縁側日記  林帯刀





2005年06月24日(金)  蛍。


シナプスと発光ダイオードは似ている。





友人と電話をする。
めずらしく。しかもながく。
(あまり長電話をしない。いつも2、3分。このときは40分)
私は話を切り上げるのが下手なんだけど、
彼女は電話を切るのが苦手らしく、
そんな二人なのでなかなか切れない。
何日かあと、別の友人からも電話。

電話ではいろいろと励まされたりする。
励ましたり元気づけたりするのが
本当に下手になってしまったので、
はがゆい。

遠く(といっても関東)の友人は風邪をひいたらしい。
彼は文章が簡潔すぎるので状況が分からない。
かといってすぐ様子見に行ける距離でもないので、
仕方なくメールを待つことにする。
治っても報告してくるかどうかが問題である。
報告ぐらいしなさい。





それにしても最近友人からの連絡が多い。
なぜだ。
もしかして何かあるのか。
どきどき。





海の底で、
水と砂の間にはさまれてしまった船。
だれかこの重たいものをどけてくれ。





どうも私は場所をにおいと味で覚えているらしい。
発見。
味というか、口。のあたりの感覚。
食べたものの味ではなくて。
一度行ったことがあれば、
「あ、この味(感覚)は知ってる」となるし、
場所を思い浮かべると、
風景と一緒に、なんかもやもやしたものが
口のあたりによみがえる。
自分のことながら、ちょっとおもしろい。

「池袋ウエストゲートパーク」のヒロキみたいだ。
あんなに正確でもないし記憶力もよくないけど。
自分のメアドも間違えてしまったりするけど。
(ハイフンなのかアンダーバーなのか分からなくなる)





一寸先に自由。





「海辺のカフカ」をようやく買って、読む。
こういう話は好きだな。
あの人の後日が気になる。
ナカタさんが好きだ。
職人の手をしてるのもいい。

ものづくりにはそれに適した、必要な手のかたちがあるんだよ、きっと。
スポーツ選手にもあるね。
そういう手を見るとぞくぞくする。
どうしてここにタコがあるのか。
ここの黒ずみは何のせいか。

って、手フェチ。





携帯電話が振動しているのかと思ったら、
ヤマバトだった。
デデッポーポー。
(この「デデ」が聞こえなかったせい)





蛍。
光の奥に流れている血液のようなもの。

いつしか光らなくなる。
死んだ光は暗闇になる。
夜のあいだに溶けてしまう。




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