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華と一緒にお休み。 予定なんて何もない。 どこに行くかも、何をするかも、決めてない。 ただ二人だけの休日。 雨で良かった。 抱き合って、眠って。 起きて、ごはんを作って、食べて。 また抱き合って、眠って。 コンビニに行く以外は、何もしない。 愛し合う以外に、何もしない。 日常に草臥れた気持ちに、まるで雨が染みこむみたいなキスを。 優しい優しいキスと愛撫を。 あたしの小振りな乳房にすがって笑う、あなたの額にもキスを。 やんわりと、でも確実な愛撫で、飽きることなくあたしを抱く。 雨の匂いのする部屋で、あなたは笑って、笑って。 あたしは溺れながら、藻掻いて、泣いて。 いつか、このひとはあたしの体に飽きるんじゃないかと思ってた。 でも、いつも変わらない。 それは二人の間に物理的な距離があるせいなのかな。 それとも、女同士だから? 何一つ、確実な繋がりを持てない関係は、永遠に恋愛のままでいられるのかな。例えば、結婚なんて有り得ないし、子供なんて出来るはずもない。社会的な形式とも、人間的な成果とも無縁。 ただ、心と体でしか、寄り添っていられないから。 愛しいと思うことを、ずっとずっと続けてられたら、あたしたちはきっと幸せなんだ。 それが何よりも難しいことだとは分かってる。 あたしの体を丹念に愛してくれる、その時間の作り方が好きだよ。 執拗な愛撫も、からかうみたいなキスと、笑顔も。 全部全部、好きだよ。 時折、フェティシズムを垣間見せる華の性向。 あたしはそれに、毎度毎度、お付き合いをする。 それは日によって異なりはするけれど。 サディステックな愛情。 パラフィリアにも近い。 その全てを受け入れてしまうあたしだから、華は飽きずにあたしを抱くのかな。 そんなことを、ふと、思う。 雨の日のベッドは、快楽と、嗜虐と、物思いが交錯する。
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