていなかったのならどこで捨てたのだろうか。 僕が小学校の頃の夢は、看護師でも物書きでもない。先日、アルバムの整理をしていたら小学校の頃の文集が出てきた。自己紹介のページに将来の夢という欄があって、「将来、県知事になって税金を」と書いてあった。この頃から受け狙いで書いていたのであろう。どうしようもない救いようがない残念でしょうがない。しかも「税金をいっぱいもらってお金持ちになりたい」みたいなことを書こうとしておそらく担任に止められたのだろう。「税金を」という部分で記述が止まっている。僕は小さい頃から頑固な面があるので、きっと書き直さずにそのまま残して自分のプライドを突き通したのだろう。 そんな煮ても焼いても食えないプライドだけ大人になっても残っている。 |
2006年12月18日(月) 健全な生活。 |
職場では今秋より全館禁煙、昼休みに外に一時間だけ設置される灰皿で一服して、家に帰ると妻と御ハナがいるので煙草はベランダ。季節は師走で寒いったらしょうがないので、寒さと喫煙要求を天秤にかけて喫煙要求が勝ったときだけベランダに行って震えながら一服するとなると、その天秤で喫煙要求が重くなることは意外と少なくて、独身時代一日十数本吸っていた煙草が今や三本、多くて五本というところで実に健康的な生活を送るようになった。 実に健康的なのだが喫煙しなくなって困ることは、僕は煙草を吸いながらではないと、どうも文章がはかどらないのである。まぁこの日記などは、別に書いてお金もらってるわけじゃないので別段構成なども考えず思いついたことをダダダーと書いていて喫煙する暇などないのであるが、「月刊男心」などは、単行本の売上げにも影響するのでクオリティを保たなければいけない。クオリティを保つということは一行一行、一句一句大切にしなければいかんので、以前は一行書いて「うーん……」と、別の表現を練ったり、その後の構成を考えながら一服していたのであるが、今は部屋で喫煙できないので、一行書いて「うーん……」と頭を捻らせた後でんぐり返しをしたり、御ハナにキスの嵐を見舞わしたり、「今夜も納豆ユズコショー」なんて頭に思いついたことをラップで表現したりしてるうちに、あ、洗濯物たたまなきゃと思い出して、洗濯物をたたみ終えてそろそろ風呂に入ろっかなーなんて考えて、風呂に入ってプハーッとビールを飲みながら何気なくパソコンに座ると、書きかけの月刊男心のポエムを発見して、あぁ、そういえばこれ書いてたんだったなぁ。と、いつまで経っても作品ができあがらないのは喫煙できないためであって、喫煙できないがために洗濯物をたたんで風呂に入るという、結果的に健全な生活を送るようになったのである。 でも将来一戸建てかマンション買ったら狭くたっていいから喫煙可能な書斎が欲しいなァ。と、今夜もベランダで星空見上げて震えながら。 |
2006年12月17日(日) 仕事納め。 |
ライターとしての今年最後の仕事になるであろう仕事、看護関係の実用書の仕事が無事に終了し、やっぱりこういう類のライターの仕事はしんどいなぁ。コラムとかエッセイなんて仕事はいくらでも嘘ハッタリが書けるけど、実用書の仕事は明確なデータに裏付けされた真実しか書けんもんなぁ。書くのもしんどいが情報集めるのがもっとしんどい。でも久々勉強したって感じ。ものすごい充実感。この勢いで思い切って救急病院に転職しようかしらー。うおー。ユズコショーウメーーー! と、妻の愛と御ハナの笑顔とユズコショーパワーで最後であり最大の局面であった「気管挿管の手順と介助のポイント」というパートを終え、「最終原稿です。ご確認お願いします」と、編集者さんにメールして1時間後に「ありがとうございます。でもファイルが添付されていませんでした」とメールが届いて、僕は本当にファイル添付を忘れてメールするということが多い。これはきっと気が急っているからだ。 この仕事で最大の気持ち良さを感じるところは、このあがった原稿をメールで送信する瞬間。送信ボタンを押すその瞬間に、ラフ原稿、文字数、行数、ページ数、徹夜、〆切という、数日から数十日僕にのしかかってた重圧から全て開放されるのだ。 そのボタンを押した瞬間、あーもう関係ない。あー後のことはもう知らん。ちゃんと書いたちゃんと書いた。頑張った頑張った。あースッキリした。あー軽くなった。と、背伸びをしながらパソコンから離れ、終わったよぉーと、妻と御ハナに報告しに行くのである。で、1時間後、何気なくパソコンに戻ると編集者さんからメールが届いていて、わ、わ、わ、何か抜けてたかな。しくじったかなとドキドキしながらメールを開くと、原稿ファイルが添付されてないから送ってくれと書いてあってほんとすみません。あのなんともいえぬ快感を一刻も早く感じたくて焦ってしまいました。ゴム未装着で性交に及ぶようなあんな感じになってました。ごめんなさい。 と、慎重にファイル添付して送信。再び背伸びをしながらパソコンを離れ、終わったよぉーと、妻と御ハナに報告しに行くと、妻は「今度は何が終わったんだろう。でもよかった」とでも思っているような笑顔を浮かべて両手を広げている。今年のライターとしての仕事納めはこんな感じで終わりました。 |
