負け犬にだけはなるんじゃないと耳もとの声くり返す
篠原美也子さんの「心の行方」という歌の一節。週末のライブで久々にこの歌を聞いた。美也子さんを知ってからまだ1年ちょっとしかたっていないのだけど、この1年、美也子さんの歌をさんざん聞いて過ごしてきた。20代ラストスパートに入ったおいらの耳に美也子さんの歌が痛く響く。 週末のライブで美也子さんは「心の行方」を今は鼻の奥につんとくる歌で無いと言っていた。けど、おいらにはまだまだこの歌がつんとくるのだ。 ======================= スポットライトは夢の数だけ用意されてはいないけれど
今日も明日もずっとずっと生涯かけて問いかける たとえ気に染まぬなりわいの中でも誰より高く空見ていても 明日を明日を待つ理由を 明日に魅かれる心のゆくえを ========================
難しいことが目の前にたくさんあるかも知れない。けど、その難しいことを何とかしたいのだ。
この週末はかなり充実。ライブ1本に芝居2つ。
美也子さんたちの出た東京百歌というライブイベント、その他の出演者は橘いずみ、奥井亜紀……他 橘いずみさんが尾崎の「路上のルール」を歌ってくれた。尾崎豊、彼との出会いはひょんなことからだったが、今、僕の考えの基本の基本はやはり尾崎にあるような気がする。30代の尾崎を僕達は聞くことができなかった。そういえば昨日は鈴木彩子さんの誕生日。彩子さんは30代にたどりついたのだから、30代の彩子さんのメッセージを紡ぎだして欲しい。
演劇2本。土曜日はキャラメルボックスの芝居を観劇。なかなか小劇場芝居って、行くチャンスがない。見にいきたいと思っても。今回たまたまさっそくれた人がいて、観劇に行った。率直な感想「面白かった」。芝居の内容うんぬんは、何度もキャラメルの芝居を見てる人の評にかなわないので別の角度から感想を書く。 今回は最前列で芝居を見た。最前列という席は本来見にくい席である。しかし最前列という「別の」角度から見るからこそ見えるものもある。役者を間近に見えるから感じられること。汗が床に落ちる瞬間を見えるからこそ感じられること。そうしたもの考えながら芝居を見ていた。そこから伝わってくる迫力はものすごいものだった。
翌日、小さな劇団の芝居を観劇。こちらもそこそこの満足は得たのだが、この「迫力」が違った。ここで「迫力」をつけたものこそ、キャラメルのような大舞台へと歩いて行くことができるんだろうな。
おいらの仕事のことをここでは意識的にかかないようにしているので、ずっとうだうだを読んでくれてる人でも意味が通じないかも知れないけど、ちょこっと仕事のことを。
おいらの「デビュー」は恵まれたことに、いきなり「大舞台」だった。でもその世界はものすごくいろいろなことが大変で、正直おいらはその「大舞台」から逃げ出した。そしてその次に立った「舞台」は今までおいらが立ってた世界からくらべればかなり低いレベルの世界で、おいらを「お山の大将」でいさせてくれた。しかしその舞台がなくなってしまい、自分の持ってるポテンシャルだけで、舞台を渡り歩いていかなければなくなった時、その舞台の敷居の高さに翻弄された。今、おいらは迷い歩いてきたなかで、わずかながら自分の 立ち位置を確している。でもそれは本当に自分がいたい場所かと言われればそうではない。 自分が逃げ出し舞台で、一緒にやっていた同世代の連中は、その場に残り、その大舞台で自分の立ち位置を築いている。おいらが立っているその場とは比べ物にならない。 おいらは、その場所に戻りたいわけではない。けど、おいらのやり方で、いつか別の形でその場所にたどりつきたいと思っている。
あ、そうそう、別においらの仕事は、役者でもミュージシャンでもありませんよ。詳しく知りたい人は、今度何かの機会にお酒を呑んだ時にでも。
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