書泉シランデの日記

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Yonda Club
2006年02月22日(水)

ここ数年、新潮文庫を買って、カバーの一角を切り取って集めて送ると「Yonda Club」とやらの景品がもらえる。私は基本的に集めものには手を出さないことにしている。ひとたび集めだすと、生真面目に集めるので、仕事が増えるからだ。ところが、「Yonda Club」には手を出してしまい、はさみを持って家人の買ってきた文庫までチェックする破目になっている。

あほらしい、と思いながら、いろんなものを手に入れた。もらっただけで実用に供しているものは、トートバッグだけである。以前の景品のトートは黒いキャンバス地であった。文庫本サイズの外ポケットが売りであった。(今は違う。)私はこのトートのYondaマークのパンダを黒マジックでぬりつぶし、不祝儀用の手提げにしている。

当初の景品には確か文豪コーヒーカップがあった。今それは消え、パンダのマグカップになった。文豪グッズなんて、いかにも新潮社だが、そんなものがいまどきの若い人に受けるとは思えない。私だってこの景品はノーサンクス。本を読まない連中に見せれば、「きもかわいい」などといわれて受けるのだろうか。

腕時計にはいまだ文豪がついているが、誰が腕に巻くのだろう?針の向こうに漱石がいたり、太宰がいたりすると嬉しいかなあ?どうせならインパクトの強い梶井基次郎はどうかしら。ちなみに文豪は30冊だが、50冊集めるとパンダのついた腕時計になる。複雑な気分である。

キャラクター人形のパンダには、最初は本屋さんのハタキがついていた。立ち読みする人に嫌がらせをするハタキである。知らないうちにそれも消えた。立ち読み=ハタキという連想が過去のもので、理解不能になったからだろう。そういえば、最近の書店でハタキを持った店員さんなど見たことがない。

一体このキャンペーンはどのくらい売り上げアップに貢献しているのだろう?そもそもこの賞品を持っている人に会ったことがない。本屋以外の場所で景品を見たことがない。本を読んだら景品がもらえるという仕掛け自体はそれなりに画期的だったのかもしれないが、景品の微妙な時代遅れ感は計算されたものなのか、それとも新潮社の宣伝力が時代遅れなのか、あるいは本を買うような人間は時代遅れだから、これで十分ということなんだろうか。



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