2006年12月16日(土) 柚子胡椒。 |
結婚して日常的な外食やコンビニ弁当とおさらばしてから、自分で料理を作ったり妻の料理を食べるうちに実に様々な調味料と接するようになった。ほんと僕は料理はまるで駄目な人間だったので、数々の調味料は未知との遭遇のようなものであり、時に大きな感動をもたらしてくれるのである。 柚子こしょう。よく料理を教えてくれる職場のヘルパーさんからユズコショーが美味いから使ってみるとよいと前々から言われていてユズコショーって何だ。柚子とこしょう。変な組み合わせ。まぁ乾燥させた柚子とこしょうが混ざったものを何らかの料理に振りかけて使うんだろうな。柚子こしょう。変な名前。ねぇ、柚子こしょうっていいらしいよ。今度使ってみてよ。 と、妻が専業主婦になってから僕は再び料理をしなくなったので妻に依頼。妻は柚子こしょうの存在を知っていたらしいが、柚子が嫌いらしいので「うーん、まぁ今度買ってみる」と、言葉を濁していたが、愛する夫のために「これでしょ」と、翌日柚子こしょうを買ってきてこれじゃないと思った。 イメージしてたものと違う。なんか乾燥した柚子とこしょうが混ざったものじゃない。わさびとかからしが入っているようなチューブに入っていて、濃い緑色のペースト状の物体が出てくる。気色悪い。全く食欲をそそらない。こんなものが美味いものか。と、ブツブツ言っていると、妻が冷奴に柚子こしょうを乗せて持ってきた。いやぁしかし妙な色をしているなァ。芋虫の糞のような色をしているなァ。見たことないけど。相変わらず食欲はそそらんがまぁ食ってみよう。 と、その後はいつものパターンと同じで、ウメーーーー! と、驚愕することになる。いやほんとマジ美味い。なんか和風スパイシー。冷奴だけでごはん1杯いけちゃう。ビバユズコショー 。世の中にはまだこんな美味いものがあるのか。チョウザメの乱獲でキャビアが滅法高いらしいが、そんなもんなくたって困りやしねえ。しかし柚子こしょうがこの世からなくなるとなっちゃあいよいよ大問題だ。美味ぇなぁ。こりゃあきっと納豆に混ぜても美味いですぜ旦那。じゃねぇや女房。2杯目は一丁納豆に混ぜて食ってみましょーや。へへ。辛ぇなぁ。美味ぇなぁ。と、テーブルを箸でチンチン鳴らしながら2杯目を待って納豆に混ぜて食ったらやはり美味くて、柚子こしょうがあったらもう何もいらない。高価な墓石を立てるより安くても生きてるほうが素晴らしい。うはー辛ぇ。あー明日も明後日も来月も来年も毎日ユズコショーだー! って興奮しても1ヶ月くらいで飽きるんだろうけどね。 |
2006年12月15日(金) 気付きのセンス。 |
御ハナはいっぱいおっぱい飲んですくすくと成長して腕も足もムチムチになった。同様、首の部分もムチムチ。しかもまだ首が座ってないので、首の肉と肉の間は垢や石鹸が溜まりやすいからよく洗わないといかん。はいはいよしよーし。今日もお風呂ではおりこうさんだねー。いいこいいこー。と、いつものように御ハナのお風呂を済ませ、バスタオルの上に乗せて拭いていると何やら異臭。 んー? と、御ハナの顔のあたりに顔を寄せてクンクン嗅ぐと、異臭といえば異臭。ミルクの匂いといったらミルクの匂い。んー? 御ハナの口臭かなぁ。ま、いいや。はーいおっぱいの時間ですよー。と、妻に御ハナを渡す。異臭のことは、妻が気を悪くするといけないので言わずに渡す。 翌日、御ハナをあやしているとまたもや異臭。つかこれ異臭かー? と、御ハナの口の辺りをクンクン嗅いで、やっぱ口臭だよなぁ。ミルクの匂いだよなぁ。やっぱ違うよなぁ。歯も生えてないし唾液の分泌もそんな発達してないだろうし口臭ってことはないだろう。ってことは何だ。垢でも溜まってんのかな。と、首のムチムチの部分、肉と肉の間を指で開く。 真っ赤だった。衝撃的だった。肉と肉の間が約5cmにわたり発赤、びらん、浸潤している。異臭はこの部分が化膿した匂いだったのだ。ショックだった。すぐに妻を呼び、御ハナの首を見せると妻もショックを受けて言葉を失っていた。く、薬を塗ろう。と、すぐにかぶれ止めの薬を首に塗る。 「グンッギャァァァァァッ!」 今まで聞いたことのない泣き声だった。空腹の時でも、眠い時でも、構ってほしい時でもない、今までとは種類の異なる泣き声だった。涙が出そうになった。昨日、アレ? と思った時に気付いていれば。といっても異臭を感じた時はすでに化膿していたのだろうが、1分でも1秒でも早く気付いていれば。 だいたい看護師はこの「アレ?」と感じる気付きが何よりも大切なのである。患者さんを見てアレ? と、漠然と変化を感じるセンス。