「手招いて」
情熱的な愛があるなら穏やかな愛だってある。心の欲求があれば理性の欲求だってある。どれも切り離せないしいつもごちゃ混ぜになってすっきりと分かり易くはなかなかならない。だからと言ってどっちかだけなんていつか必ず無理が出るから「焦ることはないと思わない?」と、私は君を手招いて頭を撫でた。君は、にゃぁ、と一声鳴いてゴロゴロとノドを鳴らした。そもそも私と君のことだものきっと、どっちだって楽しいに決まっているしね。にゃぁ。