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声。 - 2002年01月05日(土) 土曜日の出社、今日は私がシフト出社。 実家へ帰るとのことで 朝出社の先輩が定時早々に帰ったら さすが年始で休日出勤する社員は今日は居なくて 広いオフィスに私1人。 もうひとり、準社員さんが居るんだけれど 彼女は基本的に左隣のフロアで センターの実務に忙しい。 19時頃だったろうか。 赤ちゃんの泣く声がした。 ふと手を止めて耳を澄ます。 でも、もう聞こえない。 猫が叫んだ声だったろうか。 そうかな?そうかも。 大体、会社に赤ちゃんは居ない。 また仕事に戻ってカタカタとキーボードを叩いていると 右隣のフロアから、システム部のマネージャーが登場。 この人は、平日は合コン、休日は会社に居て 家族サービスはいつやってるんだ。 「僕、もう帰るけど、 隣の鍵、Hが持ってるから」 Hさんも休日出勤かー。 じゃあ、私が先に帰るなら こっちのフロアは閉めたって声をかけないと。 さて20時を過ぎ、 センターの業務が終わりに近付いて 準社員さんが戻ってきた。 2人ともPCに向かって、ついと沈黙が訪れた時、 「ははははははははっ」 と、右隣の壁のあたりから、男の人の笑い声がした。 ・・・? 耳を澄ます。もう聞こえない。 Hさんだけじゃないのかな、来てるの。 別にその時は気にも留めずにカタカタカタ。 しばらくして準社員さんが席を立ち 私が1人になったとき また、赤ちゃんの泣く声がした。 まもなく準社員さんが戻ってきて、 「ゆきさん、今日、お客さまいらっしゃいました?」 「いえ、どなたも。お休みですし」 「そうですよね・・・」 カタカタカタ。 我慢できなくなったようにまた準社員さんが口を開く。 「さっき、男の人の声、しましたよね?」 「・・・しましたね」 「お隣、どなたかいらっしゃるんですか?」 「Hさんが鍵持ってるって言ってたけど、 ほかにも来てらっしゃるのかもしれませんね」(←Hさんは女性) 「その、パーテーションの向こうに、 どなたかいらっしゃいますかねえ?」 妙にこだわる彼女の言葉に パーテーションの向こうの席を覗きに行くけれど もちろんそこには誰もいない。 システム部はさらにドアの向こう。 「Hさんが、縛られてたり、危ない事になってませんかね」 「だーいじょぶですよー(笑)」 「え、でも、見に行ったほうが良くないですか」 「何て言うんですか、『無事ですかー?』って? 気になるなら行ってらしたらどうです?」 「え、でも、私、システム部行ったことないんですけど…」 なんで、そんなに気にしてはるんやろう? 余りに気になるらしいので 早々に帰り支度をして、 隣に声をかけに行くことに。 準社員さんもついていく、といって、 しかも武器を持って行くといって 事務用の穴あけパンチを手に。 どーしたんですか、なんもないって(笑)。 ドアを開けると、こちらがわの席は電気もついてなくて 一番奥に明かりが点いてるだけ。 声をかけるけど返事がないくらい遠いのだ。 近付いて行くと、かなりの大音量でロックがかかっている。 1人だからってもうー、Hさんたら。 すぐそばまできて声を掛けたら びっくりして笑ってた。 そして、自分たちのフロアへ戻ると、準社員さんが、 「お1人でしたね・・・」 「ね?大丈夫っていったでしょ?」 「じゃあ、さっきの声、誰の声でしょうね」 「・・・」 「だって、あれだけのラジカセの音が全然聞こえないんですよ? さっきの笑い声、めっちゃ馬鹿笑いでもなかったし せいぜいドアのすぐそばで笑った感じでしたよね!? なのに、電気もついてないんですよ? 誰もいなかったじゃないですか」 「・・・帰りましょうか」 鍵を閉めて、駅までの途中。 彼女はものすごいことを言い出した。 「私ね、実はね・・・さっき見たんです」 「何を?」 「廊下からね、パーテーションの向こうの席に 男の人が座ってるのを」 あなた、それ見て戻ってきて 私に見に行かせたわね!!!! もともと4階には「いる」から気をつけろと 6階から異動するしてくるときに 彼女は周りの人から言われたそうだ。 ・・・・うひー。 ...
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