四月初めのじいちゃんの五回忌は、あたしだけで静かにした。 抜けだせてないのは案外、あたしとばあちゃんくらいなのかも知れない。 庭の花はあの日みたいに少しずつ咲き始め、蛙も啼き始めていた。 お天気はとても良く、応接間の窓を全部開けて、思い出にならない日を思い返してた。 そして、痛い言葉を心で繰り返し、泣いて、自分を見失った。 何故に溢れただろう。
二・三日前から気分が悪い。 さっきまで眠っていたのに、病院に行く夢や、息の詰まる夢や、 早すぎる心臓の音についていけない体中の脈と言う脈が鳴り続けて。 喉の奥にドクドクという異物感が残って、目が覚めた。 去年のようにまた始まるのかしら。 もう何でもいいけれど。 もう、どうでもいい。
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