屋根から飛び下りる夢をみた。 階段の無いベランダに飛び乗って、雪の残る部屋の前。 ひとは空を飛べないからと諦めていたあたしは、 アスファルトが剥き出しになった地面へと、まっすぐに墜ちた。 痛くはない、さすが夢。 あいつが来てあたしを追い回し、怒鳴り散らされ言葉をなくした。 あたしは何度も其処へよじ登り何度も飛んでは墜ちた。 絶望と不幸が、ひとつずつ死んで逝く様で、楽しかった。 そして目が覚めると、息はとても苦しく、死んで仕舞うようだった。
それでもあたしは眠り続けて、また夢をみる。 月を靄と虹が包んで、とても綺麗な初夏の夜。 お母さんが、とても優しい夢だった。 あたしを迎えにきてくれると云って、電話をくれた。 携帯の電池は、あとひとつで無くなる。 お母さんはあたしを見付けられずに、とうとう迎えになんて来なかった。 かわりに友達が側に居てた。 それでもあたしは、嬉しくなんてなかった。
昼間は雑音であろう、東京の音が聴こえて、其の方が安心して眠れる。 夕方の授業へ行く準備をしよう。 ご飯食べないといけん。
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