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今日は、華が予定よりも早く仕事を終えて帰った。 あたしは遅番で、帰る頃には8時になる。 それでも会いたくて、会いたくてたまらなくて、華の家へと向かった。 あたしにしては珍しい。 華の家には、華以外の気配があって。 アレルギー体質のあたしには辛い動物がいて。 あたしの入り込めない世界が、嫌で嫌で、ぶち壊したくなる。 だから、あまり近寄らないんだけれど。 今日の華は生理痛でちょっとしんどそう。 華は一人であたしを待っていた。 同居人はもちろん不在。 あたしは、華用のふとんで、一緒に転がる。 くしゃみが止まらない。 それでも抱き合って。 毎朝5時半の逢瀬は、いつも寝ぼけ眼だから、ちゃんと目が覚めている時に会えるのが嬉しい。 5年の期限を与えられて、あたしは、死ぬほど苦しいのだけれど、何とかやっていけると思えた。 華に会えない日々が続けば、どんな場所でも会える。 どんなに嫌な世界でも、抱き合える。 それが、何よりの救いなんだ。 そんなつもりもなかったのに、少しだけ遊んで。 抱き合って。 キスをして。 くしゃみをしながら、夜道を一人、歩いて帰る。 夜風が気持ちいい。 心が晴れる。 まだあたしはここにいられる。
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