有楽町スバル座で喜劇王チャップリンの映画がデジタル処理されて、上映される事になったらしい。 少し前にNHKでチャップリンの映画がシリーズで放映され、ビデオを回して撮り貯めた。モダンタイムス、キッド、殺人狂時代、ライムライト……。 そのタイトルを聞くだけで、映画のワンシーンと音楽が記憶に甦る。 悲しくて、可笑しくて、哀しくて、優しくて。 喜劇王と呼ばれる彼の優しさと、深さと、苦悩と。
―――人を笑わせること。一瞬でも現実の重みから開放できる時間を提供する事。
それを望んでいたチャップリンの映画は、自分の不甲斐無さ、弱さ、邪悪さを知りながら、それでも何かの為に、誰かの為に非力な自分に力を与えて欲しいと、神に祈る「祈り」のような印象をいつも持ってしまう。
アインシュタインがチャップリンに「世界中の人があなた作品を理解し、あなたを愛している」という言葉に「世界中の人があなたの論文を理解できないのに、あなたを愛している」と答えたという逸話があるが、果してチャップリン自身が本当に理解された人だったのだろうか?
晩年、誰とも面会しようとしなかったチャップリン。 誰にも触れる事の出来ない「天才の孤独」を知る時代の寵児。
(しかし、有楽町は遠いわ。大阪でも、上映してくれないかな。)
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