貴女が闇だと思っている其の暗い空間の隣りにもっと濃く重い空間が在る事にいつ貴女は気付くのだろう。

 「お前はいつも気楽でいいよな。」
 あのお嬢さんがいつも僕にそう苦笑いして謂う度、僕は作り笑いを浮べ乍「本当に気楽に居られたら良いのに。」と心中で呟いて居ます。
 田舎の旧い家の柵、其れは彼女の家にばかり存在するものでは無いのに。多少質が異なってもほぼ同類の柵が田舎の旧家には夫々在るのに。
 そして彼女が抱える其の柵に他の要素が加わったものを僕も抱えて居るのです。

 「自分だけが苦しんでいると思ってるからあの子が嫌い。」お嬢さんが誰かに放った其の科白、そっくり其の侭お嬢さん自身に返って来ると判っていたのだろうか。
 僕だけが苦しんでいると莫迦げた科白は謂いはしまい。だが、貴女だけが苦しんでいるのでは無いとは謂いましょう。

 貴女の周りの人間達の作り笑いは、其の柵も苦も全て見無い振りでは無く受け入れた上での作り笑いなのだと、貴女はいつ気付いてくれるのでしょうか。
 いつになったら貴女は貴女の持つ闇の隣りにある此の闇に触れるのでしょうか。
2002年01月02日(水)
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