★高野和明。 『13階段』

なかなかに重々しいテーマ、「死刑制度」。
死刑があるべきか、ないべきかは賛否両論様々な考え方があると
思うが、その極めて間近にいる職業「刑務官」の立場を垣間見るのは
初めてだった。驚いたけれどそうなるのだろうなと納得した彼らの
思いはあまりにも苦しい。
そして、犯罪には必ず存在する「被害者と加害者」。
世間の中で、事件は犯人が逮捕されたところで終わっているが
当事者にとってはその後の方がずっとずっと長いのだ・・・。
そして、どんな人間にも、本人が気づかないところに殺意のスイッチが
ある、そんな表現には心底ぞーっとした。きっと衝動殺人は
みな、そういうことなのだろうから。

なかなか読み応えがあって、最後まで一気に読めた。
見事にぎょっとさせられたところもあったし。
最後がちょっと気分的にはあまり受け入れられなかったけども、
それは読者のわがままというやつか。
映画化されるという話を聞いたが、見てみたい気もする。



2002年08月21日(水)
By ちゃいむ

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