晴れたり曇ったり。午後は気温が高くなり蒸し暑さを感じた。
明日は雨らしく夕陽も雲に隠れている。
梅雨入りは6月の初旬とのことまた雨の日が続くことだろう。
山里は見渡す限りの緑であった。植えられた稲はぐんぐん伸びている。
風が吹くと一斉になびくのだがまるで緑の波のようだった。
義父にとっては我が子のようなもので愛しくてならない様子である。
無農薬とは行かず病気から守るために農薬を散布せねばならないが
年々価格が上がっており頭を悩ませている。
政府は消費者のことばかりで生産者に救いの手は届かない。
たとえ赤字であっても米は作らなければならないのだ。
日本中の米農家が生産を止めてしまったら大変なことになるだろう。
少しでも高値で買い取って貰わなければ報われないのだ。

仕事はまずまず順調。昨日の車検整備も朝のうちに仕上がる。
検査を済ませ書類を整えてから義父は農作業に出掛けた。
アマゾンに注文していた高麗人参も届き上機嫌の義父であった。
午後は工場の仕事が途切れ同僚も私も手持ち無沙汰となる。
例の大型車のエンジンが届いたが義父の指示が必要であった。
人間だと心臓移植の大手術である。執刀医無くしてどうして出来よう。
義父の帰りを待っていたが2時になっても帰って来なかった。
私も何だか嫌になってしまい早目に退社する。
同僚も掛かりつけの内科へ薬を貰いに行くことになった。
3時過ぎに義父から電話があり「誰もおらんぞ」と機嫌が悪い。
同僚が病院へ行ったことは話したが大型車の事が気になったのだろう。
先ずはエンジンを脱着しなければならないが全く手を付けていなかった。
「いったい何をしよったがぞ」と同僚を責める口ぶりである。
義父の指示待ちをしていただけに同僚が憐れでならなかった。
また明日が思いやられるが義父次第だと思うことにする。
平穏はそう長くは続かない。谷川沿いを歩いていても直ぐに大きな山がある。
その山を登り切らなければ何も達成出来ないのだった。
皆で力を合わせ励まし合うこともままならず限界は常に身近にある。
かと云って誰一人倒れてはならず過酷な道のりであった。
私は谷川沿いにひっそりと咲く花を見つける。
その場から離れずずっと見ていたいような可憐な花だった。
名も知らぬ花であったが何と優しい姿だったことだろう。
※以下今朝の詩
味
苦労はしたくない けれども 苦労した人ほど味が出る
塩辛いのか苦いのか 酸っぱいのか甘いのか こくがあり美味いのか
私の苦労など些細なこと もしかしたら 苦労とは呼べないかも知れない
深く傷ついた少女の頃 私ほど可哀想な人はいない そう思えば惨めでならなかった
けれども 季節は何事もなかったように 冬の記憶を消し去ろうとする
いったいどんな味なのだろう 千切るのか砕くのか 何の手立ても在りはしないが
私の味はいっそうと濃くなる
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