当世高校教師気質
一生勉強 一生青春

2003年11月30日(日) スポーツ大会

今日は地区の教員組合のスポーツ大会。
私はバドミントンで出場したのであるが、
どうして学校の先生は運動が好きなの?
ほんと、運動部に所属してた人たちはいいよ。
私はずっとブラス一筋だったために、
何一つ運動は得意じゃないんだっつうの~~(涙)

でも、今日で分かったこと。
私が教員を一生続けようと思った場合、
バドか卓球はできなくちゃいけないんだな。
体力をつけるところから始めよう。

今日の嬉しいできごとは、
3月のPE'Zのライブチケットが取れたこと。



2003年11月29日(土) フラワーアレンジメント

頭痛がする・・・風邪かな。
気をつけないと、引きずるからなぁ。

今日は学校の先生方とフラワーアレンジメント。
先生の友人が主催者の一人だったので、
一緒にどうかと誘われたのである。
行ってみると、二十名ぐらいの女性が参加。
ピンクのバラと薄緑のカーネーションを中心に
講師の指導に従って、お花をアレンジ。
はじめはどうしていいのか分からなかったが、
なかなか面白かったぞ~~。
結構、イイ出来栄えだったしね。



2003年11月27日(木) 劣悪な職場?

我ながら嫌味な題名だな。
でも、これは本当に辛抱できない!
何がって、とにかく寒いのよ。
で、皆、我慢しているなら話はわかるよ?
でも、職員室、進路指導室、生活指導室、
その他もろもろの部屋にはストーブがあるのに、
何で生徒会室だけないわけっ!?
今日は試験問題を作成している間に背筋がゾクゾク。
おまけに、生徒はぎゃぁぎゃぁうるさいし(怒)
本来、試験一週間前は入室禁止。
でも、生徒会の仕事があるだろうから、
部屋の真ん中を黒板で仕切って、半分は解放。

・・・だから、ちゃっちゃと仕事せんかい!

さすがに今日は私が怒りオーラを振り撒いてたので、
自分達でも気をつけようとはしていたみたいだけれど、
どうも集中力が続かないようだな、彼等は。

と愚痴を書いてみたけれども、
やはりかわいい生徒であり、慣れた部屋だから
愛着もちゃーんとあるので、頑張るのみ。

昨日購入したレッチリのベスト盤、最高なり。



2003年11月25日(火) 『ぬしさまへ』

今日から試験一週間前の部停に入る。
早く帰ろうかなと思っていたのであるが、
部活動がなくて暇な生徒が生徒会室にタムロしている。
普段ならめったにお目にかからないようなヤツまでいる。
試験前ぐらい家に帰って勉強しなよ、ホント。

結局、7時半ギリギリまで学校に足止め。

本日の一作:
・『ぬしさまへ』(畠中恵/新潮社)

『しゃばけ』に続く、若だんなと妖怪の物語。
殺人やら、猫殺しやら、物騒な話も見受けられるが、
心優しい若だんなと若だんなが大好きな妖怪達の
心温まる交流に思わず目を細めてしまう。可愛いな。
今回のお気に入り短篇は「仁吉の思い人」。
題名のとおり、冴えた美貌の持ち主である仁吉の
平安時代から続く片恋の物語なのであるが、
ものすごくロマンチックで微笑ましいのである。
オチなんかもすぐ分かっちゃうんだけれども、
それでも「仁吉ってば」と思えてしまうのである。

でも、ラストの「虹を見し事」にはちょっとドッキリ。
この話で本当にお終いなのかなと思ってしまった。
一応、次に続いてもおかしくないようなオチだったが、
いつかは若だんなも独り立ちをする日がくるのだよと
そっと耳元で囁かれたようで、少しだけ切なかった。