数日に1回しか接しない患者さんならまだしも、仕事以外はほとんど接している、接しているというか密着している我が子の変化も気付かないなんて。看護師以前に父親失格だ。あぁ失格だ失格だ俺はなんて駄目な人間なんだろう。と、看護師の視点から見るとこんなかぶれ、薬を塗ってたら2・3日で治るだろうけど、父親の視点から見ると、とことん思考がネガティブになる。 子供を持つとはこういうことなんだと思った。痛くて大声で泣く我が子を見て、自分の身が引き裂かれそうな思いがする。職場ではどんな状況に遭遇してもたいてい動じないのに、首のかぶれ程度で動揺し、涙が出そうになって、冷静じゃいられなくなる。親になるということはこういうことだ。親になるということはこういうことなんだねぇ。と、妻と話しながら泣き叫ぶ御ハナにゴメンねゴメンねと謝りながら涙をこらえて薬を塗った。 |
2006年12月14日(木) 3分の1萌え。(後編) |
「じゃあ私グー出しまーす!」と、メイドが事前に宣言して、まぁ店の雰囲気、客層、メイドの気質から鑑みて、いきなり嘘は吐かんだろうと、僕は素直にパーを出して勝利。負けもしくはあいこだった半分の客が座る。えー。グー出すって言ったじゃーん。と、残ったことにちょっと恥ずかしい気持ちを抱きながら第2戦。 「じゃあ今度はチョキ出しまーす」と、もう一人のメイドがまたもや事前に宣言。まぁ冒頭に登場した「おてんば担当」のメイドだったら嘘をつくかもしらんが、このメイドはメガネかけてるし「真面目担当」か何かなんだろう。次も嘘は吐かんな。と、僕はグーを出すとまた勝利。残った客が5分の1程になる。やばい。なに真剣になってんだ俺。 「今度は2人一緒に出しまーす!」と、ステージの2人のメイドが鼻にかかる声で言って背を向けてコソコソ話し合いを始める。2人一緒ってことはあれだ。可愛さ倍増ってことだ。ということは、なんらかの萌え的なポーズを取ってジャンケンを出すことが予想される。チョキ? うーんイマイチ。グー? ってことはないだろう。ということは、左右対象にちょっと腰を引いて尻を突きだしてパーを出す。これだ。次はパーだ。というわけでチョキー! 勝ったー! ってやべー勝ってしまったー! 残りは……2人!? 勝ってしまった。ステージに呼び出されてしまった。ステージに呼び出されたってことはあの今思いだしても顔から火が出てしまいそうな振り付けを客の前で披露しなくてはならないということだ。どうせすぐ負けると思ってたからあんま真剣に聞いてなかったんだよなぁ。ここで振り付けが愚かだと逆に恥ずかしいよなぁ。まぁどっちにしたって恥ずかしい。テーブルに座った彼女は終始ニヤニヤ笑っている。ガンバレーガンバレーとエールも送っている。 「最後はご主人様同士でジャンケンしてもらいまーす!」 メイドが一緒に振り付けしてたから救われてたというものの、男同士で振り付け付きのジャンケンをするとは。しかもステージ上で。妻一人子一人。一体俺は何をしてるんだ。しかしここは勝たなくては。ステージにまで上がって負けるというパターンが一番恥ずかしい。勝つぞー勝つぞー。と、勝利への執念を燃やしはじめた途端、あっさり負ける。ちょー恥ずかしい。ステージで負けた。優勝者は何が貰えたかわからんが、僕は「この中から1枚選んでくださーい!」と、メイドのプロマイドを1枚もらった。 プロマイドのメイドはメイド服じゃなくサンタクロースの衣装を着ていて、メイドのプロマイドではなく、ただの見ず知らずの女性がサンタの衣装を着たプロマイドであった。妻に見せたらキャバクラにでも行ったのではないかと疑われかねないので、メイド喫茶の記念にと、一緒に来た彼女にあげた。 |
2006年12月13日(水) 3分の1萌え。(中編) |
しかしまぁこのメイド喫茶は社員教育が行き届いているというか、皆完全にメイドに徹している。しかも個々人のカラーというものがあるらしく、「おてんば担当」というメイドは、まぁ店内をドタバタ走るは、暇そうなメイドに抱きつくわ、転びそうになるわもう不謹慎を通り越して楽しそう! 周りの客も溶けそうな顔してその顛末を優しく見守っている。僕の横で転びそうになっても、すぐに体勢を立て直して恥ずかしそうに「なんもないもん!」と、独り言、と言っても確実に僕達に聞こえるような独り言を言って、あぁ、かわゆいのぉ。なんともいえんのぉ。このなんともいえん感覚は何というのだろうなぁ。と、考えるまでもなくこれが「萌え」の本質である。 「萌え萌えジャンケン始めまーす!」 と、突然店内のステージにメイドが2人立って、かけあい漫才のような会話をした後に「萌え萌えジャンケン」なるものを始めるという。「皆さん全員立ってくださーい」と、ゆっくり茶を飲んでるのに、どうして客の俺等が立たなくてはいかんのだ。と、立腹するものは一人もおらず、はぁ~いと素直に全員起立。 萌え萌えジャンケンとは、結局はジャンケンするだけなんだけど、このジャンケンに至るまでの経緯がやたら長い。というのも、いくつかの振り付けを経なければならず、その振り付けというものが、帰宅後に妻がちょっとやってみてと言われても恥ずかしくて再現できないほど恥ずかしい振り付けなのである。 まずその振り付けのレクチャーから始まる。もうこんな下らないものはさっさと負けて傍観に徹するぜ俺は。と、思いながらも皆真剣なものだから、僕もそれなりに振り付けを覚えて、さぁさっさと負けて茶を飲むぞと、萌え萌えジャンケン開始。ステージのメイドとジャンケンをして負けたら座っていくというルール。さぁ頑張って負けるもーん。 |
