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あたしの空洞を埋めるためではなく。 愛しいひとの空洞を埋めるため。 あなたにあれば、なんて一瞬でも思わない。 むしろ、ないからこそ、安心する。 あれは野蛮な凶器。 あたしには、そうとしか見えないから。 だから、あたしが欲しいのは、小振りな性器。 あなたを痛めつけることのない、軟らかい肉。 その空洞に蓋をする程度の、小さな小さな。 一つの生き物になりたいからこそ、そんなことを望んでしまう。 明日は久しぶりのお休み。 予定は何もない。 華と二人で、のんびりする。 お昼は、あたしの手料理ね。 衣替えと掃除をしよう。 まるで二人暮らしみたいに、何気ないことをしよう。 そして。 あたしの空洞はあなたの指先で埋めて。 あなたの空洞は、あたしの、心の肉で埋めて。 抱きしめるの。 ああ、あたしがおとこだったらなんて思わないけれど。 あなたに埋まる肉があったら、良かったのに。
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