2003年11月24日(月) 『The MANZAI』

連休最後の一日は買い物に費やす。
久しぶりにお店を覗いたら、アレもコレも欲しくて、
結局、何が欲しいのか分からなくなってしまった。
とりあえずスカート一枚とタートルネックを二枚。
本当は黒のジャケットが欲しいのだけれど、
チョークまみれになることを思うと・・・

本日の一作:
・『The MANZAI』(あさのあつこ/岩崎書店)

中学校の文化祭における各クラス共通の出し物が
「ロミオとジュリエット」に決定した。
そこで登場するのが主人公である歩君と、
歩君に熱烈アプローチをかける秋本君である。
秋本君は歩君と一緒に漫才がしたくて仕方が無い。
歩君も最初は抵抗していたものの、いつのまにか
やる気となって、いよいよ文化祭当日を迎える
・・・という過程を楽しむ話なのだよ、きっと。
だから、最後の漫才が面白くなくたって、
それはご愛嬌ってことで目を瞑ろう(瞑るしかない?)

話自体は本当に理想的なほど明快に進むので、
あっというまに読めてしまう。
ただ、各登場人物が背負う過去が重過ぎるので、
なんだかこの軽さが胡散臭くて鼻についてしまうかも。
でも、重くしようと思えばずっと重い話になる所を
あくまでも軽く流していったのは、
この小説の対象があくまでも小中学生だからかな。



2003年11月23日(日) 『まひるの月をおいかけて』

広島から帰宅。
疲れたが、下関と比べれば全然近いね。

本日の一作:
・『まひるの月を追いかけて』(恩田陸/文藝春秋)

弟の部屋でずっと読んでいた一冊。
古都・奈良で失踪した異母兄を探す旅に出発した
異母妹と彼の高校時代の同級生である女性。
しかし、すべては異母兄を呼び出すために、
女性が仕組んだ巧妙なシナリオだったという展開。
知らぬ存ぜぬは異母妹のみで、読者は異母妹の視点を通し、
少しずつ、そのシナリオの全貌を知っていく。
面白いけれど・・・多少強引過ぎるのは否めない。
ミステリというよりは、もつれた人間関係の顛末を
見守っているようなカンジの話だったような・・・
ラストは、良く言えば読者の想像をかきたてるような、
悪く言えば何とも中途半端なところでプツリと途切れる。
この先、この人たちはどうするのかなぁ。

でも、いろいろな場で言われていたが、
しっかりした奈良・ガイドブックにはなるね。
奈良県かぁ、しばらく行ってないよなぁ。
昔は本当に毎年のように家族で行っていた場所。
いろいろ観光名所はあるけれど、
私にとって最もインパクト大なのは大神神社である。
本書にももちろん登場しているこの神社は、
ご神体が三輪山そのものであるという不思議な神社。
でも、奈良に最も似つかわしい神社だなぁと心から思う。



2003年11月22日(土) 初・広島

三連休中、最初の二連休を使用して家族旅行。
というか、今年から広島で働き始めた弟のもとへ
こたつを届けに行くという両親のお供である。
最近は特に仕事で疲れていたから断っていたのに、
いざ両親の寂しそうな顔を見ると・・・断れない。
まぁ、運転は父親が、出資は母親がするわけで、
私自身は両親の満足のため付いていくことになった。

初めて通された弟のアパートはすばらしく、
再び一人暮らしを始めたくなってしまった。
あぁあ、今年合格していたらなぁ・・・と、
いまさらながらしみじみ悲しくなってしまった。
本当にいまさらだけれど。

夜は家族で居酒屋へ。
魚料理がおいしくて、ココも海が近いのだなと
妙に納得してしまった。ねぶとの唐揚げ、絶品。
弟はどうも3年辛抱したら転職したいらしく、
愚痴愚痴と一人で言い続けていた。
本当に3年経って、転職するパワーがあるならば、
すりゃいいだろ、というのが私の感想である。
別にどの職に就いたって楽なわけではないし。
自らの願望で教壇にしがみついている私だって、
「もう嫌だ」と泣きたくなることがあるのが世の中だから。



