⊂鬼が島⊃
2002年10月08日(火)

日曜日に、空が何処かわからなかった。
雲の隙間から青い空が見えて、地上が何処なのかもわからなかった。
酸素で息をしてるみたいに、宇宙の何かで呼吸してる生き物が居てもおかしくない。

雲は針みたいに泡立っていて。
銀色の波は、重たい何艘もの船を持ち上げていた。
雲の波間から見える青い空が、恐ろしいほど遠くて。
自分の背いの小ささを感じた。
砂浜は何処。
ひとは海から生まれても、立つ場所がなきゃ完全じゃない。
酸素じゃもう、息が出来ない気がした。
苦しかった。
眠れなかった。
月がない。
艶消した真っ黒の闇が、白い息を残さずに食べた。

此処は何処だろう。
足の裏は、ただ痛かった。



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由弥 [御手紙]