浪漫のカケラもありゃしねえっ!
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2002年10月16日(水) いつもながら奇天烈な夢

いつもへんな夢ばっかり見るんですが、鈴鹿直後の興奮の余韻か、その晩にも奇天烈な夢見ましたよ。ミハエルまでご登場ですがな。(^^;)
目覚めたときは、夢の場面がどんな順序だか混乱。えらく印象的で忘れたくないような場面もあるもんで 記憶をたよりに再構成。

夢の舞台は、19世紀末か20世紀初頭の雰囲気。薄暗い街灯の下を歩く人々は上品な紳士淑女といういでたちだが、人混みの雑踏の中で戦前風なラヂオ放送の音(目覚めてから、2.26事件の時のラヂオ放送を連想。『兵ニ告グ、勅令ガ発セラレタノデアル。.....スミヤカニ原隊ニ復帰セヨ』ってアレだ)とか街頭演説、人々も騒然としている。
袴姿の壮士風の演説者の声は、聴衆の怒号にさえぎられてよく聴こえない。どうやらある小説の描写に対する無理解/迫害/検閲に反論してるようだ。人波の隙間に見える演説者の姿は、筒井康隆氏に似ている。
まわりにいる者達の呟きが聴こえる。「あんな話になんの価値が」「実在の人々を当てこすって」「彼らが知ったら」「我が国としても、これは」「あの叫び声のような下品な響き(人々が口にしていたそれは、濁音が入って日本語的な響きではなかった。『虚構船団』のクォールにも似ていた語感だったが)の呼び名で」「怪物」「まるで荒唐無稽な」....。その呟きに触発され、その物語の映像が街と重なる。瀟洒な建物の上に重なった崖から人が追い落とされる。熱帯の部族風の人々が、戦争をして殺しあっている姿だ。
夢の中で、虚構が現実を浸食しだす。昔の列強植民地風の軍服を着た治安官(憲兵?)が、不道徳な行為をしたと、その部族の老人を演説が行われていた広場に逮捕連行してくる。周囲は熱い地方の植民地にありそうな建物で、灯明かりが揺れながら彼の顔をヌラヌラと光らせている。よく見れば、その顔は人類ではない。体毛がなく緑色がかった皮膚。目は2つだが、その位置がゆっくりと顔の中で移動していく。
「私は絶望しかけているのだ。人々に理解してもらえないのでわないかと」低くしわがれているがよく通る声で、老人はこちらを見つめて?話す。私は彼が、優れた演技者であり『物語』『虚構』への理解について語っているのだと感じる。やはりこれも筒井さんかと思う。
「さあ、行きなさい。可愛い娘もいる。快楽を得られるか、食べられてしまうか、どちらになるかはわからないが」老人が手をあげて示した先は、『虚構』の物語世界なのだと感じる。
そちらには、顔の部分だけが裂けてアギトを開いた怪物/娼婦がいる。いくつもに別れて開いたそれの顔は、大きな花のよう。目の前で、人の頭に食らいつく。それの向こうに、そこだけは昼の光に照らされた都会のスラム(ギャング映画にでてくる昔のアメリカ風)が、白いトンネルのごとく見えている。
手を縛られた老人は、治安官に連行されて退場する。怪物の目の前を通って、スラムに向かう。怪物がこちらを傷つけないことを、私は知っている。
スラムに入ると、そこは寒い季節の街。建物の間で、帽子とマフラーをした子供達が集まっている。工場がつぶれて生活が窮乏しているうえに、トラブルが起こっているという。
ひとりの子供の後ろに、なにかがとり憑いてる。怒りの形相で太い眉にギラギラと見開いた目。戯画化された絵のようだ。古事記の世界の神々の姿でミズラを結った子供。まっすぐ見つめると、それは視野のすみに姿を移動する。目を合わせないように、カラダを斜に構えて話しかける。
「あなたがそれをさせているのか?」そう問うと、かすかにうなづく少年神。
子供の受けたトラウマを治療しなくてわ。専門書が必要だ。そう思った瞬間、大きな図書館/書店に移動している。ここでは、アッという間になんでも揃うのだ。
係員に聞くと、すぐそれらの本を置いた棚を用意するという。それを置くのに予定された場所には、天井まで米袋がいっぱい積まれた棚がある。係員はそれを本の棚にかえ、米のかわりに大量の本を持ってきて、折り畳み式のテーブルの上に広げる。ほとんどがガン・パロの同人誌だ。B6やA6サイズ、表紙は最も安い紙のタイプ、32ページくらいの薄さか。おきまりのポーズをしてるおかげで、かろうじてアムロやフラウ・ボウとわかるような絵が多い。中にはゆうきまさみ風な絵やたがみよしひさ風の超個性派もあるが、装丁が安っぽく、あまり魅力がわかない。売れ残りの在庫一掃処分という感じだ。まわりにいた小さい子が、これはただでくれるんでしょ?と係員にねだっている。
「こんなの売れませんよねえ?」うんざり気味に軽蔑を感じさせる係員の声。多少弁護したくなり、「いや、こんなんでも行くところにいけば」「まかり間違って誰か買うかも」などと口走ってしまう。表は道路の高架沿いの道で、空気が濁ってけぶった天気。遠くを走る自動車の騒音らしき物が聴こえる。
一方、つぶれたという工場から、なにかの部品を加工して持っていく人物がいる。
「これで借りは返した」と、それを渡して言うのはハインツ。受け取ったのはミハエルだ。(唐突なご登場だ!(笑)『借り』という言葉から、あのスラムの子供達は彼らかと連想)
ミハエルが赤いレーシングスーツ姿というのはわかるが、ハインツは黄色いジョーダン時代の姿。同じ部屋に同席しているラルフ(もちろん兄にもれなくついてくる(笑))は、最初こそBMWウィリアムズの白いレーシングスーツ姿だったものの、ウィンフィールドウィリアムズの赤、ジョーダンの黄色と、見るたびに姿がかわって幼くなるかのようだ。(^^;)
さて、部品を受け取ったミハエルは、ハインツやラルフとともに暗い戸外へと出ていく。部品は発信器で、それを作動させて脱出の目印とするらしい。なんだかスパイかパルチザンのよう。身を低くし、ときおり匍匐前進までして分け入っていく木立の周囲には、他にも行動をともにする人々が大勢いる気配。みな、いつのまにか肩からライフルを下げている。
木立の影ではなく少し開けた場所にうずくまっているミハエル達。かすかにヘリコプターのローター音がする。音の遠さ。ヘリはまだ雲の中のようだ。暗視装置を使っているのか、明かりは見えない。
「危ない!」「撃たれるぞ!」と制止する声を無視して、ミハエルは身を起こし、立ち上がって空を睨む。強い風が吹いている。風に巻き上げられたホコリでもあたったか、はじかれたように顔を背ける。かたく閉じられた左目。少し痛みにゆがんだ顔。
背後の木立をめぐるあちこちにうずくまり息をころしている人々の姿。毛布かぶったショートヘアの人影を見て、羅さんがあそこにいる(会ったことないんだけど(^^;))、ここは鈴鹿のそばやろか?と思う。
だんだん大きくなるヘリの音。彼らを迎える脱出用のヘリか、それとも敵なのか。かすかに砲弾の音も聴こえている。
やがて目を開き、また空を見上げるミハエル。左目からひとすじ涙が流れ落ちる。吹きつける風。
ミハエルの真剣に見つめるまなざし。かすかな光の中に見える、片方だけ涙で濡れたまつげと頬。大きな瞳のクローズアップ。
【完】

