書泉シランデの日記

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ヒヨドリ・スズメ・メジロ
2006年03月17日(金)

最近、朝、雨戸を開けると、ひよどりがうるさく鳴く。「おばさん、メシ!メシ!」と合宿所の賄いさながらである。ひよどりは本当にうるさい。黙って食べればよいのに、大体、食べる前に餌台の手前でひとくさり、ピィーッ、ピィーッと何度も繰り返して鳴いてから餌台に移り、ようやく食べ始める。

先月からなんだか習慣になって、果物やらパンくずやら、雑穀やら与えている。本来、果物をヒヨドリ組にあて、地面に撒くパンくずの類はスズメ組にあてたつもりなのだが、ヒヨドリ組は卑しいので、両方食べてしまう。ヒヨドリという字は卑しい鳥と書く。困ったもんだ。「卑」が単に音符であることを願いたい。

ヒヨドリ組の食卓にたまにメジロ夫妻が訪れる。見つかると大変である。ピーッの一声でメジロ夫妻は遁走する。ところが、スズメ組はその程度では動じない。すると、ヒヨドリはフェンスに止まって、羽を緩めて、こきざみに震わせて威嚇する。あたかもゴリラが胸をたたくドラミングのようである。それでも餌をついばんでいると、急降下攻撃をしかける。さすがにスズメ組もこれには退散、というわけで、最後はヒヨドリ組の天下となる。

ただし、このヒヨドリ組、「組」と書いたように複数の個体が餌台に通ってくるけれど、決して二羽が同時に餌台に乗ることなどない。それに比べれば、スズメ組やメジロ夫妻は仲良きことは美しき哉である。意地悪ヒヨドリというべきだろうが、その食いっぷりのよさに心奪われ、賄い婦はついつい明日は何にしてやろうか、と考えてしまうのである。



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