2003年11月21日(金) 『コッペリア』

待ちに待った金曜日。
こんなに週末を待ち望んだことが
かつてあっただろうか(いや、ない)。

今日、兼務校における最後の漢字テストの答案をいただく。
今回は4クラス中、2クラスの担任が参戦。
結果は、2人とも64点・・・2人とも再テスト(爆)
珍しく、あちら側から「もう丸つけってしたの?」と
催促があったから、年間の集計でもしたいのかと思ったが、
きっと自分達の点数を知りたい願望も込められてたのだろう。
なるほどね。

本日の一作:
・『コッペリア』(加納朋子/講談社)

加納女史の新境地。
天才的な人形作家と、その人形に魅せられた人々と、
その人形にそっくりな女優と・・・多くの人間が
それぞれの過去と思いを抱いて、交錯する。
表向きは「ミステリー」、確かにおぉっと思った面もある。
その一方で、やっぱりこれはラブストーリーなんでしょ。
一応、めでたし、めでたしのお話なんですもの。

もともと、私は人形はちょっと苦手だ。
その作りが精巧であればあるほど、怖いのだ。
幼い頃、女の子だからという理由で、
親戚が次々と贈ってくれる人形が怖かった。
だから、私の部屋には人形はない。
ぬいぐるみもない。



2003年11月20日(木) 泣きじゃくる

職場から家に戻るのに車でほぼ40分程度。
その日の気分次第で、遠く感じたり、
あっという間だったりする。

最近、授業でも、部活動でも、校務でも、
バタバタしていて、相当メンタル面で参っている。
結局、忙しいと、自分のふがいなさが際立つわけで、
もがけばもがくほど、空回りして落込んでしまう。
他人の何気ない一言でひどく傷ついてみたり、
自分の行動を振り返って、自己嫌悪に陥ったり。
今日はそのピークだったのか、つらくて、つらくて、
車の中で大泣きしながら、いつもの道を帰った。

泣きたい時には、ブルーハーツとバンプ。
「終わらない歌」「トレイン・トレイン」
「ダイヤモンド」「グングニル」「くだらない歌」
それから「sailing day」・・・泣けるなぁ。

大声で歌って、しゃくりあげながら泣いて、
涙が止まった頃には、家に着いていた。
あぁ、良かった。家が遠くてさ。
もし、家まで10分程度しかかからなかったら、
間違いなく家族に八つ当たりしてたもの。



2003年11月16日(日) 『街の灯』

毎日、最後まで学校に残りつづけた一週間。
現在、詩やら短歌やらをやっているせいか、
教材研究がまったく追いつかないのである。
情けない話ではあるがね・・・
しかも、どれだけ時間をかけて教材研究しても、
実際の授業にかけてしまえば、1時間と半分ぐらい?
や、やりきれないなぁ(涙)

本日の一作:
・『街の灯』(北村薫/文藝春秋)

忙しい人こそ本を読む、という言葉がある。
これは事実だろうと思う。
私もやはり本だけは手放さないよ。

北村氏の新シリーズになるのだろうか。
古き昭和の濃い匂いが立ち込める東京を舞台に、
社長令嬢・英子とそのお抱え運転手ベッキーさんが活躍する。
ベッキーさんは女性の運転手という珍重な存在。
運転も勿論だが、ボディガードとしての腕も立つ。
そのうえ、頭の回転も早く、非常に頼りになる。
そのため、多くの人間がベッキーさんに興味を抱く。
しかし、現代以上に身分にこだわる時代ゆえに、
ベッキーさんは温和ながらも、固く口を閉ざすのである。
きっとその背後には多くの秘密が潜んでいるはずなのに、
北村氏はそれを匂わせはするものの、全く漏らさない。
そのため、私達もベッキーさんの存在に虜になる。
私だってもう少し若ければ、せめて10代の頃であれば、
こんなお姉さんがほしい、こんな先輩がいたらな、と
間違いなく憧れてしまうであろうステキなベッキーさん。
彼女がいったい何者なのか、気になるなぁ。



