篠原美也子さんのライブを聞きに渋谷へ。感動。
篠原美也子さんを知って2年。昨年に続いて2度目のワンマン。昨年、大人になってまだこんなに感動できることがあったのかと思ったが、今年も最高に感動させてもらいました。しかも最前列で。 様々な色、そした多角度からのあざやかな光、そのなかに浮かび上がる艶っぽい美也子さん。時おり「叫び」にも近い声を張り上げ歌うその姿は、かっこよく、美しく、そしてそれと同時にせつなさを感じた。
なぜせつないか。篠原美也子さんの歌は目の前にある「現実」を、あまりにも素直にt直視し歌った歌が多いからだと思う。彼女の真骨頂がここにある。 世の中、夢や希望ををあきらめないで、まけないでと叫ぶ歌は多い。だが実際、大多数の人間は叫んだところで、夢や希望は叶う訳ではない。叫びもせず日々を過ごしている人間も多くいる。 美也子さんはそうした現実を赤裸々に歌う。だからこそ、夢や希望を心のなかに「秘めた」ままにし、あるいは忘れたふりをして生きている、大多数の人の心にせつなく響くのだ。いや響くだけましか。「世間一般」の人たちはそんな歌には耳をふさいでしまっているから。
でも美也子さんの歌はせつなく、つらいだけじゃない。それは、そんな現実を認めた上で、それでも何とか……ということを歌ってくれているからだ。
「選ぼうとしなければもっとずっと人生はたやすい 望んだりしなければきっとずっと人生はやさしい 思っているよりもずっとずっと人生は短い 遅すぎるかも知れない だけど顔を上げて」(秒針のビート)
「この街で 何ひとつやり直せるわけじゃないとみんな知ってる 変われない 変わらない この街で それでもなけなしの笑顔を浮かべ前進していく」(30'S biue)
「折れてしまえば楽になるのにと優しい声が心を揺らす お前のせいで面倒になると呆れた声が背中に突き刺さる 午前零時の新宿ステーションつめたい風になんだか泣ける 金も名誉も力も無いから信じるものも守れやしないんだ」(冬の夜)
「わかっている わかっている わかり過ぎる程わかっている でも今日も日々に追われ だから人間ていとおしいもの 小さな花とあきらめるな 何も出来ないと決めつけるな たとえどんなわずかなことも 誇りに出来る力を持て あんたはまだ若いなどと 卑怯な逃げ方をするな 時代を変えて行くものがあるとすれば それはきっと名も無い青春達」
ばーっと思いつく歌詞を並べてみた。おいら今26。今年は27になる。そろそろ先を見据えた行動をしなくちゃいけない歳だ。でも何も出来ていない。だから美也子さんの歌がこころに痛く染みるのだ。
ライブが終わり会場を出て渋谷の街をぼんやりいろいろ考えながら歩いていた。この街で、この空間で、そしておいらが生きている時間の流れのなかで、おいらはどのような道を進んで行けるのだろうか。
ライブが終わった後にいろいろと考えさせてくれるミューッジシャンてそんなにいない。
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