去年の初冬に観た、星の雨を最近よく思い出す。 どんなにたくさんセーターを着込んでも、膚を刺した空気の冷たさも。 冷えきった坂道の上に寝た時の、後頭部の重たさも。 大気に護られた地球に、届かず燃え尽きて逝く星屑も。 2時を過ぎても眠れない此の頃は、鮮明に思い出せる。
星の雨は光り放ちながら、真空の中に生きてるプランクトンみたいで。 全ての光りが地球に刃向かい来る様は、何かを握っていないと耐えられないくらい。 耳鳴りが止まらないほどの、星の大雨だった。
小さい頃に観た、テレビの中、何処かの国の戦争に似ていた。 星は目掛けられた様に、闇空の一点を信じて燃え尽きて逝く。 何かにぶつかると砕けて、光りは粉々と散った。 無様でいながら、とても美しかった。 空から目が離せなくて、 部屋に戻ってからも夜が明けるまで、何度も窓の外を観ていた。 星の雨は丸切り3日間、止む事が無かった。 それからはもう、観れなくなって仕舞ったけれど。
意識が分裂をはじめた気がする。 今日は学校で色んなひとに話し掛けられて、言葉を返した。 あたしをあたしが視ていた。 あたしは喋っていないのに、あたしは喋っていて。 馬鹿なほど会話は噛み合わず、自分を見失った。 もう半月、眠りは浅く、1日に3時間も眠れれば良い方。 あたまがあたまの働きをしなくて、有っても無くても同じだと思った。 あのひとは毎日、煩わしいメールを何件も送って来る。 あたしだって毎日が元気じゃない訳でもないの。 楽しく生きてるのに、気分が沈んでる事を前提でメールが来て。 あたしは憂鬱になる。 『沈んだら無理にでも外に出ろ、なんならあたしを呼び出して。』 『沈んだら無理にでもテンションを上げて、なんなら一緒にカラオケ行こう。』 遊びたいのなら、お友達とすればいいのよ。 何がしたいの? 夜も明けない内から薬を頂戴なんて、なに。 もう消えてよ。 最近の苛々の原因、もう頭がオカシクなりそうよ。 勝手に生きて、一緒にしないで、あたしを見ないで、気に掛けないで。 今までひとりで出来たのよ、これからもひとりで出来ない訳がないでしょう。 憂鬱は放っておけば治まる事も、薬をのまなくても眠れる方法も。 あたしはちゃんと解ってるのよ。 限度を越えた優しさは爛れ。 思い出すだけで、苛々と吐き気が止まらない。
眠れない。
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