⊂歪み雲⊃
2002年12月14日(土)

もうすぐ電車が出る時間。
腕の裂けた部分がドキドキしてる。
痛いドキドキではなくて、擦り傷に消毒を塗った時に浄化されるような感覚のドキドキ。
同じクラスに居る腕切りのコがあたしに、手首に出来た縦の亀裂を見せた。
彼女はあたしに腕を切るなと言っていたけれど、何故に自分はそうしているのだろう。
病院に言ったら縫わなきゃ駄目だと言われたそうだ。
何故に自分で傷をつくっておきながら、病院に行ったり痛いと言ったりするのか理解出来なかった。
馬鹿みたい。
傷を見せられあたしがそう、と言うと不意に眉をしかめた。
どんな言葉を期待していたのか、あたしには分からない。
あたしは何故に、自分で自分を傷めては駄目なのか分からない。
みんなは止めるけれど、何故に血は出ちゃいけないだろう。
故意に怪我をしていくのは悪いことなの。
じゃぁどういうのが普通かな。
タトゥーもピアスも許されるのに、何故いけない。
あのコは腕切りをいけない事だと思ってながらもそうしているのなら、きっと何かの犯罪者と同じ。
ひともあたしを傷つける、だからあたしもあたしを傷つける。
肉体と魂なら、どちらの方が大切なのだろうか。



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由弥 [御手紙]