「夕凪」
あの人の声がして振り向いた。熱を持った風が凪いだ。それは多分、あの時あの場所で僕にしか見つけられなかったものだ。それにしたってなんだってこんなにも悲しくなんだってこんなにも強くなんだってこんなにも。