2006年12月12日(火) 3分の1萌え。(前編) |
鹿児島から懐かしい女友達が東京に遊びに来たというので、まぁちょっとお茶でもしましょうということで渋谷。彼女は、僕がモノ書きを始めたあたりによく飲んでいた友人で、このたび本を出版したということにとても喜んでいた。とても喜んでいたので「月刊男心」をプレゼントした。 どっかオススメスポットある? と言われて、東京に住んで数年経つけど、僕はたいてい部屋の中で文学しているので東京のオススメスポットなんて言われてもよくわからない。うんと、どこ行きたい? と言うと、カメラ買いたいと言うので、じゃあアキバ行こう。と、うら若き女性をアキバに連れて行きました。 カメラも買って、さぁお茶でもしようかということになり、アキバでお茶といったらメイド喫茶。アキバで1・2を争う人気店へ。 「おかえりなさいませご主人様~」と、満員の店内を妻の10分の1可愛いメイドさんに案内されて、私オムライス、じゃあ僕はケーキセット。と注文を済ませ、周りの客を見るととても幸せそうだ。 「夜のお店に来る男の人達と表情が全然違うわね。みんな幸せそうに緩みきってる」 水商売の経験がある彼女は呆然と周囲を眺めてそう言った。夜のお店に来る男は、もうちょっとキリッとした顔をしているらしい。なるほどね。そうかもしれん。と、窓に映った僕の顔も緩みきっている。さぁケーキとオムライスきた。いただきまーす。 「ダメですっ! そのイチゴさん、冷凍だから割れないのですっ!」 ちょーーービックリした。ケーキの上に乗ってるイチゴをフォークで突ついていたら突然メイドさんに怒られた。な、なんなんだビックリした。冷凍だから割れないってまぁ意味がわからなくもないけど、別にそんなこと言われなくたってこっちでどうにか対処しますよ。と、思ったけれど、ここはそういう世界なんです。 とにかくすごい世界。隣の客の注文したコーラにメイドが両手をかざして、「ムシバになぁれぇ~、ムシバになぁれぇ~」と言っていたり、500円の別料金を支払ってメイドと二人でUNOを興じたりしている。店内にはステージが設置されてあって、やっぱり500円の別料金を支払った客が、メイドと一緒に写真を撮ったりしている。 すごい世界だ。これはすごい世界だ。遠い鹿児島からこんな世界に連れてきてしまった。彼女と一緒に店内をキョロキョロしながらアンダーグラウンドな世界に沈んでいくのであった。 |
2006年12月11日(月) オッコーン! |
御ハナの喃語(なんご)が活発になって参りました! 喃語とは生後2ヶ月頃から始まる乳児が言語を獲得する以前に発する意味のない言葉のことで、我が御ハナは「アー」「ウー」などの単音や、「アーアー」「ウーウー」などの反復単音、「アーウー」「アーオー」などの母体を主体とした複数音節などを笑顔を交え活発に話し始めるようになった。可愛くてしょうがない。脳が溶けてしまいそうだ。 しかもちょー機嫌がいいときは、「オッコーン」など、母体と子音を組み合せた音節という上級技を披露したりして、そういう時はもう1回言わせてみようと、「オッコーン、オッコーン、オッコンコーン、マァマブゥー、ブリブリブリー、ベロベロベロー」と、決まって父親が馬鹿になる。しかしこうやって例え意味がなくとも一緒に会話することが、心と心の通じ合いに繋がるんだブー。 喃語は、言語習得の前兆といわれていて、繰り返すことによって徐々に意味のある言葉を話していく。すげぇぜ赤子。君は奇跡の塊だ。なんでそんなにうまい具合にできてんのかー。ウマウマウマー、オッコーン、ブファァ。と、僕の馬鹿の完治は見込めないが、御ハナの成長は無限大。どうしよう。ほんと可愛い。目がちょっと僕に似てて、寝起きは僕と一緒で思いっきりまぶたが腫れてる。その辺に関してはごめんなさい。でも大好き。 |
2006年12月10日(日) わがままストマック。 |
