鼠小僧白吉のうだうだ日記

2004年11月27日(土) 島田正吾の訃報にびっくり

土曜日だというのにドタバタした一日。あっちいったりこっちいったり。夜8時、一旦帰宅。新聞を見てびっくりした。

「島田正吾死去」

そういえば少し前、脳梗塞で倒れたとも聞いていたが……98歳、大往生である。しかしこれほどの名役者がいなくなってしまうのは残念でならない。

もう何年前だったか忘れたが、大学生のころ、おいらはよく祖父といっしょに歌舞伎を見に行っていた。まだ見にいき始めたばかりのころだったと思う。最初はじいちゃんがさそってくれるので、つきあいで行っていたのだが、徐々に面白くなってきてたころだった。その日の演目は「荒川の佐吉」。中村勘九郎が佐吉という若いやくざの役をやっていて、その佐吉がどんどん立派な大親分に成長していくというお話だ。その芝居に若さで突っ走りがちな佐吉をいさめる大親分「相模の政次郎」略して相政という役が登場していた。舞台の相政は年老いているのだが、その分重みを感じる。そして舞台上で相政を演じる役者は、充分すぎるくらい、やくざの大親分のオーラがでていた。その相政を演じていたのが、島田正吾だった。その当時でもう90歳を超えていたはずである。

その後テレビではひとり芝居などを拝見したことがあるが、生で見たのはその一度きりだ。しかしその大きすぎる存在感は、ものすごく印象に残っており、その一回きりの観覧で、おいらは島田正吾が頭にこべりついてしまった。

もう一度、島田の相政を見たかった。98歳の大往生。ご冥福をお祈りします。


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