⊂流星痕⊃
2002年10月11日(金)

去年の初冬に観た、星の雨を最近よく思い出す。
どんなにたくさんセーターを着込んでも、膚を刺した空気の冷たさも。
冷えきった坂道の上に寝た時の、後頭部の重たさも。
大気に護られた地球に、届かず燃え尽きて逝く星屑も。
2時を過ぎても眠れない此の頃は、鮮明に思い出せる。

星の雨は光り放ちながら、真空の中に生きてるプランクトンみたいで。
全ての光りが地球に刃向かい来る様は、何かを握っていないと耐えられないくらい。
耳鳴りが止まらないほどの、星の大雨だった。

小さい頃に観た、テレビの中、何処かの国の戦争に似ていた。
星は目掛けられた様に、闇空の一点を信じて燃え尽きて逝く。
何かにぶつかると砕けて、光りは粉々と散った。
無様でいながら、とても美しかった。
空から目が離せなくて、
部屋に戻ってからも夜が明けるまで、何度も窓の外を観ていた。
星の雨は丸切り3日間、止む事が無かった。
それからはもう、観れなくなって仕舞ったけれど。


意識が分裂をはじめた気がする。
今日は学校で色んなひとに話し掛けられて、言葉を返した。
あたしをあたしが視ていた。
あたしは喋っていないのに、あたしは喋っていて。
馬鹿なほど会話は噛み合わず、自分を見失った。
もう半月、眠りは浅く、1日に3時間も眠れれば良い方。
あたまがあたまの働きをしなくて、有っても無くても同じだと思った。
あのひとは毎日、煩わしいメールを何件も送って来る。
あたしだって毎日が元気じゃない訳でもないの。
楽しく生きてるのに、気分が沈んでる事を前提でメールが来て。
あたしは憂鬱になる。
『沈んだら無理にでも外に出ろ、なんならあたしを呼び出して。』
『沈んだら無理にでもテンションを上げて、なんなら一緒にカラオケ行こう。』
遊びたいのなら、お友達とすればいいのよ。
何がしたいの?
夜も明けない内から薬を頂戴なんて、なに。
もう消えてよ。
最近の苛々の原因、もう頭がオカシクなりそうよ。
勝手に生きて、一緒にしないで、あたしを見ないで、気に掛けないで。
今までひとりで出来たのよ、これからもひとりで出来ない訳がないでしょう。
憂鬱は放っておけば治まる事も、薬をのまなくても眠れる方法も。
あたしはちゃんと解ってるのよ。
限度を越えた優しさは爛れ。
思い出すだけで、苛々と吐き気が止まらない。

眠れない。



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由弥 [御手紙]