日々日記
いちらん…ふるい…あたらしい
人里離れた親戚の山に、収穫を終えたイチゴの株や 刈った草などを捨てさせてもらっている。
そこは木曽川で砂取りを行なっている会社のトラックしか通らない場所で、 草を捨てにいっても誰かに会うことなんかこれまで数年間1回もなかった。
ところが、先日捨てに行ったとき 目的の場所についてUターンしようとしていたら、 後方からボルドー色のセダンが走ってきた。
待たせては悪いと思い、ちょっと待ってねのジェスチャーをしたのだが その車のおじさんは、Uターンしているわたしをとても険しい顔で見つめていた。 怒らせてしまったか?と思い、大急ぎで道をあけたのだが、おじさんの車は わたしの車から20mくらい走ってすぐ止まってしまった。
あきらかにわたしのことを気にしている。 ちょっと様子が変だよ。なんだろうね。 そう思ってこちらもしばらく観察していたのだが、 おじさんは車からおりてこなかったので、わたしは荷台の草を下ろしにかかった。
ちょっと捨てたその時、おじさんが車から降りてきた。 手にカメラを持っている。
おお。わかった。わたし不法投棄してると思われてるんだー。
小走りに近寄りながら、おじさんはわたしに言った。 『あんた、ここで何をしてますか?』
わたしは正直に「はぁ、親戚に頼んでここに草を捨てさせてもらっています」 と答えて、すぐはっとした。 (あ。これって不法投棄したり山菜盗んだりするひとの常套句じゃん! こんなんで「ああそうですか」なんてわたしがおじさんだったら絶対言わない〜)
案の定おじさんはきつい口調で『ほぉ、どこの親戚ですか』と聞いてきた。
あははー。完全に疑われてるよー。 親戚の名前が通じなかったらどうしよ…。
でも、親戚の屋号を告げると、おじさんは 『そうかそうか。このへんにわざわざものを捨てに来る奴がおるもんで、 警戒しとるとこよ。そりゃすまなんだ』 と言い、笑って去っていった。
ちょいと心外な出来事だったけど、おじさんの気持ちよくわかる。
昔からもちょくちょくあったけれど、ここ数年とくに不法投棄が増えているから。
それと、ゴミはゴミを呼ぶのだ。 わたしや父がきちんとお願いして捨てた枯草であっても、誰かが見て 「俺もここにゴミ捨てたろ」と思って捨てる、なんてこともありうる。 と思うと、この処分のしかたも再考すべきか…?と考えてしまった。
話しはそれるけど、 いらないもの、不要なものをどう処分するか、 それを観察するとその人がより一層見えてくることがある。
それは意外な一面だったり、その人らしかったり、いろいろ。
ゴミひとつのことだが奥深い。
ここ2〜3年、ゴミに関していろいろ考えているのだけど、 循環型の生活を送っている方々の暮らしにちょっと興味が湧いてきたので 来年、訪れてみる予定でいる。
それにしても、村民が村内で不法投棄してる人と間違われるとは。 ちょっとトホホでした。
inu-chan
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