よその家庭ではおかわり問題にどう対処しているのだろう? と、冒頭からわけのわからぬ問題提起をしてしまったのは、我が家のおかわり問題が、特に妻にとって深刻な問題となっており、可及的な解決策を見出さなければ、まぁどうってことないんだけど、他の家庭の状況も聞けたらナーと思って今日はおかわり問題について書きます。 おかわり問題というのは、妻が夕食の準備のために米を炊く。今日はおかわりするかしら。するわよね。仕事で疲れてるだろうし。するんだったら2合半炊かなくちゃ。と、僕の空腹具合を想定して米を炊く。俺帰宅して飯を食う。「おかわりは?」「んー、今日はいいや」妻口尖らせる。「どうしたの?」「なんでもない」6畳1間に邪険な空気漂う。空気の変化に敏感な御ハナ泣き始める。 かといって休みで1日ゴロゴロしていて今日はあんまり食べないだろうと想定した夕食に限って「おかわりないの?」と、素頓狂な顔して言ったりする馬鹿な亭主に疲れ果てた妻は、毎晩レトルトの「佐藤のごはん」を用意するようになったという事態にもなりかねず、これは由々しき事態である。僕は日頃から「由々しき事態だなぁ」と実際に言ったりするので、最近妻が真剣な顔して「これは由々しき事態ね」なんて言ってたりすると嬉しくなる。 まぁ嬉しくなるのは僕だけで、おかわり問題の打開策が見出せない妻は毎日苦悩している。毎晩おかわりするか、毎晩1杯で済ませるか。答えはこの2通りなんだけど、僕は牛じゃなくて人間なので、いろいろ考えることがいっぱいあって、胃腸の具合の他に精神的な影響も考えねばならぬ。妻は最近「このわがままストマック!」と、センスいい言葉で僕を罵倒するけれど、別にわがままストマックなのは僕だけじゃないと思うけどなァ。他の家庭じゃどうなってんだろうなァ。 |
2006年12月09日(土) ハナに願いを。 |
以前、赤子が泣き止むCDの驚くべき効果の程を書いたが、毎日同じクラシック音楽ばかり聞いていると、御ハナはどうか知らんが親はちょっぴり飽きてくる。というわけでこのCD、動揺やポップスなど何十種類も売ってるそうなので新しいやつ買ってみようと、赤子が泣き止むCDディズニー版というものを購入した。 御ハナがまだお腹の中にいた頃、僕はよく妻の腹越しに「星に願いを」を英語で歌っていた。「ウェンユーディッシュアー ポーナースター」と、知ってる部分は英語で歌って、知らない部分は鼻唄で歌っていた。毎晩のように歌っていた。よって御ハナにとっても馴染みのある曲に違いない。このCDの1曲目に入っているそうだが、これは今まで以上に良く寝る子になるぞ。早速、泣いている御ハナへ音楽スタート。 ……。泣き止まないなァ。オムツ濡れてんのかな? と、確認したけど濡れてない。おっかしいなァ。おっぱいは? さっきあげた? だったらおっぱいでもないなァ。ということはいつものように眠たいけれどなかなか眠れずに愚図ってるってことだよなァ。まぁ今日は何らかの他の要因で眠れないってことで、また明日試してみよう。と、翌日同じCDをかけても泣き続ける御ハナ。翌々日も泣き続ける。 何らかの他の要因なんてあるわけじゃなくてこのCDが気に入らないのだ。「星に願いを」が気に入らないのかもしれん。だけど妻と話し合って購入した手前、早々と効果がないなんて烙印を押せるわけがなく、双方、物事の核心には触れずに、おっかしーなー、今日の御ハナおっかしーなーなんて首を捻り続けていたのである。そして今日、 「このディズニーのCD……全然泣き止まないよね」 と、小さな声で遠慮しながら妻に言うと、妻はとうとう言ってしまったという顔をして、「私も買った日からそう思ってた……」と、お互い心を開く。そんなわけでこのCD、心を開いた直後にお蔵入り。御ハナルールがなかなか掴めずに育児は毎日試行錯誤。 |
2006年12月08日(金) 歯科核実験。 |
1日3回ちゃんと磨いて、寝る前なんてリステリンでヒーヒー言いながらうがいまでしてるってのに、どうして1年に1回は歯医者に通わなきゃいけないんだ。ムカつく。ほんとムカつく。というふうに思っています。と、歯科衛生士さんに言うと、「それはきっと磨き方が悪いからでしょう」と一蹴。 左下の奥歯が欠けて、しかも鋭利に欠けて舌にぐさぐさ突き刺さってちょー痛い。食っても話しても笑っても突き刺さる。んで舌に突き刺さった部分が炎症起こしたあと口内炎になってダブル疼痛。こうやって何をするにも舌に激痛が走ると、徐々に気分が荒んできて盗んだバイクで走り出したくなってくる。 しかもそういう時に限って忘年会。しかも今日は各病棟の婦長さんとか主任さんとか、ちょっとお偉いさん達が集まる忘年会なので、フランス料理のフルコース。でも僕は口内炎。口内炎主任。ボーナスだって現状維持。やってられんよなァ。と、溜息吐き吐き診察台。ちょっと麻酔打ちますからねー。と言われて激痛。うんぐっっううっっ!! と、男のくせに。でも激痛。痛みの神経が直接脳の深い部分に届いて大爆発した感じ。なんつうの? 歯科核実験みたいな? 肩を落として家路に着く。「どうだった? どんなんだった? 何したの? ねぇ、ねぇってば」と、綺麗な歯を持つ数十年歯医者とは無縁な妻に質問攻め。こちとら痛くてしょうがないのに、まず麻酔されてー、んで歯ぁ削ってー、神経がなんたらっつってグリグリされてー、最後に白いやつ詰めておしまい。もういい? ちょっと横にさせて。と、畳に横になりあまりの痛みにのたうちまわる。 あの歯科医、何しやがったんだ。と、数十分のたうちまわる。痛みが全然ひかない。鎮痛剤2錠服用。この痛みと陣痛、どっちが痛いのかな。なんてこと考えながら気絶したように就寝。目が覚めると夕食。柔らかいものばかり調理してくれた妻のこういう気配り、ほんと大好き。 |
