ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年05月27日(火) 社長、高麗人参はお安くなりません

朝のうちは曇っていたが次第に青空となり気温も高くなる。

夏日の割に暑さを感じず爽やかな風が吹き抜けていた。


毎朝四万十大橋を渡る前に土手の道を通るのだが

茅(チガヤ」の白い穂が寄り添うように風に揺れている。

何と表現すれば良いのだろう「チロチロ」と声が聴こえるようだった。

川面には朝陽が射し始める。まるで絵のような風景である。


子供時代は山間部で育ったが列車が通る山村であった。

線路脇にそれは沢山の茅が群生していた。

私達はそれを「ガム」と呼んでいたのだった。

白い穂を千切り口に含みガムのように噛むのである。

大人たちに咎められたこともなくそれが「遊び」の一環だったのだろう。

どんな味がしたのか憶えてはいないが決して不味いものではなかった。

もちろんお腹を壊すこともなかったので当然初夏の楽しみとなる。

お菓子などまともに食べられなかった時代のことであった。




義父が高知市へ出張し同僚とのらりくらりと仕事をする。

車検の予約が入っていたがいつまで待っても来店がない。

難聴のお客さんなのでショートメールをしてみたが返事もなかった。

思うように行かないもので結局半日を無駄にしてしまう。

お昼休みにやっと来てくれたがメールは見てなかったようだ。

会話は一方的で「急がないから」と言い残し代車に乗って帰って行く。

しかし急がなければならない。以前に代車で自損事故を起こしていた。

義父次第だが明日は完了するだろう。どうか順調にと願うばかりである。


午後は来客も無かったので同僚に留守番を頼み2時半に退社した。

義父の帰りはおそらく夜になるだろう。

長距離運転の疲れが出るだろうと気掛かりでならない。

今朝は出掛けに「高麗人参」を飲んでみたいと云うので早速注文した。

アマゾンの定期購入で一割引きであったがそれでもけっこう高い。

けれども義父がそれで元気になって来れれば安い物である。

アマゾンの便利なのは「お急ぎ便」があることで明日にはもう届くようだ。


4時前に帰宅。相撲ロスの夫の何と憐れなことだろう。

退屈極まりない様子でぼんやりとテレビを見ていた。

4時からは私も一緒に「三匹が斬る」を見る。

坂上忍が出ていてまだ少年のような顔に驚くばかりであった。

みんなみんな年を取るのだなと思う。そればかりはどうしようも出来ない。


私にもやっと仕事のゴールが見え始めて老いの覚悟も整った。

よぼよぼのお婆さんになってもパソコンに向かっていることだろう。

「ある日突然」は決してあってはならないのだと思う。

とことん人生を全うしてからあの世に旅立ちたいものである。


※以下今朝の詩


         直ちゃん


    「あったかパーキング」に駐車して
     杖を付きながら20メートルあるく

     直ちゃんを見つけて手を挙げたが
     私が誰か分からなかったようだ

     10年ぶりの再会であった
     歳月の何と悪戯なことだろう

     直ちゃんは白髪の紳士であったが
     私はさながら老婆のていである

     「よっこらしょ」と椅子に腰掛け
     二人でブラックコーヒを飲んだ

     懐かしい思い出話より近況ばかり
    「俺、癌になっちまってさ」
     直ちゃんの東京言葉は変わらない

     6月になれば手術をするのだそうだ
     深刻になってはいけないと思う
     かと云ってどうして笑い飛ばせようか

     潮騒に満ち溢れた海辺の町であった
     もう少年と少女には戻れないだろう

    「またきっと会おうな」
     直ちゃんの笑顔が切なくてならない

     最後かもしれないと思う
     降り始めた雨はほんの少し暖かい


 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加