目を覚ましたら、おろしたての春物のコートの襟に紅が付いていました。うっすらとだけれど。 春眠暁をおぼえず。電車の中の居眠りには要注意。
というわけで、最近はまた読書のペースが鈍っております。 バックの中の『コーネルの箱(チャールズ・シミック)』を買ったのは、いつだったろうか? そう、精算の段になって、この薄さ、この軽さで2,800円!?と焦ったのは、たぶん、かれこれ、3週間前。 本の価値を体裁で量ろうとしたり、値段の分、ゆっくり大事に読もうなどと本末転倒なことを考えてるから、 結局、なかなか頭に入ってこないのよ。あぁ、私もクサナギさんのように、吸い取り紙のようなココロが欲しい。
つかこうへい氏がクサナギツヨシのことを吸い取り紙のようだと言っていた、と母から聞き、 つかこうへい氏がクサナギツヨシのことを天才だと言っていた、と久しぶりに会った後輩から聞き、 つかこうへい氏がクサナギツヨシのことを腹の中で魔物を飼ってると言っていた、と友人から聞きました。 そして、母は、草なぎくんのすごく落ち着いた話しぶりに感心したと言い、 後輩と友人は、最近ちょっと草なぎくんが気になってきちゃった、と言うのでした。 EZ! TV・草なぎ剛の生きる道。数日遅れで見ました。 いろんな人がクサナギツヨシについて語っていたのに、 周りの人間経由で私の耳に入ってきたのが、全部つかさんの言葉だったのは何故だろう。
たぶん、つかさんの言葉が、彼のパブリックイメージの中に無い表現だったからなんだろうな。 蒲田当時にさんざん聞いて、さんざんオロオロして、さんざん嬉しくて泣いた言葉なのだけれど。
奇しくも、この前の吾郎さんの"好きなタイプ"で思い出した、私がクサナギツヨシに惹かれた理由。 あ、今、気持ちを飲み込んでるのかな、とか、他のメンバーが喋ってるから任せて黙ってようと思ってるな、とか、 そういう顔をする彼が自分と似てるような気がして、とても気になったのが、そもそもの始まりだったのかも。 歯がゆいのと同時に、彼を見ていると、何か、ちょっと安心するような。 でも、彼は韓国に出会って、恨解(ハンプリ)を知って、もうそんな顔をしなくなってしまったわけで、 もちろん、それはとても嬉しいことなのだけれど。とても誇らしいことなのだけれど。
映画を観てから二晩が過ぎ、ゆっくりと少しずつ、ホテルビーナスについて考えています。 目を通していない雑誌や、シナリオや、サントラや、小説には手をつけないままで、ぼんやりと考えています。 たとえば、チョナンの眼はいつも潤んでいるように見えたな、とか。 乾いた視線のようなのに、乾き切れない潤みがチョナンの眼をいつも覆っているように見えたな、と、 そんなことを思い出したりしています。
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