2006年12月07日(木) 今日からSサイズ。 |
今までオムツは新生児サイズを使用していたのだが、現在の在庫が切れ次第、Sサイズに変更することにした。という何でもないようなことが幸せだったと思う。と、幸せだったと過去形で表現してしまったが、現在進行形で幸せです。ハッピーハッパーハッピングです。 なんというか赤ん坊はいつまでも赤ん坊のままだと思いがちだが、赤ん坊は赤ん坊なりに日々成長している。たった2ヶ月前の写真と比較しても、顔つきも体つきもやっぱり変わっている。こんな毎日接しているのにいつの間にか変わっている。ほっぺたが膨らんできて、手も足もムッチムチ。ムッチムチになったから新生児サイズのオムツのゴム跡が太股につくようになった。 そういえば洋服だって先月まではぶかぶかだったのに、いつの間にかしっくりきてる。時々、手の平だって繰り返しグーパーグーパーするようになった。でもまだ拳を握っていることが多い。拳を握っていることが多いので手の中に手垢のようなゴミが付着していることがある。なんとか手を開いて付着したゴミを取ると、御ハナは大声で泣き始める。 「御ハナさんの宝物を取っちゃったからよ」 妻は静かにそう言った。宝物! 握りしめている拳の中に隠していたのは宝物! 大人にとってはゴミ以外なんでもないのに、この子にとっては宝物だったのだ。まだ体を自由に動かすことができずに、どこにも隠すことができないから手の平を強く強く握りしめて一生懸命隠していたのだ! と、そんなはずはないけれど、妻の宝物説を聞いて、またまたたまらなく愛しくいじらしくなって涙が出そう。そんなわけで御ハナの手の中のゴミを取るときはいつも謝りながら取っている。そんな御ハナは今日からSサイズ。 |
2006年12月06日(水) ラジオ出演と朗読。 |
先日ラジオに出演しました。電話収録だけど。J-Waveという東京のFM曲のMusic plusという番組。ブログの「月刊男心」を紹介したいので、作者の声も聞きたいのですが。と、依頼があったのが2週間くらい前。いいですよと返事してその後音沙汰がなかったので、僕自身もラジオのことをすっかり忘れてた3日前、電話収録させて下さいと突然電話が入り、いいですよと返事してそのまま収録。いつもいいですよいいですよと大して考えもせずに言ってしまうので、いざ収録となったら何を言っていいのかわからない。よって何を言ったのかわからないまま約30分の電話収録は終了してしまった。 放送当日、放送10分前に窓際にラジカセをセッティングして、ラジカセの前で正座して放送を待つ妻と僕。御ハナは妻の腕の中で睡眠中。午前11時45分。窓際から差し込む暖かい冬の光が僕たち家族を包んでいた。 Music plusの「Blog On」という旬のブログを紹介するというコーナーで「月刊男心」が紹介されるらしい。へへ。旬なブログだってさ。クリスマスも近いしね。本も紹介されてさ、クリスマスプレゼントに月刊男心をプレゼントする粋な奴が出てくるかもしれんね。でも妻は「月刊男心」より、以前ケータイ書籍で一緒に作品を出した春乃れぃさんの単行本「モテれ。」の方が面白いと言っている。確かにあの本は本当に面白い。でも亭主を立ててほしいという気持ちもある。あ、あ、もうすぐ始まるよ。と、僕のテンションは急上昇フルテンだ。 ラジオから聞こえる僕の声は、ラジカセにダビングしたテープから聞こえる僕の声と一緒であった。まるで他人のような。で、実際収録で何を喋ったか覚えていないので、声も言ってることも他人のようであった。 と、まぁ収録では30分くらい話したのだが、実際は1分くらいに編集されていて僕の声はすぐ終わってしまったのだが、DJの人と女性のDJだか声優さんがいくつかの作品を朗読してくれた。自分の作品をプロの人が朗読している。これにはちょっと感動。男と女の台詞を分けている作品もちゃんと男女分けて呼んでくれて臨場感たっぷり。新しい月刊男心の世界を堪能できました。 楽しんでいただけましたでしょうか。というわけでクリスマスプレゼントに「月刊男心」はなかなか粋なプレゼントになると思いますよ。クリスマスに詩集、しかも「月刊男心」だなんてエロカッコいいじゃないですか。是非本屋で。本屋に売ってなかったらネットショップで買ってみて下さい。恋人の喜ぶ顔が目に浮かぶようです。と、ラジオのDJが言ってなかったので僕が言います。 |
2006年12月05日(火) めまぐるしく華々しく。 |