2003年11月10日(月) 『不良少年の夢』

今日から三週間は特別な行事もないため、
ひたすら授業が続く三週間。正念場なり。
私は生徒によく「授業の話しかしない」と言われる。
自分ではそんなつもりはないけれど、
確かに他の先生と話していると、そうかもと思う。
別に余談が悪いとは思ってないのであるが、
やはり教師の第一の仕事は授業だと思うので。
昨日の晩ご飯の話なんかする気はおきないな。

本日の一作:
・『不良少年の夢』(義家弘介/光文社)

自伝。ブームに乗って、もう一冊も読んでみた。
壮絶な半生であったことは分かる。
でも、教師は教師なのであって、芸能人ではないから、
ちょっと冷めた目で見てしまうのも確か。

でも、義家氏の努力と、生徒に対する愛情の深さは
本当に本当に感服である。生半可じゃできないよ。
むしろ、少年義家氏が鼻で笑ってみていた汚い大人に
現在の私は近づいてきている。
いいものはいい、ダメなものはダメ。
このシンプルな教育がいかに難しいことか。
明日もまた戦いである。つらいなぁ。



2003年11月09日(日) 『オリガ・モリソヴナの反語法』

今日は選挙の日。もちろん、行きましたとも。
目の前に結果が見えているのに行くという空しさには
ちょっと目をつぶっておくとしましょう。
(開票間もなくで、当選確実だってさ。変なの)

本日の一作:
・『オリガ・モリソヴナの反語法』(米原万里/集英社)

N尾女史お薦めの一冊。
半分徹夜して読んだために、今日はふらふら。
でも、止められなかったのだから仕方ない。
自分ではなかなか手に取らない本だけれど、
やはり読まず嫌いはいけないのだねぇ。

自らの少女時代に鮮烈な印象を残したダンス教師
オリガ・モリソヴナの謎多き半生を知るために、
30年弱の歳月を越えて、志摩は行動を起こした。
旧友や心優しい知人の協力を得、少しずつ明らかになる過去。
そこにはスターリン時代を必死で生き延びた
一人の女性の潔くも悲しい日々があった。

私は世界史が苦手であったため、
スターリン時代といわれてもいまいちピンとこない。
もちろん教科書に載っているようなことは分かるが、
日本史なら知ってる四方山話はさっぱりである。
しかし、いつの時代でも、どこの国でも、
いわゆる“冬の時代”の悲惨さは同じなのだ。
おまけに、今回も(昨日に続き)女性が辛い。

米原女史は翻訳家かつエッセイスト。
この小説もあくまでもノンフィクションを元に、
フィクションを染み込ませていったものであるから、
完全な小説とは言いがたいのかも。
ただ、強烈なキャラと語り口がさばさばしているおかげで、
必要以上に暗くなることなく、私でもすっきり読めた。
面白かったですよ、コレは本当に。



2003年11月08日(土) 『星々の舟』

今日は祖母を連れて、ユニクロへ。
一緒に連れてけとせがまれたからであるが、
昔は祖母に連れられて出かけていたのに・・・
切ないような、むず痒いような不思議な心持ち。
紺のフリースを一枚プレゼントした。

本日の一作:
・『星々の舟』(村山由佳/文藝春秋)

直木賞受賞作品。初の村山作品。
友人M木女史はすごく好きな作家らしいのであるが、
私は食わず嫌いに近いカンジで敬遠してた。
山本文緒や唯川恵に近いものを想像してたかな。

