朝方ざあっとにわか雨が降ったが日中は概ね晴れる。
気温はさほど高くはなかったが何とも蒸し暑い一日だった。
娘の育てているオクラが緑の葉を茂らせぐんぐんと伸びている。
毎日実を付けているがほんの2.3本程で娘は物足らない様子だった。
小さなプランターでのこと。畑ならもっと収穫が出来たことだろう。
それでも娘にとっては初めての経験で楽しくてならないようだ。
川漁師仲間の従兄弟は一昨年からオクラを栽培している。
海苔養殖の収入が途絶え苦肉の策だったようだ。
オクラは雨が降っても毎朝収穫しなければならない。
一日でも置くと大きくなり過ぎて出荷出来ないのだそうだ。
規格内のサイズでしかも真っ直ぐでなくてはならない。
収入を得るためには大変な苦労を強いられていることだろう。
我が家は夫の年金と私のパート収入で何とか生計が成り立っているが
余裕は全くなく家計はいつも火の車である。
それでもたまにはプチ贅沢をする。今日は鰻を食べる日であった。
今年はアマゾンで「訳あり鰻」を見つけ注文してあったが
午後4時を過ぎても届かずすっかり諦めモードになっていた。
「今夜は食べれないのか、晩飯はどうするんだ」と夫の機嫌が悪い。
やまと運輸で荷物の追跡をしたらまだ輸送中になっていた。
配達拠点の営業所は直ぐ近くなので今日中には着くだろうが
5時を過ぎれば夫の晩酌が始まるので何か作らなくてはいけない。
「何とかしろよ」と子供みたいに自棄を云う夫であった。
冷凍庫に豚肉を見つけ大急ぎで生姜焼きを作った。
それでも夫は不服そうで余程鰻が食べたかったのだろう。
晩酌が終り「めし!」と偉そうに云うのでむっとしていたところ
丁度タイミングよくチャイムが鳴り待ちに待った鰻が届く。
訳あり商品だったのであまり期待はしていなかったのだが
箱を開けると大きくて立派な蒲焼が3匹も入っていた。
2匹を娘達に残し1匹を早速解凍する。
ふっくらと柔らかで肉厚の鰻で何と美味しかったことだろう。
大相撲の大の里も勝ち夫はこの上なく上機嫌であった。
「間に合ったのだ」私はそれだけでほっとし嬉しくてならない。
来年からは少し余裕を持って早目に注文した方が良さそうだ。
それにしてもやまと運輸のドライバーさんには頭が下がる。
配達期日を厳守し暑い中を一生懸命に届けてくれるのだ。
鰻騒動が一件落着となりお風呂に入ろうと思ったら
シャワーのみの夫がお湯張を忘れていたようだ。
たまにあることだがいちいち文句は云わない。
私もシャワーで済ませさっぱりと汗を流した。
めいちゃんのダンス教室があり娘達はまだ帰宅していないが
鰻を喜んで食べてくれたらこの上なく嬉しく思う。
幸せは「仕合わせ」である。そんな日々を紡ぎ続けて行かねばならない。
※以下今朝の詩
せんぷうき
もうつかれてしまった そう云いながら彼女は 風を送り続けている
微風ならまだしも 強風となると辛い それは必死になり 休むことも出来ない
そもそもどうして 風なのだろうと 彼女は考えていた
風を作るちからが 自分にあるのなら 空なのかもしれない 鳥なのかもしれない
羽根だってあるのだ けれども空を飛べない それが少し口惜しかった
もうつかれてしまった 誰か私を止めてくれまいか
彼女の声が吹き抜けていく
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