本日で御ハナ2ヶ月になりました。この世に生を授かって2ヶ月。2ヶ月! チミはまだ2ヶ月なのかー。職場だったらまだ本採用にもなっとらんよー。有給すらもらえないじゃないかー。2ヶ月。2776グラムの子がもう5キロになった。風呂の時とかちょー重い。太股がムチムチになった。首の部分もムチムチで風呂の時よく洗わないと首の肉と肉の間に垢が溜まるから気を付けんといかん。2ヶ月おめでとー。 と、買い物帰りに寿司を買って妻と食す。寿司を食ってお祝いムード一色なのは僕と妻だけで、御ハナは3食同じ乳を吸っている。最近はだいぶ乳の吸い方も上手くなったと妻は言う。 御ハナが妻の乳を吸っている時、「ちょ、何飲んでんの? それどんな味すんの? ちょ、ちょっと変わって。1回吸わせて。どんな味? ちょっとだけ。1分。やっぱ3分」と、御ハナに顔を近付けて授乳の阻害をたびたびするのだが、以前は煙たそうに横目で睨むだけだったが最近は手で払いのけるようになり、ちょー最近では手で払いのけたあと、ふんふんと怒ったような声を出して乳を飲み続けるようになった。 ちょー成長してるぜ。しかもちょー嫌われてるぜ。でも構いたくてしょうがないのだ。しかしこの構いたくてしょうがない衝動をどうにか解決しなければ御ハナの思春期に本格的に嫌われてしまう結果になりかねない。お乳を横取りする真似だけは自粛しなければ。と、思うことは思うのだが、授乳中はもちろん妻は乳をやって御ハナは乳を飲んでいるのでどうしても僕は一人ぼっちになる。で、寂しいから気が付けば御ハナに顔を近付けて「僕にも乳飲ませろー」とふんふん言っている。そんな2ヶ月。御ハナはめまぐるしく成長して、僕は華々しく退化する。 |
2006年12月04日(月) 概念ブラボー。 |
お歳暮とは、お世話になった人々に年末に贈る贈り物のことで、初夏に贈る物をお中元という。ほんとこういう風習って結婚してからちゃんと考えるようになった。お歳暮は夏の贈り物なのか冬の贈り物なのかすら知らなかったのだ。 まぁしかし読んでなるほど字の如く。お歳暮の「歳」は「年」のことで、「歳」の「暮れ」に「お」をつけて「お歳暮」となったのだよハッハ! と、まるで虎の威を借る狐のよう、ってこういう時に使うんじゃないよな。えっと、鬼の首を取ったように! 自慢してしまったが、そんなこと真っ当な社会人は皆知ってる。 じゃあなぜ初夏のお中元と暮れのお歳暮なのか。それは昔の商人が盆と暮れに決済していた名残だそうで、いくら真っ当でもそこまで知ってる社会人はいないであろう。たまにはこういう豆知識も書かなくちゃね。 さて、そんなこんなでお歳暮。高校時代の友人が突然「住所教えろ」というたった5文字の脅迫まがいのメールを送ってきたので、まぁ鹿児島から遊びにでも来んのかなと素直に住所を教えた3日後、「お歳暮」が届いた。 お歳暮! なんか大人の仲間入り! 人生初歳暮! おい! お歳暮届いたぞ! 開けてみろ! と、興奮して妻に言ったら自分で開けなさいよと冷静に言われたので自分で開けたら、黒豚のソーセージやハムの詰め合わせであった。これでちょっと調理してくれませんかと、今度は弱々しく妻に懇願したら快く了承してくれて、んまぁ美味いこと美味いこと。もう味付けなんていらない。素材だけでご飯3杯食えるぜ。ごちそうさま。と、元来少食な僕は今夜もご飯1杯で済ませて御ハナを抱えて美味かったねー美味かったねーとすごく幸せな気持ち。 人をこんな幸せな気持ちにさせる「お歳暮」という概念ブラボー。そして高校時代の友人グッジョブ。よーし今度はオレが貴様を幸せにする番だー! と、カタログマニアの妻の本棚からお歳暮のカタログを引っ張り出して読む毎日。大人の世界ってちょー楽しい。 |
2006年12月03日(日) 妻を呼んで法外な値段で売買されているという事実を。 |
この日記を長く読んでいる人はわかるだろうけど、僕はどうも物欲に対して引っ込み思案というか粘着的というか、どうもさっぱりしてなくて、欲しい物は手に入れないと済まないというわけでもないけれど、潔く諦めるということもしない。欲しいなァ。欲しいことは欲しいんだけどなァ。無くても別に困らないしなァ。でもあったら楽しいなァ。欲しいなァ。あんまり欲しくないなァ。でもあったっていいよなァ。 と、いつまでもうじうじと考えていて今回のニンテンドーDSの件。在庫が切れて手に入らないとなると俄然欲しくなる。これまでも何度か家電量販店などでニンテンドーDSを目にしたことがあったんだけど、別に今買わなくてもDSは逃げるわけじゃないしと思ってて今回逃げた。もう手に入らない。本当にむかいきごる。むかいきごるというのは、むかつくという感情の最上級に位置する言葉で、僕はよくこうやって頭の中で造語を作って楽しんでいて人の大切な話をほとんど聞いていない。 でもむかいきごってばかりもいられないので、今日は別のゲームショップに赴いてDS探したらありました。