読後の一言、重い話。当分、読み返したくない。
久々に読んだよ、こんなに詰め込まれた重い話。
半近親相姦から始まって、不倫、イジメ、戦争体験。
それぞれに何かしらの問題を抱えている一つの家族、
各自の視点で物語られる6章で構成されている。
結構、どこにでもある展開だからすぐ読めるけれど、
最後の慰安婦の話には強烈なリアリティがある。
従来、腫れ物に触れるように取り扱われてきた問題が、
いよいよこの種の作品にまで浮上してきたのだな。
特に、女性には読むに堪えない話だと思われるが、
(それでも、この作家の読者の大半は女性だけれど)
決して目をそらしてはいけないのだ、人間として。

とりあえず、村山女史の印象は変わったことは確か。



2003年11月07日(金) リーダー研修会

昨日から一泊二日、部活のリー研に参加。
生徒も相当ショックを受けていたみたいだけれど、
おそらく一番勉強になったのは私じゃないかな。
自分が中・高時代は当たり前に思っていた部の指導。
でも、あれは先生が本気で取り組んでくれていたから、
成し得た業だったのだなぁと心から感謝した。
そして、その中でいかに生徒の自主性を育てていくか。

私は今年初めて教壇に立った。
「先生」と言って慕ってくれる生徒が可愛かった。
それこそ何でもしてやりたいと思うぐらい。
でも、今はそれがダメだということがわかる。
適度な距離を取ることの難しさ。
どのような人間関係においても、それが一番難しい。

最近、やけに不安に襲われるのもそのせいなのだ。
私はこんな教師になりたかったのだろうか。
確かに、教師も人間だから。
生徒に嫌われるよりも好かれるほうが嬉しい。
授業も生徒指導もしやすい。
でも、だから・・・? それで満足なのか?
生徒の顔色を窺う教師なんて、やめちまえ。
そう思っていたのに、身体が反応しなかった。

でも、リー研に参加して、昔の自分を思い出した。
自分にも後輩にも、妥協をしなかった自分。
荒削りでも、あの頃の自分には今の自分には
足りない何かが、確実に存在していたのだ。

嫌われてもいい・・・そうじゃない。
そんな投げやりな気持ちじゃなくて、
今までしてもらったこと、返していきたい。

目が覚めた。



2003年11月04日(火) それなりなんかじゃない

今日の仕事は始まってしまっても
全然それなりなんかじゃなかった。

今日は2年生は模試。
私は就職模試の一般教養と作文の試験監督。
作文のテーマは「最近のニュースで気になること」
・・・知ってるわけないよな。
あいかわらず、やんちゃ軍団は鉛筆も握らず、
べらべらべらべら喋りだす。
試験中だから、私達も手荒な指導を加えることもできず、
もう一人の監督(教務主任)と困る、困る。
おまえ等、本当に試験だってことをわかってるのか?
そんなふうで、社会でやっていけるのか?
きっと私達は叱るべき立場なのだ。
いけないことをいけないと言ってやる立場なのだ。
でも、ああいう情況ってどうすればいいの?
つまみだして、生徒指導室や担任のところへ
連れて行けばいいの? 分からない、分からない。

もうすっかりくたくたで、なげやりなカンジ。
自分が何を目指しているのかが分からなくなる・・・



2003年11月03日(月) 『心洞 Open Sesame』

今日で休日終わりか~~。
明日から仕事か~~。
お休みのたびにこんなことを呟く私。
始まってしまえば、それなりなんだけどさ。

本日の一作:
・『心洞 Open Sesame』(五條瑛/双葉社)

〈革命〉シリーズ三作目。
前二作品を読んだのが今年3月だったことに驚き。
(そうか、まだ今年の話だったのか、あれは・・・)
三作目のキーパーソンは17歳の少女・エナ。
暗い過去を抱きつつ、不夜城を彷徨うエナは、
唯一の心の拠り所である青年ヤスフミに出会う。
しかし、2人のささやかな日常はあっという間に
地獄へと転落の一途を辿ることになる。
F=ファービーと呼ばれるブツによって。

