はーと&ダイアリィ
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ある日突然、姪っ子から手紙が来た。可愛い封筒を開けると、中にも封筒と同じく可愛い便箋が入っており、広げて見るとそこには姪っ子が描いたと思われる楽しそうなアニメの絵と丸文字の手紙が綴られていた。 手紙を読んでいるうちに私は、嬉しさと可愛い気持ちが同時に重なって居ても立っても居られなくなり思わず 姪っ子に電話を掛けた。
 彼女はまだピチピチの17歳の思春期である。彼女には18歳の長女の姉と、今年二十歳になる長男の兄が居る三人兄妹の末っ子だ。 私が言うのも変だが、何故かこの子は小さい時から私の子供の頃の顔によく似ている。
そういえばこの子の父である私の弟は、生前よく私に言ってたな〜「うちの○○は姉ちゃんの子供の頃にそっくりだ。いや、今もよく似ているよ」ってね。 それを聞いた私が即、返す言葉が「それじゃ○○ちゃんが可哀相だよ。こんな年いった伯母さんの顔に似ているなんて言ったら〜」こんなことをよく言いながら笑い合っていたあの頃、懐かしさがこみ上げてくる。
それにしても・・・、当時の小さい甥っ子と姪っ子達を私はずっと見てきて いつも心から心配しながら見守って来ていたが、 その心配は私のとりこし苦労に過ぎないということに気が付かされました。 なぜならそれは、17歳の姪っ子が1歳6カ月の頃に弟夫婦は別れてしまった為、三人兄妹は殆んど母親の愛情というものを知らずに育ってきたのです。
しかも17歳の姪っ子が小学校に入学するかしないかぐらいの頃まで私の母が育ててきたのだが、当時どうにもならないほど母と弟の間で折り合いが上手くいかず母達は私の元へ、そして弟が一人で三人の子を育てきたのである。 といっても、男一人では三人の小さい子を育てていくにはかなりの限界があったらしく、時折 仕事の事情でやむ得ない時があれば三人を施設に入れた事もあった。 その他でも色々と今までに考えられないほどの境遇に遭っていた甥っ子と姪っ子達なのだ。
そういったような事で甥っ子と姪っ子達は、幼い頃からずっとあまりにも色々な苦労がありましたが、その度私は「すごく、えらいな〜」と心を痛めながらも見守りつつ、感心していたのです。 その感心していた事とは兄妹三人の絆が強く、それぞれが明るく朗らかに素直に育っていたことです。 その中でも一番 心に打たれたことは、これほどの境遇の中で育てられてきたにも関わらず三人共、めげずに逞しく真っ直ぐに育ち一回りも二回りも大きくなっていたことです。 この何とも言えない強さが、純粋に私の心を捉えてしまい ずっと離れられませんでした。
今では正直なところ、甥っ子と姪っ子たちの本当のお母さんも見つかり(半年前に私が捜して)現在、親子4人の新たな人生を迎えています。 この幸せがあるのも今思えば、三人が色々な事があっても負けないで一つ一つ乗り越えて きたことの結果だと、私は思いました。 やはり、何があってもめげずに負けないことが大切なことなのですね。
私が17歳の姪っ子に電話で伝えたことは、「これからも色々なことがあるかも知れないけど、それでも自分というものをしっかり持って、 そして自分を大切にし、 自分のこれからの人生の目標を持ちながら頑張っていって下さいね」と伝えて電話を切りました。
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