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■ お気楽人間
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■ お気楽人間
何も考えてないお気楽人間、そんなのが本当に居るなんて思っちゃ居無い。
時々「こっち向く度に笑顔作るな!」と周りの人間に叫ぶのは笑顔の奥のものが怖くて仕方無いから。お気楽そうだから何言っても大丈夫だろう、そんな事思って言ったのでは無いが、そういう風にしか思われ無い。
祖母の事・財産の事・叔父の事・後継の事・母様の事、母方の伯母達と話す度に鬱積するものが在る。
毎回、怒鳴って叫んで目の前の老婆達の首を掴んで引き摺り回したくなる衝動を抑え、引き攣った笑顔を無理矢理浮かべて冷静に話そうと心掛けている。叔母達が視界から消える度に僕は苛立ちを抑え切れずに傍に在る物を一つずつ壊してしまう、其等の物に何も非は無いのに。
「自分達が今何を言っているのか、意味を判って言ってますか?」
祖父と薫さんの威光に縋り続ける叔母達には全く言葉が通じ無くて、話せば話す程哀しくなる。頑迷な老女達相手に通じる言葉を話そうと、努力する僕自身を客観的に見る度に虚しくなる。
何かある度に伯母達への溜まりに溜まった思いを母がつらつらと僕に語る。彼女が其れを言えるのは僕しか居無いと判っているから、どれだけ僕の中に黒いものが溜まっていこうとも引き攣った笑顔を顔に貼り付かせた侭黙って聞き続ける。
僕は此の思いを誰にも語れ無いから、此の黒いものはもう他には流れて行か無いんだ。
何も考えてないお気楽人間、そんなのが本当に居たら、其れが僕だったら、僕は引き攣らずに笑える様になるだろうか。
時々「こっち向く度に笑顔作るな!」と周りの人間に叫ぶのは笑顔の奥のものが怖くて仕方無いから。お気楽そうだから何言っても大丈夫だろう、そんな事思って言ったのでは無いが、そういう風にしか思われ無い。
祖母の事・財産の事・叔父の事・後継の事・母様の事、母方の伯母達と話す度に鬱積するものが在る。
毎回、怒鳴って叫んで目の前の老婆達の首を掴んで引き摺り回したくなる衝動を抑え、引き攣った笑顔を無理矢理浮かべて冷静に話そうと心掛けている。叔母達が視界から消える度に僕は苛立ちを抑え切れずに傍に在る物を一つずつ壊してしまう、其等の物に何も非は無いのに。
「自分達が今何を言っているのか、意味を判って言ってますか?」
祖父と薫さんの威光に縋り続ける叔母達には全く言葉が通じ無くて、話せば話す程哀しくなる。頑迷な老女達相手に通じる言葉を話そうと、努力する僕自身を客観的に見る度に虚しくなる。
何かある度に伯母達への溜まりに溜まった思いを母がつらつらと僕に語る。彼女が其れを言えるのは僕しか居無いと判っているから、どれだけ僕の中に黒いものが溜まっていこうとも引き攣った笑顔を顔に貼り付かせた侭黙って聞き続ける。
僕は此の思いを誰にも語れ無いから、此の黒いものはもう他には流れて行か無いんだ。
何も考えてないお気楽人間、そんなのが本当に居たら、其れが僕だったら、僕は引き攣らずに笑える様になるだろうか。
2001年12月19日(水)