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2012年09月14日(金)
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tick,tick・・・BOOM! 9/14 19:00〜
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『秘密』という漫画がある。 死者の脳から記憶を映像として取り出すことが出来る話。
その人の見たものだから、同じ人でも印象は違う。 「こんな顔だっけ?ああ彼にはこう見えるんだ。」と。
今回のtick,tick・・・BOOM!の初見の感想は、"Jonathanの脳内映像"だった。 某所でRENT原理主義者とも言われていたが、tick,tick・・・BOOM!についてもそうなのかもしれない。 Jonathanが語り、弾き、歌う。一人芝居の原点に忠実という印象。
前回見た時には3人の劇と思ったが、今回は完全に『Jonathan&彼が紡ぐ物語のイメージ映像』と思った。
丁寧にJonathanの言葉を辿り、似顔絵を聞き書きするように言葉を映像にして再生していたような印象。 思考の流れを辿っているようなシャープで途切れない演出のリズム感、 無機質に抽象的でSFっぽいセット、音数の少ない訳詞も、舞台全体のPVっぽさを加速させている。
すみれもジェロも台詞になると妙に棒読みでたどたどしいのも、かえって二次元っぽくて良い。 (でも、他の舞台じゃ使えないぞー。)
何を考え、何に苛立ち、何を愛し、どう嘆いたか。 彼の思いをそのまま真っ直ぐに具現化している、と思った。 山本さんのJonathanへの愛と敬意の深さに改めて感じいる。
思い込み突っ走りで言いきってしまうが、 Jonathanが重なってる、「あ、ここに息づいている。」と。思ったよ。私は。
全体の印象はここまで。 後は思いつくまま。 ・ジェロ。ダンス上手い。歌は想定内。演技はたどたどしいが、コメディ部分は楽しげでなにより。 ・すみれ。スタイル抜群の美人。日本語はやはりたどたどしい。ソロは圧巻だった。 他の歌で一部音程が何ていうのか、ドだけど最初からドじゃなくて声出しながら音程が上がってくようなのが気になったけど。 緊張かなぁ。 ・山本さんはもう、歌は安定で、つか、声の色深くて、更に良い。 ダンスは相変わらずの"あれ"だけど、それがJohnなんだと思おう。 ・予想以上に前回の日本語歌詞を覚えていたため、新たな詞に慣れない。。。こんなに覚えてたのか。自分。
前回見に行った感想は、爆風だった。 熱に灼かれて、心身消耗したと書いている。
今回は静かだった。 重力が大きい静寂。ブラックホールに近いもの。 でも色は白いんだよなー。すっごく比重の大きい小惑星のような。 静かで白くて乾いていて優しい。
見終わって、今、満ち足りてる。
最後に、咳! 実は月曜日に止まったと思ったのが再燃し、呼吸器内科に医者を変え、咳止めを3種類出してもらっていた。 人体実験(それぞれ何時から効くか。何時間効くか。どれが効くか。)を繰り返し、これならという咳止めを選定。
きっちりぶっこんで、咳一つしないで見終えたぞ! (と、咳き込みながら書く) 咳止めと気合いと愛だな。と小さな達成感を楽しむ。 前日になっても咳止まらなかったら、チケット譲るしかないかと半分諦めてたんだから、 ちっとは浮かれてもいいよな。
達成感はいいから、次は咳がどーこー気にしないで見たいよ。 あと2回行きます。
alain
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