アナウンサー日記
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10代の頃、自分は30才まで生きられない、と真剣に考えていた。
私は小学生の頃から「人は何のために生まれ、何のために死んでいくのか」いつも考えている少し変わった子供で・・・生まれてきたからには、命を燃やし尽くすような人生を生きるのだ、と強く願っていた。きっと自分には、天から授かった使命があるはずで、おそらくそのために無理をして早死にすることになるだろう、と思っていた。私は非常に激しい気性の持ち主でケンカっぱやかったし、思い込んだら絶対に譲らない頑固なところもあった。いかにもトラブルに巻き込まれやすそうな性格だったのだ。実際、私の手相は生命線が極端に短くて、占い師からも短命を指摘されたことがあった。
だが、結局使命は見つからないまま時は過ぎ、大人になって結婚もした。奥さんに「何のために生まれてきたと思う?」と聞くと「楽しく生きるため!」と即答され、ずっこける。「そんなこといくら考えたってどうせ分からないんだし、死んで見なきゃ分からないことかも知れないんだから、とりあえず死ぬまでは楽しく生きないとソン」という説明は至極もっともであった・・・。
やがて年もとったが体重も増え(笑)、もともとヤセ型でこけていた頬は逆にふっくらとしてきた。自分でいうのもなんだが、最近の自分は、少年時代とは打って変わって、話し掛けられやすい柔和な顔になってきたと思う。
ある日、ふと手相を見ると、手のひらの半分までしかなかった生命線が、うっすらと伸び、手首まで続いていることに気づいた。どうやら、運勢が変わったらしい。30才まで生きられないはずだった私の寿命は、劇的に伸びたと思われる。
きょう、おかげさまで33才になった。自分の生まれて来た理由は未だに分からないが、人間を含むあらゆる生命は、生きていくことそのものが目的なのだ、と思っている。今は長生きがしたい。長生きすればするほど、色んなものを見たり、色んなところに行ったり、色んなひとに会えるからだ。
そして、少年時代とは違い、今の自分には守るべき存在もある。
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