当世高校教師気質
一生勉強 一生青春

2003年12月26日(金) 御用納め

本当は26日が御用納めなわけだが、
明日は兼務校に行く予定ができてしまったので、
本務校は何としても今日で御用納めにせねば!
ということで、必死に実力テストを作ったよ。
私は1年生を全く持っていないので、
どれぐらいのレベルで問題を作ればよいか分からず、
他の先生にチェックしてもらいながら作成。
「ちょっと難しすぎるね」のお言葉に従い、
3度も作り直しちゃったよ・・・うふふ。
普通だったら、満点でもおかしくないのだろうが、
ウチの場合、ソレはないよな、きっと。
満点とって、私の採点を楽にしておくれ(笑)

その後、学校に残るわずかの先生方とお茶。
20代(私)、30代、40代のシングル集合。
クリスマスなのに!? 虚し過ぎじゃないか?
でも、調理室で手作りのピザを焼いてもらい、
楽しい時間を過ごせてよかったよ。
メリークリスマス★



2003年12月24日(水) 『山谷崖っぷち日記』

忘年会も無事終わり、冬休みに突入。
世の中が浮き足立つクリスマスイブが何だ!(怒)
想像以上に仕事は舞い込んだ一日の終わり、
自分に自分でプレゼントを買いましたとも。
パンツ2本とセーター1枚。
珍しく上下セットの下着と化粧品。
諭吉が三枚飛んでったよ・・・恐ろしや。
やっぱりお金を使った後はちょっぴり罪悪感が残る。
必要だと分かっていてもやめときゃよかったと思う。
でも、お金使いたくなるのよね。意志薄弱な私。

本日の一冊:
・『山谷崖っぷち日記』(大山史朗/TBSブリタニカ)

数学の先生からかなり熱心に勧められた一冊。
初めてタイトルを聞いたとき、「サンヤ」が変換できず、
実物を手にして、ようやく地名であることが分かった。
筆者は実際、山谷で生活する労務者の一人。
いわゆるサラリーマン人生に一線を画した男性が、
自分の目に映る光景を淡々と描き出しているエッセイである。
なにせオビが振るっている・・・「現代の方丈記」
なるほど、確かに鴨長明も世を捨てた人間であった。
大山氏も結局、自ら世を捨てる選択をしたのだ。
だから、本文には世間に対する恨みつらみは見られない。
あくまでも冷静なのだ。勿論、自身の行く末に対しても。

真似ができるかと言われれば、できないと答える。
真似をしたいかと言われても、答えはノーだ。
しかし、類稀なる彼の世界観には敬服する価値がある。
読む人により受ける印象は様々だろうが、だからこそ、
多くの読後感想を聞いてみたいと思わせる1冊である。



2003年12月21日(日) 『シェルター』

昨夜・今夜と続いて、ヤワラちゃんの結婚式関係の
テレビ番組を見る・・・ごっつ幸せそう。
恋愛して、あそこまで幸せそうな人ってすごいよ。
う~ん、素直に羨ましいぞ。

本日の一作:
・『シェルター』(近藤史恵/祥伝社)

整体師探偵シリーズ第3巻。
前作に引き続き、ストーリーの中心は姉妹の関係。
過去の諍いからずっと心底に秘めてきた気持が明らかになる。
姉妹といえど女性同士、思うことも多々あろうが、
少しずつ距離を縮めようとする二人はやはり他人ではないのだ。
加えて、もう一つの話の中心は姉と出会った一人の少女。
中学時代に受けたイジメから抜け出すために、芸能界入りした
彼女ではあったら、現実の厳しさを受け止めかねている。
この場合、空想の中だけの話じゃないのだろう。
芸能人は憧れの存在であると同時に、格好のバッシングの対象だ。
それがやっかみ半分のものであったとしても、時として
信じられないぐらい残酷な言葉や態度を平気で投げかける。
それを乗り越えて微笑んでいられる人が生き残るのだ。

  「ぶっちゃけていえば、自分と何人かの友達だけ、自分のことを
  好きやったら、人生なんてうまいこと行くもんやで」

だから、他人が何を言おうと懼れることはないのだ、と。
それらの言葉がどれほど悲しくても、腹立たしくても、
自分の本質が傷つけられることは決してないのだ、と。
少女の身体をほぐしながら、整体師が言葉を紡ぐ。
イイ言葉だ。私の心も少し救われたような気がした。



2003年12月20日(土) 『博士の愛した数式』

気を抜くとあっという間の一週間。
今週も本当にいろいろなところがあった。
思い返して書き留めることも必要なのだが、
思い返すと気がめいることのほうが多いので(涙)、
次回の反省に回して、今は消去だ~~。

本日の一作:
・『博士の愛した数式』(小川洋子/新潮社)

過去の交通事故により、80分しか記憶できない老人と、
その家に雇われた家政婦と息子の交流物語。
タイトル通り、老人は数学に関してはずば抜けた
才能を発揮するのであるが、日常生活はまるでダメ。
それなのに、子どもに関しては強い愛情を示すのである。
すごく純粋で、それゆえに哀しいこの男性に、
若い家政婦さんは惹かれていく・・・分かるねぇ。
恋愛など差し引いても、人は人に惹かれるのだ。
いかなる場合にも相手への敬意を忘れない人間、
人間ばかりでなく数字にも敬意を払える人間。
確かに、ぱっと見たら不思議な人だろうけれど、
深く知れば惹かれる存在なのはよく分かるのだ。
ちょっと『センセイの鞄』に近い雰囲気があるかな。
以前から話題にもなっていたし、注目していたが、
今年最後になって、この一冊を読めたことは幸せだ。
しばらくは友人にお薦めしてみようかな。



