あふりかくじらノート
あふりかくじら



 クラシック・バレエの麻薬効果。

バレリーナになることを信じていたのは、
そう遠くもない昔のことだ。
バレエを愛した。
いまでも、バレエを愛している。

メールマガジンを読んでくださる方の中で、
ときどき丁寧なメールをしてくださる方がいて、
最近、彼女の書いたエッセイを読んだ。
そこには、わたしが少女時代愛した本を
彼女もたいせつに読んでいたことが書かれていた。
バレリーナ森下洋子の半生記だ。

「レッスンを一日さぼると自分にわかり、二日さぼると
 パートナーと先生にわかり、三日さぼるとお客様にわかる」

クラシック・バレエは、高潔だ。
偏見かもしれないが、ほかのどんな踊りよりも
うつくしく厳しく、高潔であると思う。

5歳のころ、わたしはクラシック・バレエをはじめた。
レッスンは楽しく、バレエはうつくしく、わたしは
どんどんバレエを愛した。
バレエのない人生など、考えられなかった。

操り人形のように一本の糸でつるされて、
芯が通ったようにすうっとまっすぐ踊る。
きれいに伸びる手足、指先の表情。
マイム、と呼ばれる、セリフのかわりに身体で表現する
独特のことばがある。

うつくしいピルエット、フェッテ。
きれいなポーズほど、きつい。

バレエに魅せられているのは、ほかならぬバレリーナである。
あんなにきついのに、やめることができない。

わたしはバレエを愛している。
あの、舞台のうつくしさに凝縮された感情を。

        ★       ★

戦争が終わったから、もう戦争はないのかというと、そうでもない。

2003年04月20日(日)
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