あふりかくじらノート
あふりかくじら



 書くということの心地よさ、およびその苦しさに関する事項。

紙とペンが心地よく、その手触りとか感触─ペンが滑っていく─
について、わたしは考察する。

全身で感じるその流れとは、たとえば脳の中から無作為にあふれ出す
ことばたちの不確実性だ。
あるいはそれは、意図されたものでなくとも何かをがっちりと捉え、
一文字ずつがおそろしくかっちりはまっていって何らかの生命の
意味を持つ。
そういうことがものを書くということで、そしてそれらの無数の文字が
錯綜する中で、わたしの意識の断片とか、深い泉の底から引き上げられた
どうしようもなくうつくしく、異質なかけらが紙の上に踊り、おちていく。

そして、それを意識の中(あるいは潜在的な)から引き出し
書きつけたわたしはその瞬間、すでにそこへは戻ることができないのだ。

旅を熟成させる、とはわたし自身がよく思う概念だが、
そのようなこともまた、文字や断片の力にあやつられているばかりの
わたしをいらだたせる。

文字をかきつけ、紙に色がつき、くたびれている。
よれっとしたその感触、何にも代えがたく心地よいものだから、
やっぱりわたしはまた、そういうわたし自身を救うために
書きつけるのである。

それだけのことだ。

2003年04月13日(日)
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