彼の目から涙があふれた場面は、衝撃的だった。彼は銃を持ちたくないんだ、と思った。私も持たせたくない、と思った。たぶん、このショックで目が覚めた。(^^;)
ミリタリー物やスパイ物は好きやし、ドライバー達で遊んじゃうのも好きやけど、両方ミックスされた夢ははじめて。可愛いお人に泣かれちゃあ、こっちもたじろぎますわい。
しかし、ここしばらく読んだものとか、み〜んなゴッタ煮になってるな。筒井康隆氏のエッセイやら、ティモシー・ザーンの超戦士コブラシリーズやら、2.26事件の本やら。むう、米(食費?)と同人誌とっかえるってか〜....。コミケ行ってた頃、思い出したりして。(^^;)
あ、そーだ。『ガンダム者 〜ガンダムを作った男達〜』ってのを見かけたんで、羅さんや土方さんやりぶらさん達、ガンダム好きな人達に言っとこうと思ってたの忘れてたんだ。きっと気になってたんだな。それにしても、羅さん、毛布だけでは凍るよ。来年は気をつけてね〜!

夢は、目覚めているときに吸収し日々の生活のうちに忘れてしまう記憶をつづり合わせて、奇妙な世界を織りなしていく。脳は、五感から入った大量のデータを一時記憶で保存し、睡眠中にそれを整理して長期保存する記憶にしていくという。容量の限られた脳内にデータを効率的に保存し活用するために、パターン分類で認識させたりキーワードで連鎖的にデータを呼び起こしたりもするようだ。睡眠中の脳は、記憶を整理分類する課程で関連データを呼び起こすのだろうか。日中のストレスをなだめ、潜在意識の中からメッセージを送っているんだろうか。


