SAY-TEN DAIRY 〜晴天日記〜

2004年07月12日(月) Switch

「・・・はい・・今から帰ります・・・」

電話を切ったとたん、
まるでスイッチが入ったみたいに
さっきまでの彼女はもう、そこにはいなくなった。
周りのものさえも、もう何も見えていない。

(・・・電話の向こうは、怒っていたのか?不機嫌だったのか?)
今までの時間さえ後悔しているように、
ただ足早に、家路へと急ぐ

例えば、見方を変えれば、
けっこうイケてるこの街の夜の姿も。
誰かにソックリな行き交う人の疲れた顔も。
そして隣にいる置いてけぼりのバカも。

何も見えていない。何も映らない。

まるで、
すべての外界から遮断された場所に
行ってしまったみたいに。

毎晩必ずこの時間に
彼女はスイッチを入れるんだろうな
健気に、ただ健気に。

でもそれは、
毎朝仕事場へ出て押す
タイムカードのようにも見えた。
“義務”のような、ただの“仕事”のような奉仕・・・

見ていて、
あまり、いいもんじゃないな。
少し、痛くて、
そして、とてもツライな。
とてもツライな。


〇 RIGHT NOW / VAN HALAN


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