2003年12月12日(金) 部活指導

18日に慰問を予定しているブラスバンド部。
さすがに曲を完成させないとまずいので、
生徒の尻を叩いて、なんとか曲作り。
あっちも必死だろうけれど、私だって必死。
授業中でも見せないきっつい一面をちらつかせる。
でも、生徒が「今日の合奏楽しかったー」と
笑顔で寄って来てくれると、疲れも吹き飛ぶ。
確かに、生徒がそう言ってくる日は合奏の調子もいい。
決して誉められた演奏ではないけれど、
私だけが知っている生徒の進歩は宝物だなと思う。

加えて、今日はいろいろな先生が練習見学。
しまいには校長まで覗きに来るものだから、
ちょっと参ってしまったよ・・・緊張するじゃん!
いまだ指揮を振るのには慣れない。
自分が演奏者に回るほうがよっぽど楽だわ。

明日も休日出勤で部活指導、頑張るぞ。

*「ヤンキー母校に生きる」最終話。
ちょっと時間が足りなくて消化不良?
ドラマだから限界もあるだろうけれど、
私はこのドラマに考えるきっかけをいっぱいもらった。
放映時期のタイミングが抜群だったからなぁ。
私にとってちょっと忘れられないドラマになった。



2003年12月09日(火) 「Ken's Bar」

楽しみにしていたアルバム購入。
平井堅氏のフルカバーアルバム。
最近、CMでもしょっちゅう耳にするナンバーも
入っているが、やっぱカバーは巧い人に限るね。
カバーすりゃいいってもんじゃないしね。
特に、「おもひでぽろぽろ」という映画の挿入歌、
「THE ROSE」はいいよ~~、染みるよ!
N尾女史もお気に入りの一曲だから、
今度逢う時にでも是非聴かせてあげなくちゃ。

本当はPE'Zのニューアルバムも購入予定だったが、
品切れ・・・おっ、イイ人気じゃん。
それじゃ、こっちは次回に回しますか。

最近、めちゃくちゃ金遣いが荒いね。
松本大洋『花男』も買ってしまったし。
洋服なんかは全然買わないのに(必要なんだけど)、
食べ物や本やCDなど細かいものをぽんぽん買ってる。
ストレス・・・を言い分けにしちゃいかんよなぁ。
節制しないと、お肉だけがついてしまうよ。とほほ。



2003年12月08日(月) 『誰か』

昨日、ようやく我が家にこたつが登場。
おかげでこたつで転寝を満喫してしまい、
一日中、本当に何もせずに寝てしまったよ。
おまけに、ちょっと風邪をぶり返すはめになり、
軽い頭痛を押えつつ、11時過には就寝。
よくコレだけ寝られるもんだと我ながらあきれる。

本日の一作:
・『誰か Somebody』(宮部みゆき/実業之日本社)

コレはお薦め、絶対読んでみるべし。
久々の宮部女史の現代ミステリは、忙しい毎日の中、
ふっと見落としがちな小さな事件から始まった。
大会社の会長の個人運転手が自転車事故で死亡。
遺族である2人の姉妹は犯人探しの意味も含め、
生前の父の生き様を綴った本を書こうとする。
会長の娘婿であり、編集者でもある主人公は、
それを手伝うという名目で駆り出されるのであるが、
次第に姉の過去にまつわる誘拐事件が浮き彫りになり・・・

話題作という煽り文句を少しも裏切ることのない
宮部女史の手腕がいかんなく発揮されている。
本筋以外の部分でも非常に丁寧に人物が描かれているし、
ラストも絶妙だね、面白かったなぁ。
生徒が読みたいというので、早々に図書館に返したが、
文庫になったら買い直してもいいかなとちょっと思った。



2003年12月06日(土) 試験終了

後期中間試験、無事終了?
今回はあっという間に終わってしまった。
普段は試験期間は安息の時間というか、
とにかく開放感にあふれる時間のはずなのに、
今回に限っては、ギリギリまで試験を作っていた
せいもあってか、全然落ち着かなかった・・・
部活の仕事も立てこんでたしさ。
試験期間だから絶対定時に帰ろうと思ってたのに、
結局、定時に帰ったのは最初の二日のみで、
残り三日間はいつもどおり・・・ふぅ。

しかし、ここまで無我夢中でやってみて、
自分の授業のアラが本当に見えてきたよ。
特に、古典。
現代語訳は配って、内容重視で進めるためか、
試験になると、訳の部分がかな~り悪い。
別に受験に使うわけじゃないからなぁと思ってたが、
さすがにコレじゃだめだろうな、頭が痛い。
今日、生徒が「先生は辞書使わないよね」と
ポツリと言っていたので、ドキリとした。
この試験が終わると、もうラストスパート。
ちょっと授業スタイルを変え(マンネリ化もしてるし)、
来年にもつながる古典をやれたらいいよなぁ。
(古典選択者は年々激減の方向にあるけれど/涙)


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葉明 [MAIL] [当世高校教師気質Ⅱ]

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