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■ 書くということの心地よさ、およびその苦しさに関する事項。
紙とペンが心地よく、その手触りとか感触─ペンが滑っていく─ について、わたしは考察する。
全身で感じるその流れとは、たとえば脳の中から無作為にあふれ出す ことばたちの不確実性だ。 あるいはそれは、意図されたものでなくとも何かをがっちりと捉え、 一文字ずつがおそろしくかっちりはまっていって何らかの生命の 意味を持つ。 そういうことがものを書くということで、そしてそれらの無数の文字が 錯綜する中で、わたしの意識の断片とか、深い泉の底から引き上げられた どうしようもなくうつくしく、異質なかけらが紙の上に踊り、おちていく。
そして、それを意識の中(あるいは潜在的な)から引き出し 書きつけたわたしはその瞬間、すでにそこへは戻ることができないのだ。
旅を熟成させる、とはわたし自身がよく思う概念だが、 そのようなこともまた、文字や断片の力にあやつられているばかりの わたしをいらだたせる。
文字をかきつけ、紙に色がつき、くたびれている。 よれっとしたその感触、何にも代えがたく心地よいものだから、 やっぱりわたしはまた、そういうわたし自身を救うために 書きつけるのである。
それだけのことだ。
2003年04月13日(日)
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