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「満腹にならないと性欲も湧かないの」 なんて口癖のあたし。 今夜は華のおうちへお出掛け。 仕事が終わって、電車を乗り継いで。降りた駅には華が待っている。 まるで忠犬みたいな顔して。 そのまま華に攫われて、カレーとセックスの誘惑に負けて。 仕事帰りの草臥れた身体を、ささやかなお遊びに酷使する。 撮ってもらっていたDVDと、華の作ったカレー。 終われば手を引かれて、華専用の小さな寝室。 小さな布団の端に座って、強請るような視線を見下ろす。 ここで抱き合うのは、二度目だね。 見慣れない天井が、少し怖い。 手繰り寄せられるような、指先。 舌。 濡れる、揺らされる、抉り上げられて、食べ尽くされる。 必死に声を噛み殺していると、笑った顔が見えた。 ああ、もう……悔しい。 華はこういう時には狡いと思う。 忠犬みたいな顔をして、ときどき、すごく凛々しくなる。 可愛い華が大好きだけど、そうして、顔色を変えるのが、切なくて、胸が痛い。 笑った後に、苦しそうに、歪める、唇。 どうしても混ざり合えない生き物である、現実。 出来れば、シーツの波間の上で。 互いの裸の体を絡めたままで。 溺れて、溺れて。 きっと華は怒るよね。 あなたの好きなあたしと言えば、笑って、鳴いて、愛している姿だもんね。 でも。 携帯のメモリーにひっそりと残された、あたしの残骸たち。 シーツの上の淫らな姿も。 あたしにとっては、死体と変わらないんだけどなぁ。
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