成人式
 振袖の女のこだらけでした。
 振袖着てる人は大体三通り。勘違いした一昔前のコギャル風メイクか、明らかにレンタルの安っぽい振袖と濃過ぎる化粧か、ちと地味だけど品の良い振袖に薄化粧かの三通り。
 振袖集団の中に一人だけポツンとスーツの僕、「如何して着物じゃ無いの?」と次々に訊いてくるお嬢さん達に「面倒だったから。」と本音返答。
 一人だけ厭味な口調で訊いて来た厚化粧のお嬢さんには「振袖みたいな晴れやかな着物って自分は其れが似合うと自信が無いと着れない場合もあるんですよ。」とにこやかに返してみました。どうせ彼女の事だからきっちり僕が口に出さ無かった厭味を読み取ってくれるだろうなと思っていたら、案の定聞いた瞬間に表情歪めて僕の傍から立ち去っていきました。
 「貴女の振袖姿は似合って無いですよ。其の派手派手しい着物が自分に似合うとでも思って着て来たのですか?」此れが裏。目出度い場所で其処迄露骨に謂えませんでした。

 僕が来るから来る気になったのだと親友に謂われ、君が来るから僕は来る気になったのだとつい本音を漏らしてしまった。
 僕と同様に振袖では無くスーツで着た彼女を見て「同類だ!」と嬉しかったのだがよく考えたら彼女は既婚者だからもう振袖は着られ無いのであった。
 振袖以外のものを着て来た女性は全体の5%程であり、其の内未婚者は僕含めて二名だけだという事実に気付いたのは式が終わってから。

 てか、「中学の卒業時のクラス毎の席になっておりますので、自分のクラスの場所に座って下さい。」と式の始まる前に謂われてつい其の場で苦情述べ掛けました。友達に気にするな、と謂われて止めましたけど。
 皆思い思いの席に座っているのに移動させられた、なんてのは如何でも良くて。
 其の会場に着ていた成人の中に地元の中学出身者では無いのが四人だけだからと其の四人を無視するな!と主催者の無配慮に対して僕は怒っていました。
 怒っていたのはあくまで自分の為、僕は四人の中の一人だったから。
2002年01月14日(月)
AddMyEnpitu
Enpitu Union
↓僕はエンピツと此のシステムが好きなので若し僕の日記を気に入って下さったなら無料版の収益UPに御協力下さい↓