日々是迷々之記
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2005年08月07日(日) よるのかぜ

ひらがなに意味はないけれど、そんな感じでよるのかぜはやさしく涼しかった。

エアコン効かせた部屋の方が涼しいんちゃうん?と普通は思うのかもしれないが、私はそんなにエアコンが好きではない。壊れているが修理する気も、買い換える気もない、そんなものである。

朝から早起きするつもりだったが、目が覚めたら10時。バイク用品屋でガレージセールをやるのでオープンと同時に駆けつけるつもりだったが、オープン時間に目が覚めてしまった。待ち合わせをしていたので、これはいかんいかんと、歯を磨いてお茶を飲んでバイクで出る。今日はカブではなく中型の方。ついでに阪神高速まで使ってしまった。リッチだ。というより、ハイカなのでプリペイドなため、お金を払っている実感がない。15分で700円。安いか高いか。

結局赤いリストバンド(伸縮するタオル地で出来ている)を購入した。夏用のメッシュグローブを買いたかったがサイズが無く断念。帰りは下道で帰った。

シャワーを浴びてDVDを見ていると眠気が。起きたらもう7時だった。多分2時くらいには寝てしまったと思うので、普段の平日と同じくらい寝てしまったわけだ。

夕日の中ママチャリでクリーニングを取りに行く。ついでにスーパーで買い物。だんなさんのスーツ類をぶら下げて帰ってきた。そよそよと風が吹き、歩くほどのスピードで自転車を漕いでいると汗も出ず快適だ。はなうたまで出てくる。

家に帰って一人の食事。カツオのたたき、冷や奴、万願寺とうがらしの焼いたもの。汗をかくのでビールではなくムギ茶を飲む。ふと、部屋を見渡してみると、この部屋にはだんなさんの気配が満ちている。

ぶちまけられたバイク雑誌、アウトドアメーカーのカタログ、テーブルの上に放りだされたのど飴の包み紙、キャンプに行く直前でやっぱりいらないや、とカバンから出されたアウトドアグッズ。そういうものが投げ出されている。ただの散らかった部屋。

こういうものを見ると、この人の人生は楽しいんだろうなぁと感じる。私は本人の前でこういうものを目にすると、「放っといたらいつか片づけてくれると思ってるんやろ?」と言ってしまう。もちろん相手がそんなことを考えていないことは分かっている。簡単に言うとイヤミだ。

多分この人は何も考えていないのだろう。考えるのは興味のあること、わくわくすることだけなのだ。考えていないのだから悪意さえない。

私のパソコン机には小さな飾り棚がある。そこにUSBのメモリ、エッセンシャルオイル、メモ帳、ビオフェルミン、セロテープなど雑多な物を並べているのだが、その横に携帯の充電器が置いてある。先日だんなさんが会社から帰ってきて、自分の携帯を充電しようとして私の充電器に乗せようとしていた。(同じ機種なのだ。)すると、コードの長さの関係で微妙な位置にある充電器になかなか電話を乗せることができず、がっと充電器をひっぱった。そしたら棚が倒れたのだ。棚に立てかけてあったマックの本もついでに倒れた。

私が怒ると、暑いのに狭いところで腰をかがめてやらなきゃいけない状況が気に入らなかったと言う。自分の充電器をなくしたくせに、とか、別に一息ついてからやってもいいんちゃう、とか、暑ければエアコン買えば、とかいろいろ言いたいことはあるのだが、「一を言えば十返す」みたいで嫌だったので、「明日充電器買ってくるから、わたしのはもう使わないで。」と言った。大人だから金で解決するのだ。

するとむっとしながら自分のがらくたの山から3分で充電器を発掘してきた。そんなにすぐ出てくるって無くしたんじゃなくて、真剣に探してなかったからでは…と思った。

こういうときはつくづく疲れる。が、テキは何もなかったようにリビングのコンセントに充電器を差し、フロに入っている。もう忘れているのだろう。もちろん私の棚は倒れたままだ。ただの「暑くていらついてる。」という気持ちだけでこれだけ不愉快な思いをさせられる。何も考えていないから、こういうことができるのだ。

今目の前に本人がいなくても、思い出しただけで腹立たしい。行き先が圏外なので電話がかかってこないのもほっとする。水曜日からタイに行くので24時間一緒にいるわけだが、果たして大丈夫なんだろうか。ダイビングをやるとか、釣りをやるとか、鼻息が荒いが、私はただたくさん寝て、マッサージをしてもらいたいだけなのだ。

いればいたで、いなけりゃいないでその気配にいらつかされる。他の夫婦もそんなもんだろうか。テレビCMなどにありがちな仲良し友達夫婦です〜なんていう夫婦は実在しているのか。

家の中に吹く、蚊取り線香の煙漂うよるのかぜのなかそんなことを考えた。考えてもどうなるわけではないけれど。


nao-zo |MAIL

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