表面だけ明るく、少し退屈になった街で、みんながごく個人的に病んでいく−。ホストクラブの受付で働く「私」、男に入れ込む幼なじみ。夜の世界を「生き場所」とする彼女らの蠱惑と渇望


男がねだり女がお金を払う店

体験入店や仮入店期間を経て、印刷した名刺を持つようになる男は応募数の三割にも満たない。名刺を持って働きだしたとしても何の前触れもなく連絡が途切れ、ときにはいざこざを残したまま消えていくのが当たり前の街の中で、人の輪郭は常にぼやけている。どんなに親しい者がいても街から出た途端、本名すら知らないことに気づくのだ。



段落の少ない物語は私には読み辛い、そして・・・私の知らない世界。

トランジションは日本語で「移行」を意味する言葉