メーカー希望小売価格16800円のところなんと22000円。高くなってんじゃん。バカジャネーノ。と、むかいきごりごり家に帰って再びネットで検索すると、中古とかオークションだったら買うことができる。メーカー希望小売価格16800円のところなんと25800円。 ちょっと何これ。なんでメーカー希望小売価格より高くなってんだよっつってんだよ! と、パソコンに向かって吠えていたら隣の部屋からどうしたのって妻が顔を出した。綺麗な顔してんなァ。と、ほれぼれしててもDSの値段が下がるわけでもなし、僕は妻を呼んでDSが法外な値段で売買されている事実を報告したら興味のない妻はバイバイと隣の部屋に戻っていった。 畜生。いつだって消費者は弱者だ。知らんけど。しかしいくら売れるからって定価より高くうっていいっていうルール、前からあったっけ? 例えば何? 昔、ファミコンがすげぇブームだったとき抱き合わせ商法つってファミコン本体と面白くないソフトをセットにして売ってたけど、それとも違うんだよなぁ。別に抱き合わせしてないし。本体自体が高くなってる。 だいたいね、定価より高くても買う客がいるからいけないんだ。悪しき前例は悪しき風習を産む。うまい棒ブームが到来し1本100円になったらあなた買いますか。まぁブームだったら買うかもしれんね。ううむ。欲しいなァ。定価以上でも欲しいもんは欲しいなァ。やっぱりあんまり欲しくないよなァ。でもあったら楽しいだろうなァ。いらんなァ。欲しいなァ。 |
2006年12月02日(土) やむなく撤退。 |
冬のボーナスでニンテンドーDS Liteを買います。買いますよ僕は。と、CMを見るたびに何度も妻に宣言していい加減ウザがられているため、最近は胸の中でオレはDSを買うぜ。冬のボーナスでゲットするぜ。Wiiは現在の住宅事情を鑑みて、どう考えても都市向きではないよね。コントローラー、振りまわせないもの。 だいたい僕は妻と子が寝静まった真夜中過ぎにひっそりとゲームを始めるというライフスタイルのなかで、寝静まった真夜中過ぎにコントローラー振り回してたら寝る子は起きるし美しき妻は怒る。どう考えても妻帯者向けじゃないよ。だから真夜中過ぎにベッドの中でこっそり楽しめるDSが欲しいのだよ。 で、いくつかのネットショップで検索したわけ。したら、したらってのはそしたらっていう言葉の口語体なんだけど、したらどこも在庫ゼロ。キャー。ネットでは何でも買えるって思ってたんだけどね。クリスマス前だからかしら。ちょっと近所のゲームショップに行ってみよ。 と、妻がスーパーで夕飯の買い物をする間、御ハナを抱えてゲームショップ。御ハナさん、どれが欲しいのー? と、僕がゲームをしたいのではなくて、このコがゲームが欲しいと言っているから仕方なくゲームショップに来ているのです。という雰囲気を発散させられるわけがない。まだこのコ、首もすわってないんだし。コントローラーはおろか、ガラガラだって握ったことないし、おしゃぶりやってもすぐにウエ゛ーッって顔して吐き出してしまうからね。でも最近ニコニコ笑うようになった。可愛くてしょうがないぜ。育児なんてゲームの100倍楽しいぜ。でも育児の100分の1しか面白くないDSも置いてあるんだったら買ってあげてもいいけどね。で、置いてんの? 「只今在庫切らしております」ってやっぱりね。どこも売ってねぇんだったらCMすんなっての。しかしこのままでは脳年齢が衰えたまんま。どうしようどうしよう。欲しいったら欲しいのー。と、レジの前で子供のように駄々をこねていたら熟睡していた御ハナがぐずりだしたのでやむなく撤退。 |
2006年12月01日(金) ベビカで電車デヴュ。 |
ベビーカーでのお散歩が成功してからめちゃくちゃ行動範囲が広がったような気がする。さすがに池袋とか新宿は無理だけど、電車に乗ることは可能じゃね? よし、電車乗ってどっか行こう。と、電車に乗って、2・3ヶ所駅を通過して、御ハナがグズグズしだしたので、や、やっぱ長距離は無理じゃね? と、次の駅で降りて、降りた駅の近くにたまたま大きな公園があったので、ベビーカーを押して散歩。 公園は予想以上に大きくて、売店にはカップヌードルが売られていて、売店横に設置されたテーブルで老若男女カップヌードルをすすっておった。異様な光景だが腹が減った。時計を見ると午後3時。今食べると夕食があんまり入らないかもしれん。あんまり入らないと「あのときカップヌードル食べるからよ」と、妻に小言を言われるかもしれん。麺は食いたし小言は怖し。それにしてもイチョウ並木が綺麗だなァ。と、散歩に集中することにして、ベビーカーでスヤスヤ眠る御ハナに、公園に来たんだからたまには目を覚ましなさーいと、話し掛けながら仕事のことはさっぱり忘れ、妻と御ハナとカップヌードルのことばかり考えていた。 |
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