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東京美術倶楽部
前に「東京美術倶楽部の展覧会、よかったわ」と聞いていたことに加え、今日たまたま鳥居坂の日銀分室でランチを頂く機会もあり、ここまで来たなら足を伸ばしてみようか、と芝の東京美術倶楽部に行った。
同倶楽部の百周年記念展だそうで、美術商と係わりを持った日本の作品が集めてある。混んでいないと思ったら大間違いで、入場規制で15分待った。でも中はさほどでもない。(見習うべし、東博!)
例によって近代日本画が楽しみである。麦僊の甜瓜の絵、あざやかな緑が実に美しい。甜瓜ってそんなにみずみずしいものだったっけ、と疑いたくなるほど。竹喬の牡丹雪の絵も素敵だった。龍子の枝なりの果物が花瓶に挿してある絵もカラフルで、華やかで目を奪われた。あからさまなデザイン性は希薄なのに、とても魅力的だった。
近代日本の洋画って、私がもっとも苦手とする分野である。なんかよくわからないのだ。プチ・セザンヌが一杯いるみたい。戦前の洋画家でいつも心に残るのは、靉光の絵である。この人の画面には人間を感じる。岡鹿之助の林に雪が降る絵もよかった。坂本繁二郎の「月」と題した馬の絵もなかなか。(この絵は図録で見ると、全然別の色をしている。本物は白っぽいのに図録では赤みが強い。色校正がまったく粗雑な図録である。浜田庄司の皿も板谷波山の壷も本人が見たら怒りそうな色だ。)
最近さかんに登場する鈴木其一の四季草花屏風、とってもお洒落。其一からは常々やりすぎ感を受けるので江戸琳派といっても私はあまり好きではないのだが、今回みた屏風のデザイン性には驚くばかり。かっこよすぎ。
国宝もたくさん出ていた。ここは国宝も展示できる施設なんだなあ、と変なところで感心した。絵因果経とてもきれいだった。奈良時代ってほんのちょっと前だっけ?
小さな国なのにきれいなもの、多すぎます。今年に入ってから展覧会まわり忙しいよ。
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