あたしは「女」として生れ落ちて24年たった今も、間違いなく女だ。そして、これからもずっと。だから「男」を愛す。その温もりに溺れたいと思う。あたしはいつそこに在るモノを見なくなり聞かなくなったのだろう。何かが覚醒し、眠り疲れたそれは内側から どんどん と扉を叩く。女は可愛くて健気、そして、少し位強かにまっすぐ歩いてしまえば良いのだ。+ + + + + + + + + + + + + + + + + + +novel 山本文緒「きっと君は泣く」