ぶつぶつ日記
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昨日はカイロで一緒に暮らしていたMちゃんの結婚披露パーティだった。 今年の初めに籍を入れ、だんな様の国に住んでいるMちゃんは、 日パキハーフのエキゾチックな美人で、 シンプルなドレスがとてもきれいなお嫁さんだった。
彼女は私が始めて一緒の暮らした「他人」であった。 そのあとも2人の日本人女性と一緒の暮らした。 日本人同士だからといって、 いや日本人同士だからこそ、 フラットをシェアしてもうまくいかないことが多いのだが、 幸いにも私はフラットメイト運が良かったらしい。 私以外の全員が結婚した今でも、だんなさんも含めて友だち付き合いをしている。
いい関係で問題はほとんどなかったと言っても、 それなりに他人と暮らすことは色々大変なこともあった。 自分にとっては当たり前の事が相手には嫌味に思えてしまったり、 自分自身の心の問題で、相手とギクシャクしてしまったり・・・。
母の躾のおかげで、私は水周りがきれいじゃないとかなり嫌だ。 特にガスレンジは常にピカピカじゃないと我慢できない。 コツは、料理をしたらすぐに拭く。 そうすると大掃除をしなくてもレンジや流しはいつもピカピカ。 ガイドの仕事をして3、4日家を空け、疲れきって帰ってきた次の日。 ついつい朝ご飯を作りながら、レンジを磨いてしまうのだ。 そのことにフラットメイト達はちょっと傷ついたらしい(^^;)。 しばらくたつと 「明日はcolacacoが帰ってくるから、レンジを掃除しよう。」 と言うことになった。 私がレンジを磨いていたのは別に嫌味ではなく、 「自分が嫌だから自分が磨く」というただそれだけなのだが、 ものは受け取りよう。 でもまあ、「帰ってくるからレンジ磨いておいたよ〜。」 とフラットメイトが言えるような関係だったので、大問題にはならなかったが。
一番困ったのはよくある話しで恋愛絡み、になってしまった時だ。 私は友だちのうちの一人を好きになった。 でも彼が女性として興味を持ったのはフラットメイトの1人だった。 当然それだけでもギクシャクする。 その上、いつも「自分自身だけの何かたった一つ」を探していて、 でもこの年になっても「たった一つ」が見付けられない私と違って、 彼女は彼女の「たった一つ」を持っていて、 そのためにカイロに来ているような人だった。 私にしてみれば、理想の生き方だった。 ここで、私自身のコンプレックスが巨大化した。 そんなコンプレックスを持つ自分が悪い、と思っていても、 なかなか割り切れるものではない。 部屋の中がぴりぴりして、間に入っていたもう一人のフラットメイトは きっと一番大変だっただろう。 下町の大家族の、親戚中で二人しかいない女の子の一人として ちやほやされて大きくなった私の人間関係の愚痴の手紙に、 「あなたは甘やかされて自由奔放に育ってしまったから、 人に気を使うのが大変でしょう」と母は返事をよこした。
結局、その後も色々あって私達の両方が彼とは付き合わなかった。 彼女が彼と付き合っていたらどうなっていたかな〜とたまに考える。 どうなっていたかは、結局想像できない。
このごたごたの最中、ぼんやり私は考えた。 きっと結婚っていうのも、こういう感じなんじゃないかな、と。 つまり、相手がそんなに急に変わったわけではく、 自分自身の心や体の体調によって、 相手のすることが気になったり、相手が嫌になったりしてしまう。 よく考えると、問題は自分の中にあるのに、 それを相手に押し付けてしまうんじゃないだろうか、と。 フラットメイト同士は「他人」のスタンスを保てるので、 何とか平静を取り戻そうと努力できるけれど、 「夫婦」とか「家族」と言うのは、このスタンスが保てない。 甘えばかりが前面に出てきてしまうんじゃないかな、と。
せっかく結婚したんだから、だんな様には甘えて欲しいと思う。 でも、時折、他人と暮らすルールを思い出してもらいたいな。 結婚して幸せに暮らしているフラットメイトたちの顔を見ながら、 まだまだクールでいられる未婚の私はそう思った。
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