2002年10月14日(月) 架空OP習作/ひとりごと更新/鈴鹿

『Suzuka』

東の果ての国、はるかなスズカへ。
最後のテストを終え、最後のチェックをすませ。
作り上げた宝を、空港に運ぶ。
遠い旅に荷造りをするクルー達。
その腕には、傷が残っている。
限られた時間に、乗せかえなければならないエンジン。
冷めるのを待っていられず、熱い部品に焼かれた痕が残っている。
2週間ごとの厳しいロードが、もうじき終わる。
家族へのささやかな土産を、このシーズンの喜びとともに持ち帰れることを願う。

これがほんとうに最後となるのだろうか。
まだ決まらぬ未来に、ドライバーの心は波立つ。
思い出の中に混じる苦さは、後悔か。まだ燃え続ける野心なのか。
取り戻せぬ昨日。いまださだかなる明日。
シーズンは、もうじき終わりを告げる。
ライバルに食い下がり、チャンスを手につかむ機会も。

はるかなるスズカ。
夢を見ることをやめず、夢に手を伸ばすことを恐れず。
その夢が流す涙、悔しさに身もだえする痛みにも怖じず。
選ばれた20人、世界の高みに身を置くことを許された若者達が降り立つ。
彼らを支える幾百の腕が、マシンを最高の状態に整える。

東の果ての国、はるかなスズカ。
かつてここに手探りで作り上げたマシンを走らせた者達が見守る。
東洋のかたすみから無謀と言われた挑戦に挑んだ先人達が見守る。
彼らは知っている。
夢は、それを抱く者があきらめたときにのみ、消え去るのだ。

スズカ。
シーズンは、終わりを告げる。
けれど、この地に息づく夢は、終わらない。

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ええと、ひさしぶりに浪漫モードいれてみましたが、もうちょっと手を加えたくて悩んでます。そんなこんなで、書きかけばっかりになってるがな。ええい、ここに習作として書いちゃう。感情が盛り上がると書きたくなるんだけど、なかなか満足できまへんわ。
それから、琢磨君の予選順位やリザルト、過去の日本人ドライバー達と比べてどうかと気になったので、『ひとりごと』に『日本人ドライバーの歩んだ道』を更新。

どっちも、わんわん泣いてこんな写真を見つけて大笑いしながら書いてるんやから、やっぱり私の地はお笑いやろか。→パツキン赤丸で日の丸カラーのジョーダンのクルー。(^^;)

いやー、SuzukaでHONDAでBSで、.....ナショナリズム盛り上がる要素あるから、ファン以外の人もすごい盛り上がったかも。
日本人だからってひいきして応援しない(日本人だから、よけいきつい見方しちゃう)ヒコクミンを自称してる私ですが、昨日はしばらく泣いちゃいましたわ。ずっと彼を応援していた人達、どんなにかこの時を待っていたろうと思いながら。
うーん、それに頭に浮かんだのは、鈴鹿で走ることを目標にしてた知人達のこと。私にとってのSuzukaって、身近な人達がレースをしに行く場所、ショウを見る会場というより体験する場所、という印象があったかも。
ライセンスとってレースがしたいって、片道8時間の道のりを通ってた先輩達。レインタイヤが高くってとぼやいてた、レースで骨折リハビリ中のおニィさん。サーキットに子供の頃から通ってる連中にはかなわない、資金があったら、もっと早くからはじめていたら、サーキットに通う時間がもっとあったら、....そんなセリフをよく聞いた。
憧れてるレーサーの走る場所で、自分も走ることが出来る。こけて痣を作ろうと骨をいっちゃおうと、またバイクに乗りたいと願う。(そいえば、鈴鹿での撮影テクやポイントを話し出して止まらなくなったロック系の友人をふくめて、そんな話をした知人はみんなバイク乗り/複雑骨折経験者だったな。(^^;))
そんな人達がたくさんいるすそ野があって、その頂点が8耐だとかMotoGPという世界につながってる。それがSuzukaという場所にあるんだ。
2輪と4輪という違いはあるけど、琢磨君のように世界に乗り出すのは、知人達の知っているレース仲間であったかもしれないし、彼らの子供達でもありえたかもしれない。そんな風に感じると、涙とまらなくなったんですよ。

マクニッシュにペンスキーからIRLテストのオファー。トヨタつながりでしょうか?
元F1ドライバー達とか、IRLテストを試した人はけっこう多そう。
ジル・ド・フェランは、先週IRLのテストをしたようですね。
CARTの方では、マイアミにリカルド・ゾンタが来てたといいますが。
いったい、来季はどんな顔ぶれになるんでしょうか。


2002年10月13日(日) 日本GP決勝

F1-live.comのネットライブのコメントまで熱かったよ。
今頃鈴鹿にいる人達は、どんな思いを抱いてその姿を見つめていることだろう。
....涙。ただ涙だけがあふれる。
あふれよ、涙。鈴鹿の夕日に、こみ上げる思いたくして。


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