ネタバレになるかもしれないが、
最終的にこの2人が幸せになれるはずはない。
だから、決定的な瞬間が来た時も「やっぱり」と
つい思ってしまった。動揺はない。
恋人の思いがつまったネックレスを身につけ、
エナはたくましき少女戦士として再び不夜城へ。
彼女はサーシャとどう関わっていくのだろうか。
〈革命〉はどこまで進んだのだろう。
どこまで進んだ時に、達成とみなされるのだろう。



2003年11月02日(日) 『あの空をおぼえてる』

両親とともに高岡へお出かけ。
噂のカレーうどんを堪能してきた。美味。
ただし、カレーうどんを食べるとなぜか胸焼けする。

今日はシャツを二枚購入。
私は普段あまりシャツを着ないのであるが、
やっぱりスーツやジャケットを着る機会の多い職業だけに、
「ないと困る」じゃなくて「あって当たり前」のシャツを
これからは少しずつ増やしていかねばと思うこの頃。

本日の一作:
・『あの空をおぼえてる』
(ジャネット・リー・ケアリー/ポプラ社)

この作品、実は話題作らしい。
私は翻訳物を自分で選択して読むことをしないのであるが、
生徒が「先生、絶対コレで泣く」と持ってきた。
あらすじはいろいろな場で紹介されているが、一応。
トラックとの衝突事故で7歳の妹・ウェニーを喪い、
大怪我をしながらも、生きながらえた11歳のウィル。
この作品は、彼が天国への妹へ書き綴りつづけた
ささやかな手紙の文面によってのみ、構成されている。
彼は実は妹と一緒に天国への通路を飛び続けていた。
しかし、歎き悲しむ両親のために、再び地上に帰ってきた。
ウェニーの死を歎き悲しむあまりに崩壊しようとする家族を、
ウィルはウェニーに愚痴りつつ、必死で守り続ける。

「ウィリアム=一生懸命守る人」

彼はいつの時も自らの名に恥じぬ立派な少年だったのだ。
父の運転する車中で一気に読んでいたので、
泣きはしなかったのであるが、一人だったら泣いたかも。
国内小説ではなかなかお目にかかれない直球勝負の物語。



2003年11月01日(土) 『ヤンキー母校に生きる』

土曜出勤、無事に終了。
午前中は今後の教材研究に当て(でも、いまいち)、
午後からは読書をしながら、生徒を待った。
もうすぐ志望動機書を提出しなくてはならない彼女は、
ここ数日、私を含む数名の先生の助言を得ていた。
私一人だったら、きっと行き詰まっていただろう。
彼女がいろいろな先生と話し、自分の文章を考えたから、
私は国語教師としての務めに専念できたのである。
はっきり言って、この学校の生徒は文章力が格段に低い。
これだけマジメな彼女ですら、太鼓判は押せない。
それでも、最初は何が書いてあるのか要領を得ない文章を
泣きそうな顔でもって来た彼女が、本日16:30をもって、
半ば強引にでも志願書を完成させたことに、少し安堵した。

本日の一作:
・『ヤンキー母校に生きる』(義家弘介/文藝春秋)

今日の午後、ずーっと読んでいた一冊。
金曜日に図書室に寄ったら発見して借りてきた。
何よりも心打たれるのは、この人は心底生徒好き。
怒るときは徹底的に、誉めるときも徹底的に。
私も生徒は好きだ。一人、一人を可愛いと思う。
授業をつぶそうとし、冷ややかな目で私を睨む時、
怒り以上に、悲しみが胸に込み上げる。
「オマエ、そんな調子でこれからの人生どうする?」
義家先生なら、それを言葉で、態度で伝えるのかな。
でも、私はつい流してしまう。
授業を進めなくちゃならないから・・・自分に言い訳して、
明らかに聞いていないと分かる生徒の前で授業する空しさ。
体当たりすることから逃げてはならない。
分かっていても、実行することは難しい。
でも、もがき続けることはやめないから・・・ごめんね。


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葉明 [MAIL] [当世高校教師気質Ⅱ]

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